第41号(2002年8月)






狂牛病や化学物資のチェック万全か
学校給食牛肉 違反業者の処分なく再開

尼崎市教育委員会は、尼崎市にも牛肉を納入していた大阪の業者が、給食向け国産牛肉に輸入肉を混入した疑惑が浮上したため、今年2月下旬から牛肉の使用を中止していました。その後、市内業者も同様の偽装をしていたことが発覚。

2学期からの牛肉再開は安全か

市教委は、業者の契約違反について、牛肉の使用を中止していることを理由に業者への損害賠償請求や指名停止等の処分を行いませんでした。ここまでの市教委の対応は極めて無責任なものでした。
この6月、市教委は再発防止策が整ったとして、2学期から牛肉使用の再開を決めたのです。
具体的対策として、出荷証明書の提出の義務づけや納品書に規格の記入の義務づけ、契約違反時の罰則の明確化など、ごく当たり前のことを並べています。

豪州産牛肉は成長ホルモンの危険

牛肉の規格は、国産にこだわらず、低価格で狂牛病の発生がほとんどないオーストラリア産を認めることにしました。しかし、オーストラリア産の牛肉は、日本で全面使用禁止されている成長ホルモンが使用されていることから、別の問題が起こってきます。EUでも、成長ホルモンは人体に悪影響を及ぼす恐れがあると全面的に使用禁止になっています。

安全チェックと信頼の業者選定を

市教委は、成長ホルモンを使っていないものを指定すると言っていますが、そのチェックが十分にできるのか疑問です。抗生物質の使用についても、疑問が残ります。食材は国産の物が好ましいのですが、値段の面などから輸入肉を使わなければならないのであれば、狂牛病だけではなく成長ホルモン、抗生物質の安全性について十分なチェック態勢を整える必要があります。
ただその場合、流通業者が信頼できることが絶対条件です。虚偽の牛肉を販売する学校給食の納入業者(例えば川西食品など)を信用することはできません。市教委は、輸入肉の安全性、業者の信頼性をどのように考えているのでしょうか。
                       市教委学校保健課TEL6489−6741



アレルギーで牛乳を飲めない児童の牛乳代を減額

尼崎市では、アレルギー児の学校給食の対応が十分ではありません。特にひどいのはアレルギーのため牛乳が飲めない児童から、強制的に牛乳代を徴収していることでした(「ほうれん草通信」39号で詳報)。
市当局は、この度市民の声を受けて、牛乳の飲めない児童の牛乳代実費相当額を減額することを決めました。対象者は、食物アレルギー等により医師から牛乳を飲むことを禁止または制限されている小学生及び養護学校の生徒で、保健調査票や保護者との面談等 により学校長が確認します。
実施時期 今年の2学期から  減額幅 月600円(年6600円)



2001年度尼崎市議選挙受取額から候補者の意識が見える

公費助成枠すべてを使い切るのは良いことか

現在の選挙制度には、金持ちだけが有利にならないように、普通の市民が楽に立候補できるように、選挙費用について公費助成の制度があります。しかし、市民の税金である公費ですから、それを不正に利用したり、湯水のごとく無駄に使うことは許されません。最少の経費で効果的な選挙を心掛けるべきです。
下表を見ると合計支払額の最大(約100万円)と最少(約25万円)の差が4倍もあります。ポスター代は5倍近くの違いがあります。自動車借上料については、軽自動車を借りた人もワンボックスカーやバンなどを借りた人も同じ金額になっています。これは非常に不自然なことです。
下記の候補者各人の請求受取額から見えることは、業者との契約都合があるとしても、「公費をできるだけ節約しよう」という人と「公費だから使えるだけ使おう」という人の意識の違いではないでしょうか。(こちらに全文実名掲載)
今回の調査の背景には、他都市で起こったポスター代の水増し請求事件や尼崎市議選で起こった不自然なレンタカー契約の問題がありました。

2001年度尼崎市議会議員選挙公費受取額(抜粋)

受取額の少ない候補者順    単位 円                          

候補者氏名 自動車借上 運転手 燃料供給費 ポスター作成費 合計
支払額
単価 日数 請求額 単位 日数 請求額 単位 使用量 請求額 単価 請求額
1 塩見 幸治 15,300 7 107,100 請求せず 105 170.7 18,818 190 126,730 252,648
2 丸尾 牧 8,715 7 61,005 請求せず 請求せず 301.9 201,350 262,355
3 笠井 明 15,300 7 107,100 12,500 7 87,500 105 121.1 13,349 215 143,405 351,854
4 丸岡 盛夫 請求せず 請求せず 105 128.6 14,176 517 344,839 359,015
5 平山 丈夫 2,975 7 20,825 12,500 7 87,500 108 113.6 12,880 384 256,128 377,333
中略
63 当選 T.A 15,300 7 107,100 12,500 7 87,500 113 187.5 22,244 800 533,600 750,444
64 当選 T.M 15,300 7 107,100 12,500 7 87,500 請求せず 840 560,280 754,880
65 落選 K.K 15,300 7 107,100 12,500 7 87,500 92 186.4 18,004 836 557,612 770,216
66 落選 N.M 64,500 7 451,500 ハイヤー方式 ハイヤー方式 570 380,190 831,690
67 落選 H.H 64,000 7 448,000 ハイヤー方式 ハイヤー方式 805 536,935 984,935
                         表は「市民オンブズ尼崎」の資料から作成



ほうれん草通信特別会計
2002年 4月 5月 6月
収 入      
報酬から 50,000 50,000 100,000
カンパ   19,000 10,000
50,000 69,000 110,000
支 出      
通信作成費 0 285,600 0
収 支 50,000 −216,600 110,000
のべ収支 134,000 −82,600 27,400


個人情報が守れない住民基本台帳ネットワークは延期を

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