第31号(2000年2月)





市公共工事の指名競争入札
特定業者へ指名集中の実態を改めよ
--- 市長・当局と癒着の疑いあり ---
工事の多くが指名入札

 尼崎市の公共工事の請け負い業者の選定方法は、一部で制限付き一般競争入札も導入をされていますが、多くは指名競争入札により行われています。指名競争入札とは、市に登録している業者の中から、市当局が何社かを指名して競争入札を実施する方法です。



不公平不公正な指名
 今回の問題は、市は業者を 「公平公正」 に選定して指名をしなければならないにもかかわらず、特定の業者に指名を集中し、「不公平不公正 」 な指名をしていたことです。
例えば98年度の建築工事では、登録業者35社のうち、2社が年に9回指名されていますが、一方で15社が一度も指名されていません。かなり恣意的な指名が公然と行われているようです。
他の工事の指名についても、同様に大きな偏りがあります。


当局の説得を欠く説明
 市当局はこの結果について次のように説明します。「年度当初に市の工事を受注した業者は一定程度工事が進むまで指名しないことや、新規登録業者については実績がないので指名を減らしていることから今回のような結果になった。指名は適切に行われている 」。
しかしこの説明では、9回も指名される業者が存在することや、登録業者の半数近くが指名されていないことの理由にはなりません。市当局は事実を語っていないのではないでしょうか。


行政と業者の癒着の疑い
 今回のような指名の偏りが起こる要因として、市長 ・市当局と特定業者との癒着が考えれれます。市長は市の登録業者から多額の政治献金を受け取っていますが、それが大きく影響しているのかもしれません。大型開発事業が後を絶たないのもしかりです。


指名競争入札で特定業者に偏っている指名回数
97 ・ 98年度 業種別A'ランク業者指名状況表
業種 年度 入札回数 指名回数別の業者数 登録業者
9回 8回 7回 6回 5回 4回 3回 2回 1回 なし
土木 97 15     2 4 3 6 4 10 1 4 34
98 14           25 1 1 3 5 35
建築 97 13   1 1 2 1 9 5 3 4 9 35
98 25 2 4 2 2 1 4 3 1   15 34
電気 97 9 1 3     2 3     2 5 16
98 6            2  4 3  3  3 15
97 13 1     3 2   2 4 1 5 18
98 8       1 2 1 3 4 5 2 18
土木、建築工事のA'ランクは9千万円〜2億9千万円
電気、管工事は3千万円〜1億2千万円の工事


 

入札制度の改善が必要
 その癒着をなくすためにも、公正公平な業者指名を実施する必要があります。その具体的方法として、一般競争入札の対象工事を拡大することや、希望する登録業者が全て入札に参加できる工事希望者型指名競争入札の導入が必要です。
しかし、市長はこれらの入札制度改革には極めて消極的です。これは何を意味するのでしょうか。




水道管修理工事 市当局競争入札を実施せず
特定5社とのみ契約  内4社が市長に政治献金
尼崎市は水道管の補修工事について、5社とのみ随意契約をしています。
その理由について市当局は 「他の業者は水道管に水と通したままで工事をする能力がなく、また24時間対応できる態勢が整っていないため 」 と説明しています。
しかし、水道管補修工事に指名競争入札を導入している複数の他自治体の担当者に聞いたところ 「水を通したままの工事は、器具さえあれば大半の業者が工事可能である 」 と教えてくれました。
また、名古屋市の職員は 「うちは登録している約60社全てが24時間対応できる」と言っています。
 そのことから考えると、尼崎市でも5社以外に 「工事能力があり 」 、「24時間対応ができる 」 業者が存在するはずです。
しかし尼崎市水道局は、議会で 「水道管補修工事の業者選定に指名競争入札を導入することは考えていない 」 と時代遅れの答弁を繰り返しています。
 ちなみに毎年随意契約をしている5社のうち4社が97、98年度に市長に政治献金をしている業者です。


これこそ推薦図書
【だれも教えなかった環境問題】 総合法令出版 立山 裕二著 1,300円
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 本書では、これらの地球環境問題をわかりやすく解説し、また 「 わたしたちになにができるか 」 の一例も提言しています。お蔭様で各方面でご好評いただき、現在第3刷を数えています。
 私は、尼崎で育ち、尼崎を愛する一市民ですが、 「 かつての公害都市尼崎こそ、環境の大切さを訴え続ける使命があり、地球環境問題解決の要所となり得る 」 と確信しています。
 是非とも拙著をお読みいただき、家族また職場や地球社会で地球の未来を考える輪を広げていただけたら幸いです。
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      立山 裕二     TEL/FAX  06-6493-8716





サラダにおいしいソース(ドレッシング) 富松町Tさん提案
 味噌やゴマがたくさん入るので栄養価も高く、マヨネーズよりカロリーオフにもなるソースです。
生野菜はいつもマヨネーズだったり、何か目先の変わったドレッシングとお考えの方、是非お試し下さい。
【材   料】 白味噌 …300g   マヨネーズ …300g   白ゴマ(すったもの)…300g  酢 …大さじ1
サラダオイル …少々  しょうがの搾り汁 …少々  牛乳(又は生クリーム) …大さじ5〜6
こしょう …適宜
【保存方法】 保存する場合、材料は開封したてのものをお使い下さい。
煮沸消毒した容器での保存が安心。冷蔵庫で、冬期約2カ月、夏期約1カ月保存可能。かたくなれば牛乳でのばして下さい。





進む 「 武庫川ダム計画 」
自然豊かな武田尾で渓谷が壊れる
ふるさと 「 武庫川
 尼崎市民の 「心のふるさと 」 と呼ばれる武庫川。氾濫もありましたが、尼崎の土地をはじめ、多くの自然の恵みを運んでくれています。
 この武庫川をさかのぼって宝塚を過ぎた当たりに武田尾渓谷があります。素晴らしい景観をもつ、いまも豊かな自然が息づく所です。武田尾渓谷を眺める好展望の国鉄廃線敷は、いま自然愛好家のかようハイキングコースとして賑わっています。


巨大ダムができる
 この場所に、兵庫県当局は大型公共事業として武庫川ダム建設の計画を進めています。約30年も前に始まった計画ですが、情勢の変化により当初の目的である利水は必要でなくなりました。一昨年、建設省は全国のダム事業を見直して武庫川ダムを 「足踏みダム 」 としましたが、兵庫県当局はダムの目的を治水とリクリエーションに変えて計画推進を図っています。
 すでに流域市町で説明会を開き、この1月には環境評価の手続きに入っています。
尼崎市へも県河川課から説明会開催の要請があり、今年から市内での開催が予定されています。


まだダムが必要なのか
 このダム計画については、武庫川流域の環境問題に取り組む市民団体が結集して、反対運動が展開されてきました。市民運動を支援する学者・専門家の研究も行われ、工事の根拠となる流量設定にも疑問が出されています。
世界的にも、河川管理はダムによって押さえ込むのではなく、自然を保存し遊水池などを活用するなどの総合的対策が求められる時代になっています。
 国・自治体の財政が厳しいおりから、むだな公共事業が行われてはなりませんし、貴重な自然環境が壊されてはなりません。ふるさとの川 「武庫川」 に大きな関心を寄せて下さい。
         (問い合わせ先 TEL 6427-2719 足立さん)




「市民派」とは何?
≪制度と意識の変革を求めて≫
史上最高の大借金
 ミレニアムと騒がれるが、この国の人々はこれからどうなるのか。
2000年度予算の一般会計額が85兆円という空前の規模。ところが国債発行総額が86兆円に達する。年度末の国 ・地方を合わせた借金残高は645兆円に膨れ上がる。年間の税収全額を返済に充てても、全部を完済するのに13年かかる膨大な金額だ。
いったい誰がこんなことにしたのか。


変革を求める無党派層
 将来の生活を現在食いつぶしていること。いま不景気を嘆いているが、それ以上に大変な時期が迫っていることに気が付いているだろうか。
朝日新聞による年末の国民意識調査では、有権者の4人のうち3人が今の政治に 「不満 」 と回答し、8割以上が政治に変わってほしいと答えている。
既成政党を支持しない無党派層は増大して、全体の35%を占めるまでになった。やさしく穏やかな人々が、いまや動き出したのだ。


市民派と無党派層と
 市民派とはこの組織と無縁の無党派層に依拠する。前述の膨大な借金の原因となっている従来の政治社会システム。組織された一部の者たちへ利益を誘導する仕組みと意識を、社会全体の利益を考えるものに変えていくこと、それが市民派の仕事だ。( 松島雅 )




遺伝子組み換え食品
学校給食に使わないで
 現在、日本での使用が認められている遺伝子組み換え食品は6種類、22品目です。害虫の幼虫を殺す毒素を持った害虫抵抗性のあるトウモロコシ、ジャガイモ、除草剤耐性のある大豆、菜種、日もちの良いトマト、綿などがあります。



安全性は疑問
 厚生省は、これらの作物の安全性について、OECDなどの主張を丸のみにし、安全だと判断しています。そのため、慢性毒性、遺伝毒性、発癌性、催奇形性、アレルゲンの有無などの毒性検査は行われていません。遺伝子組み換え食品の安全性が十分にわかっていないのです。

 その不安を国際的なものにしたのは、去年5月に明らかになった遺伝子組み換え食品により影響を受けないはずの蝶の死でした。
現在では、特定の蛾を殺すための遺伝子組み換え食品が、蛾だけではなく他の昆虫へも影響を与えることがわかっています。
このような安全性に不安のある食品を私たちは食べたくありませんし、子供たちに食べさせたくありません。


NO !  と発言を
 丸尾牧は、東京都立川市、東大和市のように、尼崎市の学校給食で遺伝子組み換え食品を使わないように提案をしました。
それに対して当局は次のように答弁しました。
「学校給食の食材は、国産品を原則としている。国の研究や判断を見極めながら、子供たちの安全を第一に対処していきたい 」
もひとつすっきりしない答弁ですが、否定的でもなさそうです。
 教育委員会に対して、育友会など様々な場で市民のみんなが 「学校給食への遺伝子組み換え食品NO ! 」 と声を上げましょう。その声が、必ず尼崎市の学校給食から全ての遺伝子組み換え食品を排除すると思います。




尼崎市ごみ減量推進計画発表
大型ごみ有料化や指定袋制
 尼崎市当局は、昨年12月にゴミの減量化計画を発表しました。目標としては、2011年までにごみ発生量の18%を減量する予定です。
その具体策としては、大型ゴミの有料化や指定袋制導入など、新たな市民負担も検討されています。
【疑問点】
減量目標値は、ごみが2011年まで増え続けるという想定で、その時点から18%減と設定しています。しかしこの数字を、一人一日あたりのごみ排出量に計算し直すと、98年度に比べて220g増 ( 1,280g ) となります。ごみ減量推進計画としては、全く不十分な目標設定です。
大型ゴミの有料化や指定袋の導入は、新たな市民の費用負担が出てきます。市民と十分な議論をした上で、ゴミの減量が進み、市民の負担が大きくならない方法の検討が必要です。



ピンクビラ追放投函されたら警察に連絡を
 数年前から、性風俗産業のピンクビラがマンション等の郵便受けに頻繁に入るようになりました。これに関しては、住民のほとんどが迷惑だと感じています。
 その声を受けて、風営法が去年4月に改正され、マンション等へのピンクビラ配布は禁止されましたが、その後もピンクビラの配布は後を絶ちません。
 そこで、丸尾牧が警察署に問い合わせたところ、担当者は 「 ピンクビラが入った時は警察に連絡を下さい 」 とのことでした。
連絡を受ければ、公安委員会が違法なビラ配布を止めるよう業者に指示処分を出し、その指示に従わない場合は公安委員会が営業停止処分等を出すとのことです。
 子供たちのためにも勇気を出して警察に届け出をして下さい。


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