第56号(2006年8月)






市民生活を破壊するな!

高齢者に大打撃の税改正

年金控除の縮小、老年者控除の廃止、定率減税の縮小など実質的な増税が次々に行われています。それに伴う国民健康保険料の増、介護保険料のアップなどその影響は高齢者を直撃しています。

世界で2位3位を争う軍事費、公共事業、政党助成金など、生活と直接かかわりのない巨額の無駄遣いを維持しながら、社会的な弱者から税金をむしりとる自民党・公明党のやり方。強く抗議の声を地元の国会議員に向けていきましょう。



尼崎市の学校教育改革への提言
「授業補助員」として保護者の参加を

尼崎市では、外部評価・学校評議員制度の実施・授業の年中公開など、外部の目を取り入れるという視点から、学校改革が行われています。
 しかし、保護者は主体として関われないため、どうしても学校や教師を批判的に見る立場になりがちです。例えば、学校の中で落ち着きの無い児童がいたとき、教師がその子に手を取られて授業が予定通りに進まない。保護者はそのことで不満が溜まり、教師を批判する。学校は保護者のクレームの対応に追われる。ということが考えられます。
保護者と教師の意見交換は積極的に行うべきですが、感情的な対立は好ましいことではありません。その解決策のひとつが、授業補助員としての保護者の参加です。
 メリットは、「保護者が小テストの採点など授業補助員として参加することで、落ち着きの無い児童・生徒に目が行き届き、学校運営がスムーズになること」などが考えられます。
 デメリットは、「先生と保護者の調整に若干時間を要し、先生の負担が増える」でしょうが、これらは、経験と工夫を重ねる中で克服でき、全体としては、先生の負担軽減に繋がるのではないでしょうか。この取り組みは、教育改革の先進地である茅ヶ崎市浜之郷小学校や新潟県小千谷小などで実施され成果が出ています。
 尼崎市教育委員会は、「よりよい学校運営のため、地域の方々や保護者の参加を求めて行きたい」という立場です。





スポーツクラブ尼崎「WOODY」の土壌汚染

プールの地下水利用は安全か?

WOODYプールの増改築時に、地下土壌から、土壌汚染の環境基準値等を超える高濃度のダイオキシンが出てきました。水銀・鉛・砒素などその他の有害物質はいずれも環境基準値内でした。ところが市当局は、近隣住民の意向もあり、ダイオキシン汚染を公表しませんでした。
市当局は、この土壌の下から地下水を汲み上げ、それを大井戸公園北側の人工小川に流しており、住民への悪影響も考えられます。ダイオキシン結果の非公開は、明らかな判断ミスです。
いまひとつの懸念は、この地下水がWOO DYプールの補給水等に利用されることです。
地下水が流れる最も地上に近いところは、地下28m。この場所は昔の廃棄物処分場で、廃棄物は地下3mのところまでありますが、古い基準による廃棄物処分場なので、コンクリートで囲い遮水するなどの対策は何も取られていません。問題は、ダイオキシンが25m下の地下水に浸透する可能性があるのかどうかです。また、土壌に移行していることも考えられる重金属類などの有害物質が地下水に浸透する恐れがないのかどうかです。
市当局の見解は、地下水のダイオキシン濃度0.066pg/gが環境基準値1pg/gを大きく下回っていること、その他の重金属類についても環境基準値を下回っていること、汚染土壌と地下水の間に粘土層があり遮水性が確保されていること、WOODYにはダイオキシンを除去する高性能の浄化設備があることなどから、安全だと判断しているようです。
しかし、民間研究機関などに問い合わせたところ、「ダイオキシンは微量であるが水にとけること、将来的な地質の変化などがわからないことから、このような場所での地下水利用は、体内に取り込まれるおそれのないトイレなど中水利用に限るべき」との回答がきました。
そもそも外郭団体の営利事業に市が無償で地下水提供を行うことは、民間企業の経営を圧迫するアンフェアで問題のある支援です。
100歩譲って、地下水利用を認めるにしても、長期的な雨や、大量の雨が降ったあと、洪水、地震など、地下地盤に隙間ができるなどの変化が起こるかもしれません。重金属類、環境ホルモンについても心配です。万一のことを考えると、地下水はトイレ水などの利用にとどめるべきでしょう。




古紙100%、白色度70%、大豆油インク20%含有インクを使用


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