第80号(2015年秋)






北海道福島町議会 議会評価、議員評価で議会が活性化!

不適正な支出がなくなっても政活費が有効に使われるわけではありません

政活費の不適正な支出がなくなっても、それで政活費が市民のために、有効に使われるということではありません。私が全県議の政活費を見た中で感じた感想は、ほとんどの議員が何のための調査をしているのかわからなかったということです。政活費の支出で印象に残っているのは、人件費、事務所賃料、広報費、懇親会費、カーリース料など。結局、議員の広報宣伝活動のために消えてしまっているのではないかとの疑問も湧いてきます。
その疑問を払拭するために、1年間の政務活動費の活動報告書を作成するよう議長に求めてきましたが、残念ながら実現していません。

議員が仕事をするために議会評価、議員評価が必要

そこで丸尾が考えたのは議会活動、議員活動を市民がきちんと評価する仕組みを作ることです。議員活動などが市民から評価されないから、議員は仕事をほどほどにして、イベントなどに精力的に出席し、自分の顔と名前を売ることに躍起になります。
議会活動、議員活動が評価され始めると、議員もしっかり議員活動を行うようになり、政活費も有効に使われ始めるのではないかと考えます。
その議会評価、議員評価に取り組んでいる北海道福島町議会の取り組みを見てみます。議会の取り組みをわかりやすくまとめ、問題点なども記載し、町民と課題を共有し、次の取り組みに繋げようという姿勢が見て取れます。  福島町議会議会白書
http://www.gikai-fukushima-hokkaido.jp/


福島町議会 2014(H26)年度の議会評価〜議会白書から〜

現在の議会の状況を丁寧に町民に知らせ、あり方を検証し、そしてさらなる改革に繋げています。企業では当たり前に行われるマネジメントですが、地方議会では、多数派に都合の良い形で議会運営が行われることが多く、適切なマネジメントができていません。住民の意見を取り入れて出来る限り多くの人たちが納得する行政運営を行うために、提案、チェックするのが議会であるという基本的な事が理解できていないのでしょう。
各地の地方議会についても、福島町議会の取り組みを参考にして、マネジメントしながら住民に役立つ機能する議会に変えて行く必要があります。





新議会での本会議採決 議会改革に黄信号?

議会に監査委員の選任同意の件と市民オンブズ尼崎等から請願4件が提出されました。議会選出(議員)の監査委員は、地方自治法上1〜2名になっていますが、兵庫県では2名の議員を監査委員に選んでいます。今回は自民党議員2名が候補として挙がりました。
丸尾は、政活費問題をチェックできなかった監査機能を向上させるため、議員の監査委員を1名にし、1名は公認会計士か弁護士を登用すべきだと主張し、知事提案に反対しました。
政活費の減額を求める請願は、現在議員1人につき月45万円交付されている政活費について、大きな問題を起こしたけじめとして、少なくとも月35万円にすべきだというものでした。減額に反対する議員の主な主張は、行政側の課題を見つけるためにも調査費用はきちんと保証すべきなどというものです。しかし、政活費では、懇親会費や高級車カーリース料のようにおかしな支出があり、きちんとした調査が行われているのか、現在公開されている資料だけでは確認することができません。
まずは政活費の年間活動報告書を提出するなど有効性をきちんと説明し、その上でどれくらいの政活費にするのか議論すべきでしょう。一旦は政活費問題のけじめをつけ、大幅なカットは止むを得ないと考えます。
政活費からの懇親会等飲食費については、住民の批判が強くかつ費用対効果がきちんと示されていない現状を考えると廃止するしかないでしょう。
県議会請願時に市民が意見陳述できる制度の創設については、自民党、公明党から制度創設に反対する主な意見として「紹介議員が説明すれば良い」「参考人招致できる」「審議に長時間を有する」などが示されていますが、市民を排除しなければならない説得力のある説明がありません。
安保法制の請願の採決は、憲法学者の大半が違憲だという判断をしており一旦廃案にすべきものと考えます。災害救助など平和外交を積極的に進め、武力によらない紛争解決を目指すべきです。




尼崎市議会 政活費収支報告書をHPで公開!・・詳しい使途や成果物は?
尼崎市議 田中淳司

田中じゅんじが世話人を務める、市民オンブズ尼崎が、昨年9月に市議会へ提出した陳情書を基に、今年7月1日から市議会ホームページで、政活費収支報告書が公開されました。しかし、細かい支出内容がわかる経理帳簿と違い、収支報告書に記載されている使途は大雑把です。現在、開示請求手続きが必要な経理帳簿も、ホームページで公開するべきです。また、会派広報紙は、政活費を使って作成されているにも関わらず、開示請求をしても不開示となる仕組みは、直ちに改める必要があります。



県議会改革に関する申し入れ書を提出

丸尾は新議会において、積み残した議会改革を進めるため、5月20日付で新議会世話人会座長宛に議会改革の申し入れ書(32項目)を提出しました。
・議会改革検討委員会の設置等(4項目)改革項目の公募、県民アンケートなど住民意見の反映等。
・議会活性化に向けての改革(11項目) 請願時の意見陳述制度の創設、議会報告会の開催等。
・財政健全化に向けての改革(17項目) 政活費の2割カット、議員報酬・審議会報酬カット等。
を要望し、その実現をするまで政活費の2割分を使用しないことなどを申し添えました。



政務活動費で高級車をリース

以前から政活費でカーリース料が支出されていることを報告してきましたが、昨年度分の収支報告書等の公開に合わせ今回からカーリースの契約書の公開もされました。そのため、議員が以下のような車をリースしていることがわかりました。
政活費にカーリース料を支出できるのは、昨年10月までは支出額の最大80%、年間上限80万円でしたが、昨年10月からは、支出額の最大50%、年間上限80万円に変わりました。
そもそも購入価格が450万円もするような車を借りることができる今の制度に大きな疑問を抱きますが、高くともリース料の上限を半額の年40万円(4〜5年リース期間で購入価格200万円程度の車しかリースできない)にすることと支出できるのは使用実績に基づき調査利用時間/総リース時間(24時間×365日)で求めることが必要だと申し入れました。




早稲田マニュフェスト研究所 2014年度議会改革度調査 兵庫県議会7位(前年度14位)
同調査 尼崎市議会455位(1503議会中) 情報公開232位 住民参加963位 機能強化488位


目次へ戻る