第54号(2006年1月)






領収書を受け取り医療費通知と照合しよう
医療機関による保険料の不正請求を根絶へ

住民が保険料値上げを防ぐ

医療費の上昇に伴って国保保険料が上昇しています。1人あたりの尼崎市国民健康保険の年平均保険料は、2002年度73,828円でしたが、2005年度には78,338円で、約4,500円上がっています。
医療費の上昇と保険料の値上がりの要因として、医療の高度化・被保険者の高齢化などが挙げられます。これらは尼崎市だけで解決できる問題ではありません。しかし、市費の投入幅を増やすなど、高い保険料を少しでも下げる取り組みが求められます。いまひとつ尼崎市で出来ることがあります。医療費の不正請求を無くす取り組みです。

16,439件のミスを発見

国保連合会及び市当局では、毎年、診療報酬請求(レセプト)の過剰請求などをチェックしています。2003年度は、16,439件のミスが発見され、8585.8万円の保険料が、無駄に使われずに済みました。

悪意のある不正請求も

悪意のある不正請求も見つかっています。2002年度には、鍼灸の施術所が、実際に施術を行っていないにもかかわらず、施術助成を受け取り、不正請求が発覚したために、3年分1,115件で111.5万円を市当局に返還させられました。
他の件では、施術助成が1人1回千円で年20回に限られているため、患者同意の上で、家族の施術助成分を使った事例がありました。それについては、発覚後、不正受給の3年分9.2万円が市当局に返還させられました。この2件は、市当局が発行している「国保の医療費のお知らせ」を見た住民により発見されたものです。これらの不正請求は、詐欺であり、公文書偽造の犯罪行為が伴っているため、市当局もその事実をなかなか発見することが困難です。



領収書の確認、保管を

不正を摘発する対策として、次のことを実行しましょう。

1)住民が医療費の領収書を受け取ること。
2)およそ3ヵ月後に医療費通知が届くまで領収書を保管しておくこと。
3)領収書と医療費通知に書かれた内容(受診年月、受信者名、保険医療機関名、診療区分、日数、回数、医療費の額)を照合すること。

住民が実行するために、市当局は医師会などを通じ、医療機関に領収書を発行するよう強く要請することが必要です。市当局は取り組みを前向きに考えています。



尼崎学園で実習謝礼金を流用

親睦旅行や送別会費用に

尼崎市には、保護者のない児童や虐待されている児童などを入所させて、子どもたちの自立を支援する児童養護施設「尼崎学園」(神戸市北区)があります。現在、尼崎市は、この施設運営を、市の外郭団体である尼崎社会福祉事業団に委託しています。(まもなく指定管理者へ移行の予定)

実習謝礼金2004年度115.4万円

この尼崎学園には、かなりの人数の学生(大学生、専門学校生)が、実習に来ます。学生は、実習謝礼金として、1人1〜2万円を施設に置いていきます。そのお金が、適切に処理されていませんでした。  
尼崎学園が受け取った実習謝礼金総額は、2002年度56.7万円、2003年度92.4万円、2004年度115.4万円です。その使い道は、職員の研修費、公用車修理代、書籍代、ポットなど本来、尼崎学園もしくは社会福祉事業団が公費で支出するべきものもありました。しかし一方で、職員送別会の飲食代補助で1回10〜20万円を支出したり、職員の親睦旅行補助として10万円出ている事例もありました。政治団体が主催する集まりに21,000円を出して参加していたこともありました。
この問題について、どのように対応していくのか丸尾まきが議会で質したところ、「会計処理や支出内容について不適切な取り扱いとなっていた。現在、より詳細な事実確認等を行っている。その結果を踏まえ、適正な処理を行うよう指導していく」と市当局は答弁しました。



あんま・マッサージ・鍼・灸助成 1人1回千円20回まで 国保年金課6489-6420


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