第68号(2010年春)






県職員互助会等への補助金は廃止を
県警察互助会繰越金の公費積み上がり分は県当局に返還を

総務省の資料によると、職員互助会への補助金については、2009年度現在で、47都道府県中36団体、実に8割が廃止しています。別途、公費補助が出ている共済組合で人間ドッグ等様々な福利厚生事業を受けられるようになっており、見直しは当然でしょう。
兵庫県当局も、県職員互助会、県学校厚生会への県補助金(09年度約5億6600万円 全国第2位)を段階的に削減していますが、兵庫県警察互助会の補助金だけは、2008年度に廃止しました。これは、県警の思い切った判断でもあり、評価できるものでした。
ところが、県警察互助会において、県補助金の廃止後に、07年度決算で2億5,230万円もの繰越金があることがわかりました。これらは、年度毎の補助金の支給割合が変動していたとしても、ほぼ半分は公費で積み上がったものであることから、半分はただちに県当局に返還すべきものと考えます。ちなみに、県職員互助会の繰越金は約6億5000万円あります。
なお、この問題の県当局の見解ですが、補助金の支給については、「一定の負担をすることは妥当だと考えているが、他府県や社会情勢を踏まえ、見直しを検討していきたい。」とし、繰越金については、「事業規模の変動による収支不足の年度間調整に充てるため、繰越金は一定程度必要なものと考えている。平成25年11月までに一般財団法人への移行を検討することになるが、その時点で余れば取り扱いを検討する」というものです。
                         担当 県職員課


県当局が22億円投入したカーネギーメロン大学大学院日本校廃校

設立前の準備経費8,200万円。運営財団出捐金として、民間企業と同額の1億円。開校の05年度から09年度までの財団運営負担金20億円。いずれも県当局が大学院設置、運営のために、支出した費用です。
入学者数は、毎年定員20名の約半分。しかも、その半分は海外留学生でした。情報セキュリティ分野の人材育成は、大切なことはわかりますが、一定レベルの技術者であれば、兵庫県立大学大学院でも養成できました。
卒業までの1年4カ月の授業料は、$72000(1$≒100円 約720万円)。入学の条件は、米国大学院への留学レベルの英語力があること、2年以上のIT経験者が望ましい。
企業派遣でしか人が集まらないことは容易に想像できます。兵庫県県立大学の活用を含め、なぜ、もっと丁寧にリサーチした上で、大学院開校を考えなかったのでしょうか。


地球温暖化対策税を輸入品にもかけるべき
民主党公約から後退した地球温暖化対策基本法案

政府は、地球温暖化対策基本法案の数値目標を、温室効果ガスを2020年に90年レベルの25%削減としましたが、その施行を「全ての主要な国の公平なかつ実効性が確保された地球温暖化防止のための国際的な枠組み構築と意欲的な目標について合意したと認められる日以後」としたようです。併せて、国内の排出量取引制度については、総量によることを基本としつつ、原単位方式も検討するとしたようです。
前段の課題については、「私も一定の取り組みはするけれど、皆がやらなければ、私も目標達成しない。」と宣言しており、今の地球環境の問題を軽視し、主体性がなく、将来世代に対しても、極めて無責任な対応だと思います。
後段の課題については、原単位方式(例:製品1台につき温室効果ガス1kgが上限)で排出量の上限を決めるのであれば、生産量が上がれば、排出量の上限 も上がっていくことから、確実に温室効果ガスが削減される仕組みにはなりません。EUなどの先進事例を参考にし、実効性を担保する仕組みにする必要があります。
どちらの問題も、国際的な競争力の低下を意識して、経団連や連合の意向をくみ取り、法案の見直しを進めているようです。
国内企業の国際競争力の低下への対処としては、法案に記載されている地球温暖化対策税を、化石燃料の炭素排出量に応じ課税するだけではなく、輸入品にも公平に環境負荷(輸送距離や交通手段)に応じて課税をするなど、もう一工夫仕掛けが必要です。
そうすれば、今よりも国内で経済を回すことができ、農林水産業なども成り立ちやすくなり、より環境に優しい社会システムを構築することができます。


県議会自民党、公明党の判断で
政務調査費の公開範囲の拡大は先送り


唯一、自民党県議団が、全面公開に反対してきた政務調査費の領収書公開問題ですが、現在、兵庫県議会は全国ワースト1位となる1件5万円以上の支出しか領収書を公開していません。 
それは、自民党県議団と公明党県民会議(領収書の全面公開を主張)が、2年半もの間、「政務調査費領収書の公開範囲の拡大を求める請願」の継続審議を主張し続け、政務調査費領収書の公開範囲拡大が、先送りされてきたからです。民主党県民連合、共産党議員団、山田みち子議員、いなむら和美議員、丸尾は、領収書全面公開と請願採択を主張しています。
また、政務調査費は、議員1人に月50万円支給されていますが、県財政が厳しいことから、公明党、山田議員、いなむら議員、丸尾は減額を主張し、「議会の監視機能の低下につながる可能性がある」等と自民党、民主党、共産党は、これまで減額に反対の立場を取ってきました。
政務調査費の領収書公開問題、減額問題ともに、やっと議論がスタートしそうです。今後の県議会の動きを注視して下さい。



格差是正のため早期に炊飯設備の全校導入を!
尼崎市学校給食の「おかず」に格差が発生?!

08年度からスタートした学校給食調理業務の民間委託ですが、新年度は炊飯設備等が設置された13校で実施され、31校は直営のまま。今年度、新たに6校で、炊飯設備やオーブン導入のための工事等が実施される予定です。
従来は、全校で炊飯を外部の業者に委託していたのですが、調理業務の民間委託校では、学校で炊飯できるようにするため炊飯設備等の導入を行ったので、民間委託校の米飯のコストは、従来より1食あたり42円程下がりました。また、民間委託校は、米飯回数を週2.5回から全国平均に近い週3回に変更しましたが、パンよりも米飯の方が安いため、ここでも少しコストを抑えることができました。
学校毎に材料費の算出をしているため、民間委託校では、そのコスト減により浮いたお金をおかずの充実に充てました。その結果、下表のように、直営校より民間委託校の方が、3品のおかずが出る日が多くなっています。民間委託校でオーブンが導入され、焼く、蒸すなどの調理ができるようになったことも、おかずの品数が多くなった理由のひとつです。
しかし、同じ給食費を払っているにもかかわらず、これだけのおかずの内容に差が出来たことは大きな問題です。どう考えても、保護者の理解を得られるとは考えられません。
市教委は、全校への炊飯設備等の導入を早急に実施し、おかずの格差を早急に是正すべきです。また、学校毎の材料費の算出方法について、再検討が必要です。


「みどりの未来」って?

「みどりの未来」は、人や地球に無理のない経済活動と、豊かな地球環境を将来世代に引き継ぐ社会、貧困や格差を見過ごさず、人々が助け合ってつくる社会、人々がともに語り合って、ひとつひとつ合意をつくっていく社会、差別や疎外のない社会、どんな暴力や抑圧も生み出さない社会等を目指す政治ネットワークです。兵庫県議会議員のいなむら和美さんが4人の共同代表の1人で、私もメンバーに入っています。

尼崎市議会 議会のあり方検討委員会がスタートするが、住民意見を聴く意志見えず

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