第53号(2005年11月) |
● | 園田競馬場、姫路競馬場は、兵庫県競馬組合(構成団体:兵庫県、尼崎市、姫路市)が運営しています。その競馬場がいま大変です。 少し前までは、公営ギャンブルは自治体財政のドル箱でした。しかしバブルが弾けて、景気の先行きも見えず、地方競馬は次々と廃止されています。 |
● | 兵庫県競馬組合でも、以前は多額の収益が上がり、最盛期である1990年には尼崎市に年間約8億円もの配分金が入ってきましたが、現在は、下表のように赤字に陥っています。競馬組合は97年度から貯金(財政調整基金)を取り崩してきて、今年度にも貯金残額はゼロになり、来年度からは累積赤字に転落しそうです。 つまり来年度から、競馬組合は累積赤字を膨らませながら、運営を続けることになります。そして、近い将来、その処理に兵庫県や尼崎市の多額の税金があてられることになるでしょう。 また、競馬事業を撤退するにしても、馬主、調教師、プロパー職員などとの調整が欠かせず、かなりの時間と多額の費用が必要になることが考えられます。 |
● | 公営ギャンブルは、その性格上、税金を投入して運営することは許されませんし、撤退費用を公費で賄うことについても住民の理解を得ることは難しいでしょう。 このような状況を考えると、早急に競馬事業の撤退の検討(競馬事業の撤退費用の試算、関係者との調整等)を進めなければなりません。 ただ、一つの動きがありました。堀江社長のライブドアが県競馬組合を訪れました。競馬事業との連携の打診が目的と思われますが、県競馬組合からの積極的なアプローチは見られないようです。事業の今後について県競馬組合の考えていることがわかりません。 |
□ | 尼崎市では工事契約をする際に、100万円未満であれば、担当課が見積もり合わせをせずに業者と随意契約ができます。その制度が、恣意的に使われて工事費が高くなっていました。 |
□ | 下表の工事は、記念公園のトラックの補修工事です。常識的に考えると、全ての調査箇所を調査した上で、入札にかけ工事契約をするはずですが、この事例は、工事を分割し1社のみとの随意契約をしています。 |
□ | 市当局の言い分は、「早急に整備する必要があったことから部分的に分けて発注した」ということでした。私の質問に対する市議会での答弁で「工程管理を適切に行っていれば、まとめて発注できた」と認めました。工事をまとめて発注すると入札手続き等時間がかかることから、担当課が工事を安易に分割してしまったのだろうと思われます。 |
□ | 02,3,4年度の私の調査で、不自然な分割があり、まとめて発注できたと思われる事例が10数件あります。これらをまとめて発注した場合、節約できた額は約400万円(丸尾まき試算)になります。 |
□ | 財政状況が厳しい折、意図的な工事分割発注は止めるべきです。 |
□ | 阪神間及び類似都市の中では、130万円以下の工事は原則見積もり合わせをするところが多く、一部の自治体で、30万円、50万円以下の工事であれば見積もり合わせ不要というところがあります。尼崎市は、その上限が100万円なので、その金額以下の工事契約額は(落札率に置き換えると)かなり高くなっています。 |
□ | 市議会での原則見積もり合わせを求める丸尾まきの質問に対し、市当局は改善を進める旨の前向きな答弁をしました。 |
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