第54号(2006年1月)






競馬事業をめぐる状況
地方競馬全国一元化へ


 新聞報道によると、政府は地方競馬組合を一元化し、共同法人化する方向を明らかにしました。共同法人化すれば、全国規模で旗手や競走馬の移動が可能になりレース内容の向上が見込める他、集中投資による施設改善や大規模な宣伝活動も可能になると考えられています。一方で、売り上げ増を見込めない地方競馬場は、次々と廃止になる可能性があります。
 かりに政府方針の通り地方競馬組合の一元化が進むにしても、今の財産をどうするのか、収益はどのように配分するのかなど、かなり調整に時間がかかることが考えられ、それまで、財政的理由から兵庫県競馬組合の事業が継続できるのかどうか不透明です。ともかく兵庫県競馬組合は、貯金がほぼ底をつく状況で、先行きは極めて厳しい状況です。


ソフトバンクが地方競馬馬券販売を始める

 現在、兵庫県競馬組合など地方競馬は、「D−net」というシステムを使いインターネットでの馬券発売を実施しています。その仕組みにYAHOOを運営しているソフトバンクが提携することになりました。これでどれだけ売り上げが増えるのかはわかりません。しかし将来的に売り上げ増が期待できるのは、この取り組みくらいです。


県競馬組合が特殊勤務手当を支給

 兵庫県競馬組合が、競馬を開催した日に、全職員に対し、日2〜3千円の競馬業務手当を支給していることが丸尾まきの調査でわかりました。年間の支給額は約2100万円。競馬業務手当は特殊勤務手当と呼ばれ、「著しく危険・不快な場合」に出すことができる手当とされています。

 競馬組合の職員は、本来、競馬事業を行うため、雇われている職員であることから、一律で手当を出すことは、問題があります。

 特に、危険・不快な業務についていると思えない管理職に対して、特殊勤務手当を出すことは大問題です。財政事情が厳しいにもかかわらず、ルーズな予算執行がされています。来年度予算でどう見直されるか注視する必要ありです。



市長が異例の監査請求し結果出る

土地保有税が時効で徴収できず―
元部長、課長、局長の責任重大


豊中市内のH建設が、1991年度から食満の土地(最終的には約3500平方メートル)を取得し、土地ころがしなどを抑制するための特別土地保有税の課税対象となりました。
同社はこの保有税の支払いの猶予を繰り返し求め、三度にわたる猶予が認められた直後、この土地を転売しました。この時点で市当局は、ただちにH建設から税を徴収しなければならない状況に迫られました。

【資産税課係長とA市会議員が面談】

監査結果に出てくる税務部長のファイルによると、上のような状況下で、理財局長と資産税課長とA市会議員の三者が会談しました。そのあと、資産税課係長とA市会議員が面談し、A市会議員から「建設が遅れ結果、H建設は乙社へ土地を売却せざるを得なくなった。その理由の一つは、市の開発指導に従った結果である。責任の一端は市にある。行政として何か考慮する部分がないか検討して欲しい」と発言があったとしています。
その後、市当局は内部調査を実施し問題がないと判断して、課税方針がとられました。1997年12月24日、市役所にきたH建設社員に市職員が課税の説明を行いました。資産税課係長のメモによると、H建設社員は「開発指導のとおり行い時間も金もかかった。なぜ税金を納めなければならないのか納得できない。異議申請も考えている。今日の話の内容は社長、専務に伝えておく」と述べたようです。
その翌月、H建設の資産内容の調査も行われました。しかし、97年12月の面談がH建設との最後の接触になり、その後課税の措置などがとられることはなく、2003年3月時効が来てしまいました。新聞報道によるとH建設は2004年4月に特別清算を申し立てています。H建設の滞納額は、延滞利息を含め約1億2千万円に上ります。

【滞納額は、1億2千万円】

この件について白井市長から異例の監査請求が出されました。監査結果では、税務部長、資産税課長、理財局長について、下記のような判断が下されました。
監査委員はなお、「当時のH建設の資産状況を精査し、市当局の実質的な損害を確定させ、市職員の損害賠償責任の成否を判断するよう」市長に求めました。
市会議員の発言が、市職員の行動にどのような影響を及ぼしたのか定かではありません。しかし、監査委員が市職員の損害賠償責任を認めた以上、市長は早急に損害額を確定し、すみやかに関係職員に対し、損害賠償請求を行うべきです。




古紙100%、白色度70%、大豆油インク20%含有インクを使用


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