第50号(2005年11月) |
阪神水道企業団(阪水と略す)は、神戸市・芦屋市・西宮市・尼崎市の4市が水道水を確保するために、お金を出しあって作った団体です。 |
|
● | 阪水トップの企業長が今年8月に亡くなりました。3期11年務めた彼の退職金合計額は約8000万円。1期目、2期日にそれぞれ約2800万円。3期日は任期途中の死亡で41ケ月分の約2390万円。彼は元建設省職員で、いわゆる「天下り」です。 副企業長の退職金は4年で1920万円。現在の副企業長は前神戸市水道局長です。 |
● | 全国の水道企業団を調べました。約8割の水道企業団は、構成市の市長等が企業長を兼職しており、給与は年数万円程度で退職金は支給されません。残りの約2割は、企業団OB等を企業長に選任していますが、平均的な給与は月額約67万円、4年任期の退職金は平均で900万円弱です。 |
● | 一方、阪水企業長の給与は15%カットを行っていますが、調整手当を含め月額約99万円で全国トップクラス。退職金は全国ダントツ1位です。 |
● | 阪水の話によると、企業長の退職金は構成4市の市長退職金等を参考にしたよう。しかし、職務内容・職務範囲・規模等の異なる市長と比較するのは、まったくおかしなことです。 |
● | 阪水は大幅な赤字経営に陥っており、近い将来、4市の水道料金値上げは必至の状況です。それを回避するためにも阪水企業長は、4市市長の兼職として、多額の給与や退職金を無くすべきです。兵庫県当局に確認したところ、地方自治法上、企業長は市長等の兼職が可とのこと。 |
● | 阪水は次期企業長を12月議会で選任の予定。議会の対応が注目されます。 問い合わせ先 阪神水道企業団(代表)078−431-4351 |
名 称 | 退職金(4年任期) | 月額給与@ | 算定式 | 備 考 |
(1)阪神水道企業団 | 2798万4000円 | 90.1万円 | @×0.55×在職月数 | 現在給与15%カット中。 退職金算定額は106万円。 職員数289人 |
(2)福岡地区水道企業団 | 1520万6400円 | 88万円 | @×0.36X在職月数 | 職員数89人 |
(3)宮古島上水道企業団 | 950万4000円 | 66万円 | @×O.30x在職月数 | 職員数51人 |
(4)福岡県南広域水道企業団 | 913万2000円 | 76.1万円 | @×0.25x在職月数 | 職員数30人 |
(5)神奈川県内広域水道企業団 | 912万0000円 | 95万円 | @xO.20×在職月数 | 職員数459人 |
(6)西播磨水道企業団 | 861万8400円 | 68.4万円 | @×3.15x在職年数 | 職員数31人 |
(7)長幌上水道企業団 | 806万5420円 | 60.1万円 | @x3.355x在職年数 | 職員数18人 |
白井市長は、社会経済情勢や尼崎市の財政状況が厳しい中、特別職の退職金、選挙管理委員会委員、固定資産評価審査委員会委員等の報酬についての見直しが必要と、公募市民も1名参加した「尼崎市特別職報酬等懇話会」に提言を求めていました。10月中旬にその提言が出されました。 |
□ | 提言によれば、現在4年任期の市長退職金3554万円を、阪神間他都市のほぼ中間的な金額である約2665万円が妥当としました。 |
□ | 懇話会では、民間大企業の役員給与・退職金等との均衡も考えて、上記金額が妥当だと判断したようです。しかし民間の中小企業については退職金等の数字が把握できていなく、十分な比較検討が行われていないと考えられます。 |
□ | 尼崎市長は市民の税金により職務を行っているのですから当然、尼崎市内の中小企業役員の退職金水準も考慮するべきです。そのデータは取得することができます。 |
□ | 生命保険会社などで把握している民間中小企業の退職金の算定式は、月額給与×在職年数×功績倍率(2〜3倍)です。これを尼崎市長に当てはめると約1000万円〜1500万円。 |
□ | 以前に「市民オンブズ尼崎」が市長退職金額について市民アンケート調査した平均額が約1000万円。 |
□ | 4年で2665万円は高すぎます。白井市長は十分に市民の声を聞いたうえで、議会への見直し案を提出すべきです。また、丸尾まきが以前から指摘していた選挙管理委員会や固定資産評価審査委員会等報酬の見直しの提言が出ました。が、こちらも金額が高く、見直しが不十分。なお選挙管理委員会委員等の報酬削減の年間効果額は約680万円です。 |
現 行 | 改 定 案 | |||
支給率 | 支給額 | 支給率 | 支給額 | |
市長 | 0.6 | 35,539,200円 | 0.45 | 26,654,400円 |
助役 | 0.35 | 16,749,600円 | 0.30 | 14,356,800円 |
収入役 | 0.27 | 10,938,240円 | 0.24 | 9,722,880円 |
行政委員会 | 現行 | 改定案 | |
教育委員会 | 委員長 月額 | 286,500 | 月額 259,200 |
委員 月額 | 246,200 | 月額 220,400 | |
選挙管理委員会 | 委員長 月額 | 226,500 | 月額 194,400 |
委員 月額 | 121,100 | 月額 97,200 | |
監査委員 | 代表 月額 | 286,500 | 月額 259,200 |
識見 月額 | 246,200 | 月額 220,400 | |
議員 月額 | 93,700 | 月額 86,400 | |
公平委員会 | 委員長 月額 | 123,000 | 月額 103,700 |
委員 月額 | 105,500 | 月額 88,200 | |
固定資産評価 審査委員会 | 委員長 月額 | 62,400 | 日額 20,800 |
審査長 一 | 一 | 日額 19,800 | |
委員 月額 | 58,500 | 日額 17,700 |
委員長 | 委員 | |
尼崎市(新) | 194,400 | 97,200 |
西宮市 | 194,000 | 104,000 |
芦屋市 | 155,500 | 95,500 |
伊丹市 | 157,700 | 95,400 |
宝塚市 | 132,500 | 76,000 |
阪神4市平均 | 159,925 | 92,725 |
阪神7市平均 | 127,700 | 77,000 |
類似都市平均 | 82,641 | 63,458 |
目次へ戻る |