第55号(2006年5月)






尼崎市財政
借金減ったけれど障がい者に市独自支援を!

 宮田前市長が阪神尼崎駅前の人工地盤の建設など大型公共事業を実施したこと、入札制度改革や外郭団体改革は十分に取り組まなかったこと、官官接待が横行したこと、など放漫な財政運営が見過ごされてきました。震災の影響も無視できませんが、前市長は、わずか8年間で予算規模の約40%に近い750億円超の借金を増やしたのです。

白井市長 市債や隠れ借金を減らす

白井市長はそのような状況下で、子どもたちに大きな負担を残さぬよう、市債残高を減らしました。隠れ借金と呼ばれる市土地開発公社が先行取得した土地の整理を進め、03年度末に約586億円であった簿価総額を、06年度予算見込約266億円としました。白井市長の努力は大いに評価できますが、まだまだ厳しい財政状況は続きます。

外郭団体の改革等は全く不十分です

外郭団体等については、一部委託費の見直しなどが行われていますが、改革はなかなか進みません。また、外郭団体や第3セクター支援の政策については疑問視されるものがあります。長野県が実施したように、外郭団体の必要性について第3者によって審査してもらい、思い切った統廃合を進めるべきです。

自立支援法の負担軽減策の実施を

新年度予算で残された大きな課題は、障がい者自立支援法により障がい者のサービス利用などが原則一割負担になるにも関わらず、市独自の減免策を作らなかったことです。
自立支援法全体への政府の予算措置が、かなり減らされそうなことから、市当局は慎重なのでしょう。しかし、障がい者の急激な負担増を考えると、補正予算で対応するなど市独自の負担軽減策を考えるべきでしょう。(市民グリーンクラブから軽減策の修正案が出たが、予備費の大半を使う問題のある財源案であったため、虹と緑は反対。新政会、公明党、新風、共産党も反対)





新年度予算 評価できる施策

アスベスト・生活習慣病などへの対策すすむ

市民懇話会運営事業費 行財政改革について検討する会議で、専門委員24名・公募委員6名で行う予定。行財政改革は、住民と十分議論して決めるべきで、公募市民が参加する会議の設置は賛成です。この会議を開かれたものにし、会議に出席できない住民の声を十分に聞くことが大事です。
電子入札の導入 市当局はテスト施行として、1億円以上の工事について導入することを予定しています。将来は物品や業務委託についても、電子入札の導入を考えているようです。入札で談合ができないようにするためには、電子入札の導入に伴い指名競争入札を廃止し、公募型競争入札に移行させる必要があります。
子どもに関する条例 いじめや虐待・体罰等から子どもを救済するため川西市や川崎市で制定。いじめや虐待があり救済の申し出があったときに、両者を調整したり、行政に提言し問題解決を図る「子どもの権利オンブズパーソン」の設置が不可欠です。
地球温暖化防止地域推進計画 市当局が今まで消極的であった市全域での温室効果ガスの排出削減目標を定め、具体的な取り組み計画を作っていきます。
吹きつけアスベスト助成事業 市独自制度で、病院など不特定多数の利用施設のアスベスト除去費用を助成します。マンションの共用部分も対象になります。
学校給食の米飯の回数 週2回から週2.5回に増えました。尼崎市消費者協会のアンケートでは、82%の人が週3回以上の米飯給食を望んでいます。全国平均が週3回程。食育の基本は、洋食から和食へ、パンから米に替えること。さらなる回数増が必要です。


キャンドルナイトキャンペーン 電気を消して地球のことを考えてみましょう。
6/21(水)午後8時~10時 橘公園(雨天中止)


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