第57号(2006年11月)






武庫川流域委員会提言 整備計画ダム不要、基本方針でダム残す
景観・自然保全のため 県機関の原案作りに監視を

2004年に武庫川流域委員会が設置され、約2年半議論をして出た結論は、「100年計画の河川整備基本方針は、新規ダムの代替施設を優先して検討するが新規ダムも選択肢のひとつ。30年の整備計画では、既存の千苅ダムの利水部分を治水へ転用、学校・公園の遊水地化、河底の掘り下げなどで対応する。武田尾渓谷の自然景観破壊と、貴重な動植物の死滅をまねく武庫川ダムは建設しない」。
武庫川河川整備の根拠となる基本高水を過大に設定したこと、武庫川ダムも長期対策の 選択肢としたことは、将来に自然破壊の禍根を残すこととなりました。しかし、河川のみならず流域全体での総合対策を検討し、当面の整備計画でダムを排除した答申は評価できます。
井戸知事は、委員会提言を受け「2010年まではダム着手せず」としながら、今後は流域委員会とは別に、武庫川治水を検討する行政サイドの機関で、治水原案をつくる段取りを進めています。武庫川の景観と自然を守るためダム建設をやめさせる運動は、これからが正念場です。



いまだに県当局が自公民議員を公費接待

「市民オンブズマン兵庫」が住民監査請求をしました。明らかになったのは、昨年度、県当局は食糧費を使って、与党である自公民の議員を、1人1回あたり千円?1万2千円の範囲で公費接待していることです。ほぼ全員が一度は出席したようです。接待する側の井戸知事の姿勢は大問題です。安易に接待を受ける議員の姿勢は、それ以上に問題です。



議員に報酬 12ヶ月勤務で13ケ月分支給

破綻目前の兵庫県競馬組合

兵庫県・姫路市・尼崎市で作る県競馬組合には議会があり、9人の議員がいます。内訳は、兵庫県議5人、姫路市議2人、尼崎市議2人。競馬組合の議員の任期は、慣例で1年毎の交替です。議員は各出身議会で議員報酬を受け、競馬組合からも別途報酬を受け取ります。
条例によって、議員報酬の額は年額25万円ですが、「就職した年及び離職し、又は死亡した年の報酬の額は、月額により計算した額とする」となっています。そのため、7月半ばから就任し翌年の7月半ばに辞任する議員の報酬は月割りになり、1年間働いた議員の報酬は12か月分ではなく、13か月分約27万円が支給されます。
兵庫県・姫路市・尼崎市の議員報酬は、任期途中で辞めた時は、日割り計算です。財政破綻目前の県競馬組合が、このようなお手盛り議員報酬を支出していること自体信じられません。ただちに見直すべきです。



第10回市民オンブズマン全国情報公開度ランキング
兵庫県は26位 政務調査費領収書非公開が影響

 昨年11月、全国市民オンブズマン連絡会議が調査し発表した全国情報公開度ランキングを抜粋して掲載します。兵庫県はこの3〜4年は中位から下位が定位置。点数が低い原因は1)政務調査費の領収書を公開しないこと、2)政務調査費を使った視察報告を公開しないことです。指定管理者については、選考委員の氏名や落選業者名が非公開であることが低い評価となっています。閉鎖的な議会運営と閉鎖的な行政は一体のものなのでしょう。



県会議員の政務調査費すべてに領収書を

不正ただす請願署名1908筆提出

自民党・公明党・民主党議員が政務調査費を不正支出し、その返還が相次ぎましたが、未だに領収書は公開されていません。「市民オンブズ尼崎」などオンブズ3団体は、政務調査費の領収書の公開を求め請願署名を集め、県議会に提出しました。  署名活動での住民のみなさんの苦労の結晶です。ありがとうございました。8月に朝日放送がこの県会議員問題の特集を放映しました。収録ビデオ閲覧ご希望の方はご連絡ください。
県議会では、1万円以上などと金額を区切った領収書の公開を考えているようです。そうなれば、支出を小分けするなどの処理で非公開が増え、支出内容が隠されてしまします。この問題について、9月県議会は継続審議となりました。県議会の不正を根絶するためには、全ての領収書の公開をさせることがぜひとも必要です。

市民自治・環境・福祉のまちづくりを


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