第63号(2008年6月)






県企業庁
第3セクター(株)夢舞台などに51.5億円公費支援

計画破綻の責任はどこに?

県企業庁は、播磨科学公園都市などまちづくりの整備や、県の水道事業などを行い、県と極めて密接な関係にある公営企業です(県当局と一体と考えてもいい)。
この県企業庁が25億円(出資割合49.2%)を出資する(株)夢舞台(花博跡地、ウェスティンホテル淡路など運営)は、その経営状況が悪く、累積債務が58億円に上っていました。
その累積債務を解消するために、県企業庁の意向で出資者全員の了解をとり総額51億円の資本金を10分の1に減資した上で、その減資分(企業庁分22.5億円減資し特別損失で処理)をM夢舞台の債務返済にあて、それとは別に県企業庁が単独で10億円の出資を行うための予算案が2月県議会に提案されました。
また(株)夢舞台は、10億円の出資金を活用し、お土産ショップの改造等を行う予定です。
ところで、この(株)夢舞台は、当初、ウェスティンホテル淡路の建物を建設し運営していたのですが、経営が厳しいことから、県企業庁がホテルの建物を130億円で買い取り、夢舞台に賃貸する異例の支援を行ってきました。もちろん、このような事業は独立採算が基本なので、建物購入額の130億円や固定資産税、事業報酬をこれまた異例の80年で回収できるよう賃料を設定しました。その額は、2004年度2億2千万円で、当初5年間は賃料を段階的に引き上げるよう設定し、2007年度には2億5600万円にしました。
ところが(株)夢舞台の経営状況が好転せず、2004年度の賃料は1億円に減額し、現在もそのまま据え置かれています。
既に建物価格や報酬などを80年で回収する当初の計画は、破綻をしています。本来ならここで、事業をたたむか民間にホテルを売却し、運営してもらうべきなのでしょう。
しかし、県・県企業庁は、当初計画を作った人や経営陣の責任を問うことなく、32.5億円の公費の支援を決め、議会において十分な議論もなく、その議案が可決されました。

十九億円の債権放棄

私たちみどりの風は、直ちに資金ショートするわけではないので、県OBの役員を排除し経営陣の刷新を行い、当面今の状態で経営を続け、状況が好転しなければ、民間企業にホテル経営を委ねるべきだと考えています。現段階で公費を投入しても、また何年後かに公費を投入することは間違いないでしょう。
また、今議会には、「ワールドパークおのころ」を運営していた第3セクター(株)おのころアイランドに対する県企業庁の19億円の債権放棄の議案も、提案されました。これについても大きな疑問が残ります。
県の外部監査に指摘され、破綻はほぼ回避できない状況であったと考えられるのに、県企業庁は、07年度(株)おのころアイランドに、6億7千万円を貸し付けました。案の定、その全額を債権放棄しなければならなくなりました。これらの判断をした県当局・県企業庁幹部の責任や、県職員OBが入っている(株)おのころアイランドの経営陣の責任が、問われていません。
さらに、おのころアイランドの跡地は、遊園地の施設を含め民間企業に貸し付け始めたのですが、その土地、施設などは、当初、無償で貸し付け、将来、売り上げが上がれば、賃料について、再検討するという極めて異例な対応をしています。
ここには、19億円の債権を、1円でも回収しようという意欲を全く感じることはできません。地域支援のあり方については、再検討が必要です。



県議会会派みどりの風(丸尾所属)
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