HOLD and LOST

作・丸呑みすと様


(暑いな)
女子高生・真島枝里子の肌は汗ばんでいた。
制服のブラウスが貼り付いてブラジャーが透けて見える。

ここは中央公園に新しくオープンしたドーム型温室。
花好きな彼女は学校帰りに立ち寄ったのだ。
清楚な面立ちにすらりとした体型。白のブラウスと紺の膝丈スカートが似合っていた。
丁度、入場口を閉めるところで、係員は
「30分くらいなら見られるよ」と入れてくれた。
枝里子が最後の入場者らしい。
しかし、枝里子が入った後すぐに、係員が出口を施錠したことを彼女は知らない。
まるで出てこない事を知ってるかのように・・・・

「わ、すごい」
枝里子の目前に植えられていたのは、2メートルを超える赤と黄色で毒々しく彩られた花だった。
そばの解説板によるとニューギニア原産のドクダリアンというらしい。
食肉植物でもあるらしい
・・・食肉?食虫じゃなくて・・・
枝里子はふと、悪寒を感じ後ずさった。

しゅっと風を切る音と共に飛んできた蔓が枝里子の肢体に巻き付いた。

「い、いやっ!」
恐ろしく強い力で引き寄せられていく先にいたのは異形の怪人だった。
赤と黄の花の真ん中に怪しく光る一つ目と蛇を思わせる管が伸びていた。
枝里子は後から怪人に抱えられてしまった。
「いやァーーーーッ、誰か助けてェーーーーーッ」
泣き叫ぶ彼女の耳に何処からか重々しい声が聞こえてきた。

「ようこそ、ショッカー植物園へ。君はドクダリアンの迎える、栄えあるお客様第一号だ」
怪人ードクダリアンの管状の口がするすると肩越しに伸びると、襟元からブラウスの中に潜り込んでいき、バターにナイフを入れるように豊かな胸の谷間に突き刺さった。

「うぎゃあああああーーーーーっ!!」
絶叫しのけぞる枝里子の体内にショッカー特製の消化液が注ぎ込まれてゆく。若々しい肉体を構成する蛋白質やカルシウムを急速に分解してゆく・・・・

泡状となりもはや抵抗もかなわぬ哀れな女子高生を、ドクダリアンは管状の口から吸収していった。