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第31号(2000年2月) |
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低所得の扶養家族に大打撃! |
≪尼崎市 国民健康保険料を大幅改定≫ |
宮田市長は、次年度からの国民健康保険保険料の算定方法を [ 市県民税方式 ] から [ 所得方式 ] へと変更する議案を12月議会に提案し、市民に顔を向けない議員の賛成多数で可決されました。提案の主な理由は、「一人世帯の保険料が非常に高額なので見直す 」 ということですが、この改正の実施によって大変なことが起こります。 |
現行と改正(世帯別)年間保険料の比較 |
夫婦 ・子供2人の4人世帯 | 夫婦 ・子供1人の3人 | |||||
収入金額 (万円) |
現行 (円) |
改正後 (円) |
現行との比率 (%) |
現行 (円) |
改正後 (円) |
現行との比率 (%) |
100 | 87,660 | 87,660 | 100 | 69,480 | 69,480 | 100 |
200 | 140,256 | 212,466 | 151 | 126,708 | 183,378 | 146 |
250 | 155,796 | 241,516 | 156 | 154,500 | 240,220 | 155 |
300 | 190,860 | 305,630 | 159 | 154,500 | 269,270 | 173 |
350 | 190,860 | 334,680 | 175 | 203,340 | 298,320 | 147 |
400 | 235,260 | 367,050 | 156 | 279,264 | 330,690 | 119 |
500 | 390,660 | 433,450 | 112 | 434,664 | 397,090 | 91 |
600 | 520,000 | 499,850 | 95 | 520,000 | 463,490 | 89 |
夫婦2人世帯 | 単身世帯 | |||||
収入金額 (万円) |
現行 (円) |
改正後 (円) |
現行との比率 (%) |
現行 (円) |
改正後 (円) |
現行との比率 (%) |
100 | 51,300 | 51,300 | 100 | 68,532 | 52,992 | 77 |
200 | 118,140 | 203,860 | 147 | 196,332 | 138,450 | 70 |
250 | 118,140 | 203,860 | 174 | 264,264 | 167,500 | 63 |
300 | 179,412 | 232,910 | 130 | 332,640 | 196,550 | 59 |
350 | 247,788 | 261,960 | 106 | 400,572 | 225,600 | 56 |
400 | 323,712 | 294,330 | 91 | 476,052 | 257,970 | 54 |
500 | 479,112 | 360,720 | 75 | 520,000 | 324,370 | 63 |
600 | 520,000 | 427,130 | 82 | 520,000 | 390,770 | 75 |
国保保険料改定最大1.75倍 27%世帯が大幅値上げ |
≪無駄な公共事業を抑え一般会計からの投入増で保険料全体の減額を!≫ |
◆ | 従来の市県民税方式では扶養控除等がありますが、今度の所得方式では扶養控除等は関係なく保険料が算定されます。 その結果、一人世帯の保険料は減りますが、扶養家族のいる低所得多人数世帯の保険料は、大きくアップすることになります。(表を参照 ) |
◆ | 最も値上がりする世帯は、年収 350万円の夫婦と子供ニ人の4人家族で、なんと75%も保険料がアップします。可処分所得の少ないこれらの世帯にとって、このような値上げは、苛酷としか言いようがありません。年収 300〜400万円の4人以上世帯が、現在最も滞納率の高い層なのです。 |
◆ | もちろん一人世帯の一部は、保険料が年収の10%を超える等重い負担を負わされており、保険料の減額は必要です。しかし、一人世帯の保険料を下げるためと言って、多人数の低所得世帯にその保険料を押し付けるのはまったくひどい改定です。 今回の改定によって、被保険者 83,000世帯のうち値上げは約22,700世帯、値下げは約14,600世帯になります。 |
◆ | 改訂の背景として、保険料の収納率の低下とそれに伴う財政状況の悪化があげられます。 しかし、そもそも尼崎市の保険料は他都市に比べて高く設定されており、そのために滞納が多くなっているのです。 市長は、今回の保険料の算定方式を改定することで、滞納が減ると考えているのでしょうが、実際は保険料を払えない人が続出し、滞納が増える可能性が高いのではないでしょうか。そうなると国保制度の存続さえ危ぶまれます。 |
◆ | 国保問題の根本的な解決策として、むだな支出を削って一般会計からの投入を増やし、全体の保険料を減額して安定させるとともに、保険料にかなり開きのある国保、政府管掌の健康保険や組合健康保険等健康保険制度の一元化を進めるべきです。 なお、市長は、今回の提案に併せて、目先をごまかすための激変緩和措置として、来年度の1年間だけ保険料をアップ分を2分の1にすると言っています。 |
国保改正案への議員の態度 |
賛成した会派・議員 | 反対した会派・議員 |
新政会 ( 寺本議員等 ) | 共産党 ( 田村議員等 ) |
市民グリーンクラブ ( 小柳議員等 ) | 市民自治クラブ ( 酒井、丸尾 ) |
公明党 ( 仙波議員等 ) | |
清風会 ( 騰議員等 ) | 無所属 飯田議員、白井議員 |
多田議員、田之上議員 |
各市の’99年度国保保険料比較 (円) |
一世帯あたり | 一人あたり | |
尼崎市 | 166,963 | 87,415 |
西宮市 | 138,410 | 75,788 |
神戸市 | 129,247 | 71,349 |
宝塚市 | 135,840 | 70,035 |
伊丹市 | 151,899 | 78,336 |
遠回りして 「 乗り換え 」 口実にベルリンへ |
おかしいぞ 市議会ドイツ訪問団 ( オンブズ尼崎ニュースより ) |
市議会代表団7名、随行職員2名、通訳1名が、昨年10月6日から5泊6日の日程で、姉妹都市提携40周年にあたり、アウクスブルク市を訪問した。 費用は1人あたり約45万円で、総額約451万円にもなる。訪問団の公式行事としては、アウクスブルク市議会の傍聴、大学生との交流会、市内視察を行ったようである。 一行はアウクスブルク市訪問後、最寄りのミュンヘン空港からトランジット (乗り換え) のため、ベルリン空港に行き、そこで一泊。ベルリンではブランデルブルク門や壁博物館を観光。翌日、ベルリン空港からフランクフルト空港へ行き、フランクフルト空港から日本に帰国した。 |
【問題点】 |
1. | 口実を設けてベルリンへ立ち寄ったこと |
議会の会派代表者会においては、トランジット
(乗り換え ) のためベルリンで宿泊との説明があったしかし、「乗り換えのため
」 にドイツのフランクフルト空港から、遠く離れたベルリン空港に行く必要は全くなかった。 アウクスブルク市の最寄り空港であるミュンヘンからベルリンへは北へ500kmほど離れている。他方、ミュンヘンからフランクフルトへは毎日20便ほどの飛行機が出ているし、鉄道での移動も可能。 ミュンヘンからフランクフルトへは、直接にしかも短時間で行けるのである。 「乗り換えのため 」 ベルリンに行くというのは明らかに口実でありウソ。 |
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2. | 議員7名がぞろぞろと行く必要なし |
財政状況の厳しい中、たとえ友好訪問としても、議員7名がアウクスブルク市に行く必要はなかった議長と副議長だけで十分である。 この人達は市の苦しい台所事情を理解していないのだろうか。 |
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3. | 旅費とは別に支度金を受け取っている |
敗戦後の物の乏しい時代に、海外旅行の準備でいろいろと支出がかさむため、支度金制度ができた。ところが、現在では海外旅行も一般的になり、海外視察の準備のための大きな出費が必要なくなっている。すなわち、制度として支度金を支給する意味がなくなったのである。けれども、尼崎市はこの制度を存続させている。お手盛りとしかいいようのない制度である。 今回の訪問でも、参加した7議員はひとりに53,900円もの支度金を受け取っている。 |
以上の内容については、市民オンブズ尼崎、市民自治クラブ等が、出発前に問題点の改善を議長に申し入れたがいずれも聞き入れられなかった。 |
独訪問団参加者氏名 |
議 長 | 中川 日出和 |
副議長 | 塩見 幸 治 |
議 員 | 高岡 一 郎 |
〃 | 小柳 久 嗣 |
〃 | 北 和 子 |
〃 | 仙波 幸 雄 |
〃 | 下地 光 次 |
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