第41号(2002年8月)






尼崎市 経営再建プログラム基本方針きめる

大幅な住民負担増につながる恐れ

尼崎市当局は財政が危機的な状況にあることから、2003年度から2007年度までを計画期間とした「経営再建プログラム」の基本方針をまとめました。市当局の発表によると、現状のまま推移するば、今後5年間に毎年度160億から200億円もの収支不足が見込まれるとしています。この基本方針に基づいて、この秋に具体案が示されます。


 
基本方針(要旨) 

 
現在実施している事業・サービスは、継続を前提とせずゼロベースからの再構築を基本とする。
既に作られている実施計画等は、経営再建の目標に照らし再評価を行う。
人件費の抑制、委託化の推進、外郭団体の経営改善・統廃合など経営の効率化を一層進める。
民間で代行出来るサービスは徹底して移管を進める。
公共施設の集約化や廃止転用等を進めるとともに土地等の資産の活用を図る。


【丸尾まきからの提言】

 
行政の無駄遣い一掃が先
行財政改革を住民に理解してもらうには、市長退職金の大幅減、更なる市長・管理職・議員らの報酬・手当の削減。多額の残金が出る出張費の見直し。公益性のない議員待遇者会や市職員退職者互助会等への補助金を廃止など。公職に係わる者への優遇的措置を全て見直す。無駄遣いも一掃する。
 
借金増やす不要土地を売却
開発事業は出来る限り先送りし、入札制度改革を積極的に進め、不要な土地は民間に売却して、外郭団体統廃合、補助金等の見直しも口先だけに終わらせない。
 
情報公開し負担増には支援を
その上で、住民福祉を削らなければならないのであれば、住民にすべての情報を提供し、不利益を被る人達の意見を丁寧に聞き、サービス削減となる場合はその代替策を検討する。
 
重要課題は住民投票で決める
さらに誰でもが参加出来る対話集会を繰り返し実施した上でアンケート調査等を行い、市民との合意を確立すべき。大きな課題であれば住民投票を実施する。社会福祉協(議)会の幹部とだけの談合で、ものごとを進めるなどの非民主的な行政運営は認められない。

          財政収支見通し(2002年6月市当局試算)      単位:億円
  2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年
歳  入 1,181 1,068 1,049 1,041 1,028 1,025
歳  出 1,181 1,235 1,252 1,202 1,220 1,222
差引収支(単年度収支) 0 △167 △203 △161 △192 △197
累積収支 0 △167 △370 △531 △723 △920
一般会計、一般財源ベース                           



宮田良雄尼崎市長 8年間の業績を採点する

市民・丸尾まきが他市長と比較して独断評価

プラス評価
・市民向け市政出前講座の実施
・市長交際費 病気見舞いの相手先氏名を除き公開
・市長給与(20%滅)等の2年間の給与減額
・高齢者、障害者に優しいノンステップバス、環境に優しいアイドリングストップバスの導入
・(被災)高齢者のためのグループハウスの導入(恒久化できるかどうかが今後の課題)
・市民向け『あまがさき環境塾』の実施
・環境NGO実施の環境自治体ランキング6位(93自治体中)
・市庁舎等への環境マネジメントシステムISO14001認証取得
・公用車として環境に優しいハイブリットカー「プリウス」を使用
・在日外国人のための日本語読み書き学級の実施


マイナス評価
・経済状況を無視し開発事業等を進め市財政を極めて厳しい状況に追い込んだ(前市長に責任
 有り)
・全国市民オンブズマン連絡会議 情報公開度ランキング失格(24自治体中)
・食糧費官官接待の相手先氏名を非公開
・人通りが少なく必要性の乏しい阪神尼崎駅北側人工地盤を多額の費用を使い整備
・保育所保育料の大幅アップや下水道使用料減免見直しなど福祉を削減した。社会的弱者へ
 の配慮に欠けている
・市長退職金4年で3554万円を減額する意志なし(市民への奉仕よりも自分への手当か)
・コスモ工業団地問題や築地事務所高級文具大量購入問題で、十分な真相究明や責任を明確
 にせず、常に問題を曖昧に済ませようとする無責任さ。
・築地事務所への監査委員の監査を職員がピケを張って阻止。市長はその疑惑隠しを容認。
・入札制度改革やタクシーチケット不正使用など問題を指摘されるまでまともな改善せず
・実費と掛け離れた旅費を支給する制度を温存。金銭感覚が麻痺しているのか。
・必要性の乏しい武庫川ダム、余野川ダムの建設に積極的
・ゴミが増え続けることを容認する欠陥の「ゴミ減量推進計画」を策定
・市長公用車として極めて環境に悪くリース料が年間212万円にもなるセンチュリーを使用


<番外>
・宮田氏が教育長の時に市教委が筋ジストロフィーの玉置真人君の市尼高入学を拒否


<総評>宮田市長は市行政のトップとしてノンステップバス等の導入などを進めている一方で、意思形成過程の情報公開には消極的であり、市の行財政改革に市民の意見を反映しようとする意思が弱く、福祉の切り捨てを安易に行う。
問題発覚時の問題解決能力が乏しいこと、高額市長退職金に固執しお金への執着があること。真に市民のために改革できる人ではなく合格点をつけることはできません。75歳という年齢を考えると、そろそろ引退を考えた方がいいのでは。

-市民自治・環境・福祉のまちづくりを-


目次へ戻る