第47号(2004年2月)






私費の日中友好議員連盟についていった
職員旅費の返還訴訟で住民側を敗訴にした
最高裁

議員の私的集まりである日中友好議員連盟が私費で訪中した時(98年10月)、議会事務局職員2名を公費で随行させたのは違法であると、「市民オンブズ尼崎」は、職員旅費の返還を求めて提訴しました。
一審では住民側敗訴。高裁では、鞍山市の訪問について「両市の友好を深める目的に役立つもので職員随行の必要性が認められる」とする一方、「北京市西安市での随行命令及び研修の指示については合理性なし。研修の成果が具体的に市の活動に生かされたと認められる証拠はない。視野を広げたり国際感覚を身につけたりすることは海外旅行の全てに言えることで公務性の理由付けにならない」としました。宮田前市長らに対して随行職員の旅費の一部の返還を命じました。
ところが最高裁は、「市長は議長などを指揮監督する権限を有していないから、議長(今回は藤原軍次元議長)等の命令を受けた場合には、これが著しく合理性を欠き重大な瑕疵がない限り、財務会計上の措置を執る義務がある」というように、手続き論に終始し、視察の内容に触れず高裁判決を破棄しました。
この最高裁判決は、形式な手続きだけに捕らわれて、視察の実質的な中身を問わない極めて不合理な判決で、納得できません。
高裁では、今回の視察は事実上「観光旅行」と判断しており、こんご視察や随行のあり方が根本的に問い直されるのは間違いありません。



裁判費用のカンパお願い 市民オンブズ尼崎

「市民オンブズ尼崎」は、公費の無駄遣いをなくすことを目的とし活動しています。しかし資金が乏しく裁判費用が出せない状態です。裁判維持のため緊急カンパをお願いします。

   郵便振替00910−5−78870 市民オンブズ尼崎
   問い合わせ先090−8167-4198(中村)



阪神水道企業団の議会 非公式会議に多額の費用弁償 返還せよ訴訟の判決/神戸地裁

「支給はかまわぬ 金額は高過ぎる」
市民オンブズ 控訴して追及続ける

神戸市・西宮市・芦屋市・尼崎市で構成される阪神水道企業団の議会において、各市ごとの協議会など非公式会議出席者に1日14000円の費用弁償が支給されていました。
市民オンブズ尼崎は、非公式会議出席者への費用弁償の支給は合理性がなく違法だとしてその費用の返還を企業長に求め、神戸地裁に提訴していました。
神戸地裁の判決は、「法令上の根拠のない会議であっても合理的必要性のある会議であれば費用弁償するのは違法ではない」「法的根拠を有しない会議への費用弁償支給が希有、企業団議会議員の役得大、4市の財政状況は厳しい、裁判所の証人に支給される旅費、日当はほとんどが5千円未満であることなどを考慮すると、1日7千円を超える部分は違法であり不当利得を得た議員はそれを企業団に返還する義務を負う」というものでした。
法的に根拠のない会議出席者への費用弁償支給を合法とする論理と、1日7千円の合理的根拠は理解できません。しかし費用弁償を一定限度までしか認めないとしたのは半歩前進です。市民オンブズ尼崎は、ただちに控訴しました。高裁の判断に期待しましょう。



プラッスチック容器のリサイクルを目指せ
市当局実施のごみアンケートは欠陥

ごみと地球環境 安易に流れず真剣な議論を

【ごみ分別収集見直しでアンケート実施】

2005年4月から、ダイオキシン対策等の公害対策が図られごみ発電ができる新焼却炉が稼働します。それに伴い市当局は、家庭ごみの分別・収集体制を見直すことを決めました。その方針を決めるに際し、市民の意見を開くため、「プラスチック容器の分別」と「燃えるごみの収集回数」について、市当局はアンケート調査を実施しました。
アンケート内容を大別すると、設問の一つは「プラスチック容器のリサイクルのため、年約2億5千万円の費用をかけて収集する」のか「燃えるごみと一緒に燃やして発電に利用する」のか。
いまひとつの設問は、燃えるごみの収集回数を、現状のまま「週3回」か「週2回」にするか、ということ。

【なぜ設問に現行方式を入れなかったか】

設問のしかたが問題です。「プラスチック容器等のリサイクルシステムが確立するまで分別して焼却炉で燃やすという現状の方法を存続する」を選択肢として示さなかったのはなぜでしょう。
2億5千万円のお金がかかるけどプラスチック容器をリサイクルするのか、費用が安く済むからプラスチック容器を燃えるごみと一緒に回収し燃やすのかと問われれば、かなりの住民が楽で安くなる後者を選ぶと思います。アンケートの設問は、安易な結論を意図的に導くものです。

【環境にやさしいごみ処理法をめざして】

「現在の方法を存続する。すなわち、プラスチック容器等のリサイクルシステムが確立するまで、分別するが焼却炉で燃やす」との選択をする。そして、燃えるごみの収集回数を3回から2回、プラスチックごみ週1回にする。このようにすれば、プラごみと燃えるごみを一緒に回収し燃やす場合と比べ費用効果は半分ほどになりますが、現状コストと比べて年6千万円程は改善されます。
収集回数減により燃えるごみの減量と、プラごみを分別することによるプラごみの減量のインセンティブ(動機づけ)が働きます。また、将来的なプラごみのマテリアルリサイクル(プラ製品としての再生)への可能性も残されます。検討に値する案だと思います。アンケート時、以上の3つの選択肢を提示して住民に問うべきでした。

【住民に情報提供しもっと議論深めたい】

市当局は、1月にアンケートの集約結果を公表するとともに市の方針を決め、パブリックコメントを求める予定です。それは良いことなのですが、パブリックコメントが終われば、市の方針の最終決定とするようです。
私の意見は次の通りです。今回はごみ問題について住民が広く議論する良い機会です。パブリックコメントだけではなく、車座集会やシンポジウムを開催し、全市的に議論を深めるべきだと思います。ごみ問題は、ごみを減らすためにどうすれば良いのかということをできるだけ多くの住民が情報と問題意識を共有 し、議論を深めることが非常に重要です。


全国の幼稚園、小学校で「シックスクール症候群」続出(10/9共同通信)


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