第78号(2014年冬)






兵庫県議会 政務活動費特集!

野々村元議員の号泣で始まった兵庫県議会の政務活動費(以下 政活費)問題ですが、県議会は十分な調査をせず、野々村元県議の辞職勧告と刑事告発を行い、他に飛び火しないよう幕引きを図ったように見えました。そこで、丸尾は政活費の問題点を可視化するため、野々村元県議の支出実態を明らかにすると共に、他議員の切手の大量購入(年10万円以上)、政務活動費を使った寄付などの不透明な支出について実態を公表してきました。
その動きが議会改革の流れを加速させ、今回の改革へと繋がりました。
9月議会で改正された政活費の改革の内容ですが、全国トップレベルとなる収支報告書、会計帳簿のインターネット上での公開や、視察(活動)報告書の作成義務付け、切手の大量購入原則廃止など、大きく前に進みました。私の提案もかなり採用されました。
精算方式は、議員への前払い方式は廃止され、会派からの精算払い(後払い)に変更されます。
従来より改善されますが、会派内の議員同士のやりとりなので、これでは十分なチェック機能は働きません。議会事務局からの精算払いに切り替える必要があります。
交付額については、自民党、民主党、共産党が1割減を主張。公明党2割減。丸尾は3割減を提案しましたが、「一旦1割減とし、今年度の執行率が8割以下になれば、2割削減も視野に再検討する」との内容で合意されました。1割減では全く話になりません。
支出基準については、酒食代や高級車のカーリース料、事務所修繕費などが認められたままであり、手が付けられておらず、不透明な支出が続くことになります。
なぜ、こんな市民感覚とかけ離れた結論になるのかというと、今回の改革内容について、市民からの意見を広く求めなかったからです。他のお手盛り制度の見直しを含め、市民の意見を聞きながら議会改革を継続していく必要があります 。



野々村元県議が行っていたこと

今年6月30日の新聞報道で、野々村元県議が、不透明な日帰り出張を繰り返していたことが明らかになりました。私も以前から政活費の領収書を点検していましたが、年間約2万枚あることから、古参議員を中心に点検していました。野々村氏は元川西市職員であったこともあり、きちんと処理しているだろうと思い込みノーマークの存在でした。
7月1日に野々村氏は謝罪会見をしましたが中身の具体的説明はなく、曖昧な回答に終始し、号泣してしまいました。他方、県議会は彼の政活費の中身について、不十分な調査しかしていなかったのですが、かなり早い段階で彼に辞職勧告し、虚偽公文書作成等で刑事告発しました。最終的な結論は、同じ対応だったと思いますが、県議会の素早い対応に、他の議員に飛び火しないよう幕引きを急いだのではと市民の目には映りました。
表にあるように、毎日各地を日帰りで出張することは、体力面から考えても、ほぼ不可能だと思います。報道が事実であれば、野々村元県議の行為は極めて悪質な犯罪行為であったと言わざるを得ません。





野々村氏 政務活動費1800万円全額返還!かなりの部分が不正行為?

野々村氏は、様々な疑惑を指摘される中、議員辞職し、政活費1800万円と利子を全額返還しました。私が調べでは、切手購入は切手ではなく切符とギフトカードを中心に買っていた可能性があります。警察発表によると日帰り出張はほとんど行ってなかったと報道されました。


「この世の中を変えたい一心で議員になった」野々村氏が議会改革のきっかけを作る!

野々村氏は、号泣会見で「この世の中を、この世の中を変えたい一心で議員になった」と述べていました。この野々村氏の行動で、今までビクとも動かなかった県議会の改革が動き始めました。
私は、このチャンスを生かし、兵庫県議会の改革の動きを作っていきます。また、全国の地方議会に、そして国会に改革の動きを波及させて行きたいと考えています。


切手の大量購入問題 裏付け資料の公表と詳細な説明をすべき!

野々村元議員の問題が明らかになったあと、私は政活費で切手を大量購入していた議員が複数人いることを公表しました。自民党会派の点検では、特に問題がないと判断したようですが、裏付け資料も公表せず、詳細な説明もなく、問題ないと結論付けるのは不透明です。改めて、裏付け資料の公表と詳細な説明が必要です。なお、住民監査請求において、大量切手購入は問題ないと結論付けられましたが、市民オンブズ3団体は下記支出を含め提訴する方向で検討しています。



自民党水田議員の切手購入は極めて不透明!

自民党水田裕一郎議員は、2011年度に自分が取締役社長を務める飾磨海運Mから240万円分切手を購入しました。県政レポート送付するなどし、約164万円分の切手を使い、約76万円分の切手の繰越が発生。2012年度、2013年度は一覧表の通りです。
ここで数字を見て欲しいのですが、2012年度末の切手の繰越は約228万円。2013年度の切手使用額は約143万円。つまり2013年度は1枚の切手も購入する必要はなかったのですが、水田議員は毎月のように切手を20〜30万円分購入し続け、年230万円分の切手を購入しました。切手の管理を全くしていなかったのでしょうか。さらに、2011年度は、切手の販売手数料として会社は3年間で最低でも30万円の利益を得ています。水田議員は切手の購入について、キチンと県民に説明すべきです。



費用対効果のわからない懇談会費は廃止を!

丸尾の調べでは、2013年度に政務活動費で、懇談会等の飲食費に支出したと思われる議員は38人で支出件数は257件、合計額は少なくとも1,223,050円になります。
懇談会費の支出の中には、P5にあるように不透明な支出が、少なからずあります。
そもそも私には、公費で飲食しようとする感覚が理解できません。懇談会費の支出は、費用対効果が不明であり、高知県のように原則廃止すべきと考えます。



県議会政務活動費 カーリース料 年80万円まで支出OK レクサスなどの高級車に乗る議員も


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