第45号(2003年8月)






生徒と教師の対話で学校の民主化を

学校を民主化して生徒のための教育を実現するには、細かすぎる校則を生徒と共に見直すことが必要です。
靴下の色やスカートの長さを規定したり、カバンの飾りを規制したり、髪をゴムでくくるのは認めないなど、あまりにも社会の価値観と遊離した規則、規制が行われています。
教師はこうした規制に合理的説明ができず、力づくで規則を守らせるということになっていると考えられます。
生徒と教師とが対等に話し合って校則が決められるなら、その規則は必然的に守られるでしょうし、教師も無意味な管理をしなくてもすみます。ルール違反時のペナルティについても、教師が勝手に決め生徒を殴るのではなく、生徒と先生が話し合って決めることが必要です。
生徒が主体的に学校運営に参加し、生徒と教師の対話を十分に行う。そうすれば不毛な衝突は避けられ、生徒の自治能力・問題解決能力は飛躍的に高まるでしょう。対話によって問題を解決することこそ、教育と言えるのではないでしょうか。

丸尾まきの推薦図書 「子どもと暴力」森田ゆり著 岩波書店1800円+税

人はなぜ暴力を振るうのかということから、暴力に対時する概念としての「人権」を子どもたちの「心の力」にするためにどうすればいいのか、そして子どもたちが本来持つ生きる力、問題解決力に大人はどう働きかけることができるのか、子どもたち同士でどのような援助をしあえるのかなどが具体的に提示されています。また、体罰がもたらす子どもへの影響などもわかりやすく書かれています。



アレルギー児童
進まぬ尼崎市の給食対策
前回の「ほうれん草通信44号」で、学校給食のアレルギー児童対策の改善を訴えました。市当局の現在の方針を確認するために議会で質問しました。

丸尾まき‥ 西宮市の学校給食基本方針では「食物アレルギー対策として、卵スープからの卵の除去など比較的容易な除去食を中心に、約半数の学校でアレルギー対策を実施しており、今後もより多くの学校で対応するよう努める」とある。
尼崎市の学校でアレルギー児童のために、別途代替食や除去食を作っているのは46校中3校だけ。尼崎市においても全市的に除去食を作るようにすべきだと思うがどうか。
市教育長‥ 今後、最終の調理過程で除去が可能な献立など、原因となる食品を取り除く研究を行っていきたいと考えている。
丸尾まき‥ 給食物資の原材料の一覧表を作成し必要とする人達に配布すべきではないか。
市教育長‥ 食材料を記載した献立表を配布しているが、加工品等については分かりにくい面があるので情報提供について研究していく。

【丸尾まきの意見】市教委は研究すると言いますが、本当に検討する気があるのか疑問。当事者の皆さんはぜひ学校に意見を述べて下さい。そのことが改善を促すことになります。



住民基本台帳ネットワーク 8月25日本格稼動

個人情報が流出する危険大きい

 6月議会で、住民基本台帳カードの発行手数料を設定する議案が新政会・公明党などの賛成多数で可決しました。この討議の中で、これから住民基本台帳ネットワーク(住基ネット)が本格稼働に向かって、個人情報保護の観点を含め住基ネット全体について議論されました。

安全と判断する白井市長

白井市長は、個人情報保護法ができたことにより、自治体においても個人情報保護の制度化が進み、住基ネットの安全性は確保できると考えていることが明らかとなりました。

危険警告する長野県審議会

しかし、長野県で明らかにされたように、住基ネットとインターネットが物理的に接続されている自治体が120のうち27あること。長野県本人確認情報保護審議会の第1次報告で「インターネット経由で全ての情報が取られかねない事態」と警告しています。
総務省の調べでも、全国で約400の自治体(全体の1割)において、住基ネットと接続している庁内LANが、インターネットと接続していることがわかりました。

情報利用の拡大で裸の市民に

現状の住基ネットのシステムは、個人情報が漏洩する危険性があります。また将来に多額の経費を投入して安全策を講じても、それで十分なセキュリティが得られるのかも疑問です。今後、住基ネットで流される佃人情報利用の用途を広げることがもくろまれています。どんな情報と結合され、どう管理されるのか市民には全くわかりません。個人情報を自分でコントロールすることができなくなります。

莫大費用かけてメリットなし

システム導入による住民のメリットとして言われるのは住民票が市外で取れること、身分証明書などに使えること。しかし、住民票を市外で取る人はほとんどないでしょう。身分証明書は運転免許証や健康保険証等で十分機能しています。身分証明書を作るために億単位の費用を払うのは大変な無駄遣いです。


参加の可否は住民アンケートで

個人情報を本人承諾なしで知らせないで

住民にはほとんどメリットがない住基ネット。国へ接続された情報は住民の自己情報コントロール権が及ずその先の管理、運用が心配です。個人情報の漏洩の危険性があります。自治体にとってもメリット少なく、多額の費用を要す極めて非効率なシステムです。
尼崎市は住基ネットから離脱するのが妥当です。市民の中に強い接続の希望があるなら、選択制の採用も考えられます。いずれにしても、まずは白井市長が住基ネット参加の可否を市民の問うべきでしょう。

7月1日現在、住基ネットから離脱しているのは東京都国立市、国分寺市、中野区、杉並区、福島県矢祭町。横浜市は選択性を実施。東京都杉並区、札幌市は選択制を検討中。長野県は離脱を検討中で政府との公開討論会を開く方針。

-市民自治・環境・福祉のまちづくりを-


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