第55号(2006年5月)






県会議員の政務調査費
領収書添付と公開を求める署名にご協力を

政務調査費の予算は年5億円を超える

 兵庫県は、県政の調査のためとして、政務調査費(調査費)を、県会議員1人につき会派に20万円、個人に30万円、計50万円を支給。2004年度の支給総額は5億4500万円に上りました。
 2004年度の調査費の支出実態を見ると、車リース料として議員23人が使い、内4人が年100万円以上支出していました。政務調査費で1年365日高級車を乗り回しているようです。

政務調査費で詐欺行為 リースと偽りマイカーローン支払い

 公明党は、支出基準に反する供花・電報代を支出していました。須磨区の公明党議員は、説明のつかない看板修繕費を出していました。
 西区のひょうご県民連合の議員は、公明党と同じく電報代を支出していました。
 芦屋市の自民党県議は、リース料と偽り車のローン代を支出。金額は2003年度、2004年度共に55万3200円。県議会の使途基準によると、「個人資産の形成となる経費」は支出禁止項目として記載されており、明らかに違法・不当な支出です。この支出は公文書偽造や詐欺罪に間われるものです。
 姫路市の自民党県議は、市内高校の記念講演会などで、1回数万円、計11回22万円を調査費から支払しかし、後にほとんどの講演会が無料だったことがわかりました。しかも、約半数の講演会は、県議の選挙区にある姫路市内の団体が市内において実施したものです。当然のことながら、調査費は実費支給で、寄付金を支出することはできません。しかもこの支出は公職選挙法に反します。この議員は、他にも同様の支出をしていることがわかっています。

自宅を事務所にして政務調査費から賃料をとる

 その他、自宅を事務所にして高額の賃料を支払っている事例(最低でも6人)や、自宅を事務所にして年100万円を超す高額な人件費を払っている事例があります。自宅は生活の場として確保しているのですから、賃料を自分たちの懐に入れるのはいかがなことかと思います。高額な人件費は親族に支払っている可能性があります。
 登庁調査費として、公共交通機関を使った場合の交通費相当額を大きく上回る費用を支出している議員も少なからずいます。例えば西宮選出議員は、西宮から県庁に登庁する費用として1日5800円を支出していますが、実際にかかる公共交通機関の交通費は、往復で580円です。





政務調査費 ひどい兵庫県会議員の所業

不都合な政調費の支出記載を差し替え

 04年度政務調査費で疑問のある支出をしていた議員が一昨年11月・12月頃、その疑問の支出を削除し、別の支出に差し替えた事例が数件発生しています。条例上、3月末で政務調査費の年度の支出は終わり、年度終了後の翌日から30日以内に収支報告書を提出しなければなりません。その規定を無視した行為です。年度が終了し会計が閉じられているにもかかわらず、このような支出の差し替えが認められるのであれば、監査制度は機能せず、不正行為の責任が問えなくなります。県会議員による疑惑だらけのやりたい放題がまかり通っています。



2004年 政務調査費の領収書公開条例案を否決
 県議会の過去の議案を調べてみると、2004年3月に共産党から、政務調査費の収支報告書に領収書を添付し公開する条例案が提案されていました。しかし議案は、残念ながら否決されました。誰が公開を嫌がったのかは、下表の通りです。
 政務調査費の領収書の公開を拒み、不透明な支出を行う県会議員の姿勢に、大きな疑問を感じます。公私の線引きを理解していない議員に、行政のチェックの役割を期待できるでしょうか。


 県議会は、政務調査費の領収書添付と公開の検討を、来年の県議選後に先延ばそうとしています。これ以上、政務調査費(税金)を県会議員の食い物にさせないために、ただちに過去分を令めた領収書の公開が必要です。目標署名数は1万人。皆さんのご協力をお願いいたします。



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