美食花

作:名無し様

深夜23時…
薄暗い雑木林の中、少女の悲痛な声が響く…。

『い、嫌ッ!離して!』

少女の名前は真美、17歳。
この日真美は学校終わりに働いていたファミレスのバイトが長引き、帰宅が遅くなってしまった。
少しでも早く帰ろうという気持ちから近道に、普段は避けていた薄暗い雑木林を抜けようとしたところ、あろう事か突如木々や地面から伸びたツタが真美の手足を拘束したのだ。
両手は丁度バンザイをしたような形で手首をギッチリと締めつけられ、両足首も同様に地面から生えたツタに縛られる。

『な…何なのこれ…!』

得体の知れない恐怖に真美はなすすべなく震えている。
木々の隙間から微かに月明かりが漏れ、真美の全身をボンヤリと照らし出す。
セミロングの黒髪にパッチリとした大きな瞳…。
高校ではチア部に所属し、暗闇でもその引き締まったスレンダーかつ美しいボディラインが伺える。
白い半袖のブラウスの第一ボタンをイタズラに外し、緩めに締められた水色のスクールネクタイが、細身かつ豊満なバストの上にフワリと乗っている。
膝上20センチ程に折り曲げられた制服のミニスカートからはスラリとした美脚が伸び、色白の綺麗な脹脛を包み込む紺ハイソとのコントラストが映える。
ふと、地面が盛り上がると、人の形をした植物のような化物が真美の前に生えきた。
頭だと思われる箇所は花の蕾のような形をしている。

『ヒッ…い、嫌ァァァ!!』

目の前の化物植物から必死に逃れようとするが、真美を拘束しているツタは意思を持っているかの様に、より強く真美の手足を縛り付ける。

【ブワッ…】

ふと、人型植物の体中から細い触手が広がる。
ウネウネと蛇を思わせる動きで、その触手は真美の体中に巻き付き始める。

『い、嫌…』

真美は大きな瞳に涙を浮かべ、恐怖に震える。
すると、足元に巻き付いた触手が、真美のアザ一つない真っ白な太ももを伝いながらゆっくりとミニスカートの中へ侵入してきた。

『や、やめて…!』

懇願する真美を当然無視し、純白の下着の中にまで侵入する触手。
触手の先端が真美の肛門付近に触れた瞬間、今までのゆっくりとした動きが嘘のように【ズブリッ】と真美の肛門内部へ深く入り込んできた。
『うっ…!?』

おぞましい感触に真美の綺麗な顔が苦痛に歪む。
直腸内に異物が入り込んでくる感覚にほんのりと太ももに鳥肌を浮かべ悶える真美。
と、次の瞬間…

『あ…!!!?い、嫌ァァァ!!熱い…お腹が…!!』

真美は大きな瞳を限界まで見開き、大粒の涙を溢しながら泣き叫ぶ。
真美の可愛らしい肛門の奥へ侵入した触手が、中で大量の酸性の消化液を流し込み始めたのだ。

『ヒ……嫌"ぁぁああああ!!苦しいよぉ!』

苦痛から逃れようと身体を仰け反らせようとする真美だが、強固に手足を拘束するツタが虚しくギチギチと鳴るだけだ。
泣き叫ぶ真美に一切容赦せず、触手は消化液を真美の中へ流し込み続ける。
スレンダーでペッタリと引き締まっていた真美の腹部が、徐々に制服のブラウス越しでも分かるほど、【ボコン、ボコン】と波打ちながら張り詰めていく。

『嫌"ァァァ!』

遂には、真美の自慢でもあった、綺麗な線を描いていた筈のクビレは見る影もなくなくなり、臨月の妊婦のように膨らんだウエストにスカートのホックは今にも弾け飛びそうだ。
これがうら若き乙女の腹だとは思えぬ程、消化液でパンパンに満たされていく。

『あ“……』

痙攣し焦点の定まらない大きく見開いた目で、声にもならない声を出す真美。
と、同時に…

【ジュウウウ…】

真美の目や耳、口から微かに白い蒸気が立ち昇り始めると、徐々にその蒸気は大きくなっていく。
大量の消化液が真美を内部から溶かし始めているのだろう。
消化液は全体に回っているのか、張りのあった筈の若々しい肌は中の肉が溶けブニョブニョとした外観に変わり、美少女の体の形を崩していく。
真美の生命活動はここで停止した。

【ジュルルルル…】

触手は、シェークでも吸うような音を立て、今度は完全に溶け出したであろう真美の中身を吸い始めた。
妊婦のように膨らんでいた腹部は徐々にしぼみ、次第に真美の体全体が萎れていく。
瑞々しかった筈の太ももや二の腕も枯れ枝のように萎んでいく…。

【ジュルル…ジュルルル…ジュ……シュー、シュー】

…やがて全てを吸い尽くしたストローのような音が暗闇の雑木林に響く。
その場に残ったのは真美だった筈のグロテスクな物体…体中の養分を吸いつくされ骨と皮のみ残しミイラ化した真美だ。
かつて美体を包んでいたブラウスやスカートを纏っている事から、かろうじてそれが真美であったと分かる…。
人型の植物は美少女のエキスを堪能し満足したかのように、頭部の蕾に綺麗な赤い花を満開に咲か地面に潜りる。
そして頭部の満開の花だけはこれみよがしに地面に咲き誇らせた。
同時に真美を拘束はしていたツタも離れ、真美だった物はやっと開放されその場に力なくペシャリと崩れた落ちた。
やがて薄暗い雑木林は普段の静寂を取り戻した…。

次の獲物を待つように。 
(終わり)