第36号(2001年5月)





消費者に責任押しつけの問題法

家電リサイクル法 4月からスタート
テレビ・エアコン・冷蔵庫・洗濯機の廃棄は販売店が引き取リ

ブラウン管式テレビ・エアコン・電気冷蔵庫・電気洗濯機の4品目について、法律で製造メーカー等にリサイクルが義務づけられました。消費者が電気製品を買い替えるとき、販売店は消費者が廃棄する電気製品を引き取らなければなりません。そして消費者は、不要になった電気製品を廃棄する場合は、販売店に引き取ってもらわなければなりません。

再商品化料金(消費税別) 尼崎市行政の収集運搬料金
大型ゴミに出す場合 臨時ゴミに出す場合かクリーンセンターに運び込む場合
テレビ  2,700円 1,200円 600円
エアコン 3,500円 1,800円 900円
冷蔵庫  4,600円 2,400円 1,200円
洗濯機  2,400円 1,200円 600円
(注)金額は1台あたり、臨時ゴミに出す場合は別に手数料がかかります


市当局は原則として上記4品目の収集業務を行いません。但し以前に購入した販売店が廃業し、かつ電気製品を買い替えない場合は市当局が引き取ります。引き取り料は、再商品化料金と収集運搬料金(表参照)です。
販売店の引き取り料も、再商品化料金と収集運搬料金の合計になります。収集運搬料金は、販売店ごとに決められます。
この制度の問題点は、再商品化料金と収集運搬料金を消費者が負担させられることです。このような費用は、基本的に商品販売価格に上乗せし、製造者・販売者の責任により、商品の回収をすべきなのです。大型ゴミについても同様です。
それをしなければ、商品を廃棄する段階において、消費者だけでなく産業廃棄物処理業者の不法投棄を助長することになります。また、ゴミの減量化のための効果も薄れてしまいます。
破滅に向かっている現在の経済優先の社会システムを持続可能な社会システムにするために、政府・国会 議員はゴミ問題をもっと真面目に考えるべきです。


各国・地域の家電リサイクル状況(案も含む)
国・地域名 対象製品の範囲 費用負担
EU(欧州連合) 大型・小型家電、IT機器、電機通信機器、自販機、照明機器 使用者は無料。製造業者が費用負担
オランダ 家電類、パソコン、コピー機など 販売価格に費用を上乗せ
ドイツ 情報通信機器、家庭用機器、小型家電、民生用電機機器 製造者責任
オーストリア すべての新規電子製品 製造者負担
デンマーク 廃電子・電気製品全般、発電・送電設備、電池、など 回収・処理責任は自治体、費用は地方税で賄う
ノルウェー 電流・電磁界を有するものすべて コストを新製品の価格に上乗せ。回収・リサイクルは無料
スウェーデン ほぼすべての電気製品 生産者と自治体
イタリア 家電4品目とコンピューター 生産者、輸入者負担が原則
フィンランド 大小家電、オーディオ、コンピューター、IT機器など IT機器は使用者負担、それ以外は製品価格に上乗せ
イギリス 不明 価格上乗せや増税
フランス すべての電気・電子機器 詳しくは不明。公的負担以外
台湾 家電4品目とパソコン、車両、タイヤなど 収集・処理資金は製造・輪入・販売業者が負担
韓国 家電4品目(拡充予定) 生産者責任が負担
日本 家電4品目 排出時に消費者から徴収
東京新聞、朝日新聞、スウェーデン環境ニュースなどから作成      く消費者リポート1146号から>



中古家具の無料提供

五合橋を南に下った「資源リサイクルセンター」の一階にある市民工房では、
大型ゴミに出された家具などを無料で提供。

美化事業推進室6409−1341


デポジット制でくり返し再利用を
ペットボトル回収は23%、再商品化は12%

ペットボトルリサイクル推進協議会(以下推進協議会)の資料によると、99年度において、生産量332、202トンで、収集量は75、811トン、回収率は約23%です。その中で、再商品化できたペットボトルは、40、155トンで再商品化率はわずか12%にしか過ぎません。
尼崎市で実施された「環境に優しい買い物探検隊」の報告書によると、調査した62店舗全店がペットボトルを販売していますが、そのうちペットボトルを回収している店舗は12店のみ。ペットボトルの再生品を販売しているのは18店舗。尼崎市においてもペットボトルのリサイクルシステムが機能していないことがわかります。
推進協議会では、01年度のペットボトル生産量予測は、99年度の22%増と見込んでいます。現在でも、リサイクルシステムが十分に機能していないにもかかわらず、今後、ますますペットボトルの生産量は増える見通しです。
解決策としては、ペットボトル等の容器について、企業に回収責任を課し、デポジット制度を早急に作り上げるべきです。そして、ドイツ等で行われているように、再利用のために肉厚を厚くしデポ ジットで繰り返し使えるようにするべきです。これが、ペットボトルの取り扱いに関する最も現実的な選択ではないでしょうか。
市民ひとり一人が環境負荷の大きいペットボトルを、なるべく使わないようにすることも必要です。
丸尾牧は市長に対して、ペットボトルのデポジット制度の実施とリユースの促進について国へ意見を出すよう質したところ、市長は「尼崎市が参加している都市清掃会議でデポジット制度等について 国へ要望している」という答弁がありました。




目次へ戻る