第46号(2003年11月)






市経営再建プログラム さらに50億円収支不足
なおも福祉削減がつづくおそれ

官僚まかせの改革にメスを

2007年度までに808億円の赤字が見込まれるとして、宮田前市長のもとで経営再建プログラムが立てられ、大幅な人員削減や、国民健康保険料の低所得者減免の見直しなどが盛り込まれました。
白井市長は当初案から保育所保育料など14項目を修正し、それ以後もなお検討するとしました。
ところが今年の7月、市当局は新たな構造改善の必要性を示しました。内容は「経営再建プログラムを着実に実行しても2007年度における実質的な収支不足は約80億円になる。但し、団塊の世代の退職金が2010年度頃までに集中するので、そのかさ上げ分を除くと実質収支不足は約50億円となる。この額を経営再建プログラムに上乗せして構造改善の目標額とする」。
市当局はその対策として、公共施設の再配置の推進・外郭団体の経営改善と統廃合の推進・外部委託の積極的な推進・補助金の見直し・使用料手数料の見直しを掲げています。
私たち市民は、市当局の行財政改革案を丁寧に検討し、市の財源確保のために何ができるのか、何を守らなければないのかを考え、積極的な提案をしていかなければなりません。市民が声を上げなければ、市当局は次々と福祉削減を打ち出してくる可能性があります。
このような財政状況に陥った第一義的な責任は、歴代の市長や市幹部職員・市議会にあります。その責任を問い続けると共に、官僚主導の行政改革にメスを入れましょう。

2004年度 実施予定の経営再建プログラム(抜粋)
項  目 内  容
国民健康保険料の減免の
見直し
低所得者に対する本市独自の2割・3割の減免制度を廃止する。
老人医療費・心身障害者
医療費の助成、
母子家庭等へ医療費助成
の所得制限を見直し
所得制限額について2003年度に検討し2004年度に実施する。
小学校給食調理業務の見
直し
業務の経済性、効率性の観点から民間委託もひとつの視野に入れ
た検討を進めていく。2003年度に検討結果を出す。



入札制度改革 落札率90%以上は談合
尼崎市も発注工事の半分は談合の疑いあり

市民オンブズマンの弁護士は「入札において落札率(落札価格/入札予定価格)が90%以上であれば談合と見るべき」と言います。尼崎市で昨年度に実施された5千万円以上の工事入札を見ると29件のうち13件が70〜75%未満。14件が90%以上、10件が95%以上になっています。平均落札率は84.23%です。
他都市と比べると平均落札率や談合疑惑度は低く、入札で一定の競争が働いているのでしょう(下表)。
しかし、この状況を見ると、尼崎市においても入札の半分は談合の疑いがあります。さらなる入札制度改革が必要です。特に入札で談合をしにくくして競争を働かせるには、入札参加業者数を増やすこと、業者が顔を会わさないようにすること、談合時の罰則を強化することなどが考えられます。以下丸尾まきの具体的提案です。

提案1 制限付き一般競争入札で市内業者に限定する場合がある。入札参加業者数が少ないので、入札参加資格を阪神間他都市に広げる。もちろん阪神間他都市の一般競争入札にも尼崎市の業者が入れるようにする。
提案2 市当局が業者を指名する指名競争入札を止め、入札参加資格のある業者は誰でもが参加できる公募型競争入札を原則化する。
提案3 入札で業者が顔を会わさないように郵便入札を導入する。
提案4 業者のやり得を排除するため、談合発覚時には損害賠償請求額を現在の契約額の10%から20%に引き上げる。

市当局の方針としては、(1)についてはやる気なし。(2)(3)(4)については内容等検討するようです。なお入札制度改革は市職員だけの契約制度調査委員会で議論されてきましたが、今後は第3者の意見反映と公開について検討するもようです。
入札制度改革がきっちりとなされ、入札において競争が働けば、昨年度実績からみて、5千万円以上工事の平均落札率は10%程度下 がります。同様に2千万円以上の工事で6〜7%下がります。今年度予算の投資的経費が265億円なので、落札率の低下を低く見積もって6%になったとすると、約16億円の経費節約ができます。
厳しい財政状況を考えると、白井市長には入札制度改革を本気で且つ早急に取り組んでもらいたいものです。

市民自治・環境・福祉のまちづくりを


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