第36号(2001年5月)





市職員の退職金 大企業並みの優遇

市民に厳しく 職員にやさしい行政


民間企業と比べれば
任期4年勤めた市長の退職金が3,554万円というのにはびっくりですが、市職員退職金の額の大きさに2度びっくりです。市職員の退職金が妥当かどうかを検証するために民間企業の退職金データを調べてみました。
現在の尼崎市の全体職員数は5千人程いるので、従業員千人以上企業と比較してみます。労務安全センターホームページの資料によると、従業員千人以上の企業に勤める勤続35年以上の人は、97年平均退職金額は 3,396万円です。それと比較すると尼崎市の退職金は極端に高いとは言えません。
しかし、従業員100〜299人の企業で勤続35年以上の人の平均退職金は 2,515万円、従業員30〜99人の企業で勤続35年以上の人の平均退職金は 2,046万円であることから考えると、市職員はかなり優遇された退職金をもらっていることがわかります。


1999年度尼崎市職員退職金        単位  円
役職 退職理由 退職手当額 勤続年数
局長
定年
40,410,720
42
40,371,520
38
部長
38,761,140
37
37,752,120
42
課長
34,383,580
38
34,113,684
38
課長補佐
31,580,370
42
31,314,290
38
係長
30,128,000
37
一般職員
30,156,120
38
30,029,080
40


企業の退職金との比較は一概にはできませんが、社会情勢や市職員の働きをみて、尼崎市民が妥当な退職金かどうかを判断することだと考えます。
 


暫定措置で上乗せ支給   
いま一つの問題は、市職員に支給されている退職金が、市報で広報されている支給率(表参照)と異なることです。1997年に現在の支給率に減額見直されましたが、見直し後7年間は減額分の一定割合を上乗せする暫定措置がとられています。2000年度については減額前との差の2分の1を上乗せして支給されています。この暫定措置はあと3年ほど続くようです。当局の市職員への暖かい対応はこの度否決された市民に対する苛酷な負担措置案とくらべ、あまりにも違います。

尼崎市の退職手当の支給率(国基準と同じ)
  自己都合 推奨・定年
勤続20年
21.00月分
28.875月分
勤続25年
33.75月分
44.55月分
勤続35年
47.50月分
62.70月分
最高限度
60.00月分
62.70月分




介護事故対策に福祉オンブズ制度の設立を

◆高齢者が高齢者施設を利用している時に、転倒して骨折したり、食べ物をのどにつまらせたりするなどの事故が起こっています。 このような事故については、施設と家族等による話し合いで解決することになります。
◆しかし、利用者側は圧倒的に弱い立場にあることから、施設側の不当な対応によって泣き寝入りしている場合も考えられます。
◆行政として、事故が起こった時の事実関係を把握し、問題解決のため中立的立場で助言を行い、再発防止策などについて、しっかりとした助言がされるシステムが必要です。そのような役割を担う福祉オンプズパーソン制度を創設するべきです。



市長提案 学校給食用の買い替え
環境ホルモン溶出食器は止めて

◆市長は新年度予算案で、学校給食用食器について、現在使っているアルマイト製からポリプロピレン製へと買い替える案を提示しました。
◆ポリプロピレンは、プラスチックの一素材で他のプラスチックに比べ、比較的環境ホルモンが溶出しにくいものと言われていました。
◆しかし、日本消費者連盟の発行する消費者リポートで公表された資料によると、ポリプロピレンで作られた食器からノニルフェノールという環境ホルモンが溶出することが明らかになりました。ものによってはかなり 高濃度の環境ホルモンが溶出するようです。
◆子供達に環境ホルモンを摂取させないために、ポリプロピレン製の食器は絶対に止めるべきです。それよりも、食器は安全性の高い強化磁器すべきです。それができないのであれば、当面アルマイトの食器を使うしかないでしょう。
◆子供の健康を守るため、食器は環境ホルモンの不安のない安全なものを使うよう、市長・教育委員会・校長・教師に対して、大きな声を上げて下さい。

 問い合わせ・意見は学校保健課エ6489-6741へ


市販プラスチック製食器および食品保存容器からのノニルフェノールの溶出量(消費者リポート1098号)
商品番号 特殊加工 材質 種別 耐熱温度(℃) Nonylphenol
検出量(ng)
1
 
スチロール
コップ
ピンク
-20 70
13
2
 
ポリプロピレン
ベージュ
-20 120
33
3
抗菌加工
ポリプロピレン
ベージュ
-20 120
662
4
 
スチロール
クリアグリーン
-20 70
19
5
抗菌加工
ポリカボネート
-20 140
17
6
 
メラミン樹脂
肌色
-30 120
15
7
 
ポリプロピレン
コップ
ピンク
-20 70
20
8
抗菌加工
ポリプロピレン、シリコン
しゃもじ
   120
15
9
衛生仕様
本体ポリカボネート
タッパー
無色透明
-30 140
12
10
電子レンジ可
ポリプロピレン
タッパー
透明
-20 140
12
11
 
ポリエチレン
タッパー
白色半透明
-30 70
30
12
電子レンジ可
ポリプロピレン
   140
12
13
 
ポリプロピレン
タッパー
透明
-20 140
12
14
抗菌加工
ポリプロピレン
コップ
   140
35
15
 
ポリスチレン
コップ
-10 70
419
16
 
ポリプロピレン
コップ
   110
30
17
焼却可
PP複合シート
-30 140
36
18
 
ポリプロピレン
コップ
ピンク色半透明
   100
12
19
 
ポリプロピレン
コップ
ピンク色
-20 140
30
20
 
ポリプロピレン
コップ
-20 100
41
21
 
ポリプロピレン
ピンク色
   120
23
22
 
ポリプロピレン
深皿
-20 120
87
23
 
ポリプロピレン
コップ
-20 140
29
24
 
メタクリル樹脂
コップ
ピンク半透明
   80
19
25
 
ポリプロピレン
コップ
水色半透明
-20 140
40
26
 
ポリプロピレン
タッパーふた
濃紺
   120
681
27
煮沸消毒可
リューレックス
タッパー
透明
-30 120
19
28
煮沸消毒可
ポリエチレン
タッパー
透明
-30 60
20
29
抗菌加工
ポリプロピレン
弁当箱
水色半透明
-30 140
16
30
 
スチロール樹脂
白に水玉
-30 70
16
31
 
スチロール樹脂
コップ
無色半透明
   70
81
32
 
ポリエチレン
タッパー
黄緑
 
27
33
 
ポリプロピレン
タッパー
黄緑
-20 80
26
34
抗菌加工
ポリプロピレン
タッパー
半透明
-20 140
33
35
 
スチロール樹脂
コップ
透明
-10 70
49700
36
 
ポリプロピレン
コップ
青色半透明
   120
102
37
 
スチロール樹脂
コップ
水色半透明
-20 70
39
38
 
スチロール樹脂
コップ
透明
-10 70
45800
39
 
メラミン樹脂
-30 120
37
40
電子レンジ可
ポリプロピレン
茶碗
   140
32
41
 
AS樹脂
コップ
ピンク半透明
-20 70
26
42
 
ポリプロピレン
タッパー
黄色
   120
27
43
 
EVA樹脂
タッパー
透明
   60
57
44
抗菌加工、電子レンジ可
ポリプロピレン
タッパー
透明
-20 140
28
45
抗菌加工、電子レンジ可
ポリエチレン
タッパー
透明
-20 60
40
46
焼却可
ポリプロピレン
白色
-30 140
28
47
 
ポリプロピレン
コップ
白色半透明
-20 120
29
48
抗菌加工
ポリスチレン、無機系抗菌剤配合
スプーン
ピンク色
   80
28
49
 
ポリプロピレン
歯ブラシ
   80
29
50
抗菌加工、電子レンジ可
ポリプロピレン
弁当箱
-30 140
33
*操作ブランク(sample no.1-30):14ng(n=3) 操作ブランク(sample no.31-50):27ng(n=2)

訂正
上記の消費者リポートから転載した表について、以下のように日本消費者連盟から訂正がありました。
『「市販プラスチック製容器および食品保存容器からのノニルフェノールの溶出量」の中から「タッパー」は、日本タッパーウェア(株)の製品を指すものではなく、「食品保存容器」の誤りです。訂正いたします。』



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