第29号(1999年8月)





予防接種の副作用で死亡例
当局は効き目と危険のデータを公表せよ≫
接種は市民自身の判断が大切
予防接種は、国民の命を守ってきたのですが、一方で副反応 (副作用 ) により多くの人の命と健康を奪ってきました。このような事実を、そして予防接種の有効性や危険性を、私たち市民はどれだけ知らされているでしょうか。
厚生省と尼崎市当局は、このような大事な情報を、市民にあまり提供をしていません。
私たちは、行政によって意図的に「予防接種は、副反応の影響は小さく、接種すれば一生その病気にはかからない 」 と思い込まされていないでしょうか。
実際には、予防接種は必ずしも100%の効果は期待できません。50%の人しか免疫がつかないワクチンもありますし、免疫がついても 2〜3年で免疫効果がなくなる場合もあります。
さらに予防接種は、時に重大な副反応が起こり、重度の障害を残したり、死亡することもあります。
親が子供の健康を願って受けた予防接種のために、かえって子供の命を奪ってしまったという悲しい出来事が、現在でも起こっています。
もちろん多くの予防接種は一定の効果があり、一部を除いて継続することは必要ですが、その前提として、行政はそれぞれの予防接種の有効性、リスクをしっかりと市民に情報提供し、市民の主体的判断によって、予防接種を受けるかどうかの選択ができるようにしなければなりません。
市当局が、予防接種に関して、市民への正確な情報提供を進めるよう皆さんも声を上げて下さい。


予防接種による健康被害認定者数
給付の種類 予防接種の種類と認定者数(人)
種痘 DPT ポリオ 麻疹 MMR 日本脳炎 インフルエンザ BCG 風疹 その他 合計
医療費 ・医療手当て 42 115 21 72 1059 72 93 141 25 29 1669
障害児養育年金 - 1 20 10 3 6 1 - - 0 41
障害年金 206 29 73 6 - 14 21 1 - 31 381
死亡一時金・葬祭料 26 13 4 10 3 3 15     6 80
合   計 274 158 118 98 1065 95 130 142 25 66 2171
注 :認定者数は予防接種法等に基づき1997年末までに認定された該当者数
資料 :厚生省保険医療局調べ ( 国民衛生の動向1998年度より )




尼崎市公共工事入札
高額の落札で市民の負担増
何回入札しても同じ業者が
今年の3月議会で、丸尾牧は1億5千万円以上の工事の落札率 (入札予定価格に対する落札価格の割合 )が95.8%と極めて高い値であると指摘しました。
オンブズマンの弁護士は、「刑事記録を見ても、落札率90%以上の入札は談合と見るべき 」 と述べています。
今回、市全体の工事を調べてみました。水道事業24件の平均落札率は94.55%。
仮にこの水道事業の平均落札率が80%であれば、2億2700万円の節約ができます。現在この高い工事費用が市民の水道料金に上乗せされているのです。尼崎市行政はそれを黙認しています。
今回調べた全工事68件の入札における平均落札率は92.84%。これもオンブズマンの弁護士の見解から見ると、競争が働いておらず問題のある数字です。
また、一回で入札が成立せず複数回にわたり入札を実施した工事契約が26件ありますが、そのうちの24件については常に同業者が最低価格を提示しています。これは、一般的に談合の状況証拠のひとつと言われています。
このような問題を解決し市民に損害がないようにするためには、早急に談合を防止し、入札において価格競争が行われるよう制度改革が必要です。
例えば、表にあるように一般競争入札の対象工事金額を他都市並に下げることで競争が働く範囲が増えます。
あるいは国に導入を促されている低入札価格調査制度を導入することで、改善できます。
しかし、宮田市長はこのような入札制度の改革をしようとしません。これでは市の登録業者から山ほど献金をもらっているのではないかと疑われてもしかたがありません。宮田市長 ・入札制度の担当課である調度課に抗議の声を突き付けましょう。
                      ( 調度課:TEL. 06-6489-6236 )



工事別公共工事平均落札率
( 水道事業98年1〜12月、その他 97・98年度 2千万円以上工事 )
工事区分 件数 落札率99%台件数 平均落札率
 水道事業 24件 5件 94.55%
 下水道改良事業 10件 2件 91.94%
 公園等整備 16件 2件 96.70%
 道路橋梁工事 12件 1件 86.28%
 築地区画整理 6件 0件 90.34%
合  計 68件 10件 92.84%


一般競争入札の対象となる工事金額
  建築工事 土木工事
尼崎市  10億円以上  10億円以上
宝塚市  8億円以上   5億円以上
伊丹市  5億円以上   3億円以上
芦屋市  5億円以上   5億円以上
川西市  500万円以上  500万円以上
 6億5千万円以上  6億5千万円以上




ファミリーへの住宅支援( 問い合わせ:住宅政策課  TEL. 06-6489-6609 )
 市内に1年以上居住しているファミリー世帯が99年4月1日以降に56?未満の住宅から56?以上の民間住宅に住み替えた場合に、月額2万円限度に5年間家賃の一部を助成。
またファミリー世帯が99年4月1日以降に、金融機関などと住宅ローン契約を結び、市内で自ら住む56?以上で検査済証が交付された持ち家を建設したか購入した場合に、年額15万円を限度に5年間利子一部を補助。




乳幼児医療費 五歳児まで助成拡大
 今まで3歳未満の乳幼児(所得制限あり)までしか医療費の助成をしていませんでしたが、今議会の改正で3〜5歳児の入院医療費が助成されることが決まりました。
  1. 対象は3歳の誕生日の翌月1日〜6歳の誕生月の末日までの幼児。
  2. 保護者等の所得制限361万円未満 ( 扶養者1人につき38万円加算 )
  3. 市内に住所があり、何らかの健康保険の被扶養者
       ( 問い合わせ :福祉医療課  TEL. 06-6489-6359 )


介護保険認定審査会  定数決める条例可決
 来年4月からの介護保険実施にあたり、介護認定を先行実施しなければなりません。その作業は今年の10月から始まります。その認定審査会の委員定数を90人と決めることで制度上の認定審査会の実施が可能になりました。
いよいよ介護保険の認定作業が始まります。しかし、介護を利用しようとする人一人あたりの審査時間は3分20秒〜4分程で、これで本当に適切な介護認定審査ができるのか極めて疑問です。
今後の制度の立ち上がりを、注視していきましょう。


いま政治に見る悪夢 [丸裸にされた市民が戦争への道を歩む]
やさしく人柄の良さそうな小渕首相。彼は自民・自由・公明の3党を見事に束ねて悪法をつぎつぎに成立させようとしています。
国民は盗聴法と国民総背番号法で丸裸にされます。国旗国歌法で偏狭な忠君愛国の古い衣を着せられます。
日米戦争協力法が成立した今、日本国中が戦争に巻き込まれる恐れが出て来ました。人々の死をネタにして金儲けをたくらむ輩はいつの世にもいるものです。
創価学会に支えられた公明党は、いまや政治のキャスチングボードを握って 「何事も我が思いのままだ 」 と自民党からの権力の分譲と引き換えに、立党のテーゼである平和・環境・福祉を捨て去るかのようです。目を覚まして欲しいのです。
世間とお上に任せずに、私たち市民ひとり一人が発言し行動を起こしましょう。


尼崎市の水道水  環境ホルモン検出せず
 九州・四国地方の13生協で作るグリーンコープ事業連合が、水道水を調査した結果、ビスフェノールAという環境ホルモンが検出されました。
尼崎市でも水道管のエポキシ樹脂や塩ビ管からビスフェノールAが溶出している可能性もあるので、丸尾牧は、水道局に調査を求め、この度その結果がでました。
 市内全域10ヵ所の調査結果は、いずれも 「ビスフェノールは検出せず 」 でした。正直ほっとしましたが、安心はできません。
今後は、ビスフェノールAだけではなくノニルフェノール等の環境ホルモンについても、定期的に調査する必要があります。





有機野菜を使ったお料理を【人参スープ】日焼け解消に効果あり(M.Tさん)
日焼け解消に効果のあるカロチンたっぷりのスープ。ニンジン嫌いの子供さんにも大丈夫!
沢山作って冷凍保存しておくと便利です
【材 料】 人参 …1本   玉葱 …1個    ベーコン … 3〜4枚   ごはん …大さじ2  コンソメ … 2個
水 …1500cc  牛乳 …100cc  バター …10g      塩・こしょう …適宜
【作り方】 @ 人参、玉葱、ベーコンは7mm位に切る。
A 大きめの鍋に水、@の材料、コンソメ、ごはん(とろみをつける為)を入れ柔らかくなるまで煮る。
B 鍋から具のみ取り出し、フードプロセッサーにかける、または粗網でこす。残り煮汁も網でこして おく ( ごはん粒が残らない為 )
C 煮汁にフードプロセッサーにかけたものを戻し牛乳、バター、塩、コショウで味をととのえる。




各予防接種有効性 ・ 安全性一覧表
  症状、感染状況等 予防接種の現状 有効性・必要性 副反応(副作用)
麻 疹
はしか
普通は免疫ができて全快するが、ときに肺炎、中耳炎、気管支炎、脳炎等の合併症を併発することがある。麻疹脳炎は千人〜3千人に1人。
1994年届け出患者数は1768人。多くの人は届け出をしていないよう。死亡は85年36人。94年11人。
生後12ヵ月〜90ヵ月未満の間に接種。
弱毒生ワクチン。
新三種混合ワクチンMMRとして接種をしていたが、予防接種被害者が多く、4年で中止。
98年度尼崎市での接種率78%。
有効性は高い。但し、5%位は免疫がつかない場合がある。また、2〜3年で効果が乏しくなることも少なくない。体の弱い子は副反応に十分注意しながら受けた方が良いかも。元気な子は本物のはしかに羅り、終生免疫をつけるという方法も。 発熱は5人に1人位。38.5℃以上の高熱は7人に1人。発疹10人に1人。局所反応17人に1人。じんましん25人に1人。熱性けいれん200〜300人に1人。脳症や脳脊髄膜炎100〜150万人に1人。97年度厚生省副反応報告では意識混濁、急性脳症各1例報告。死亡は1ページを参照。
BCG
結 核
結核新規発病者は1951年59万人から95年の約43,000人になり、死亡率も大幅に減ったが、特に乳幼児の結核が減らないのが問題。1994年の14歳以下の新規発病者は377人。乳幼児の感染は家庭での感染がほとんどなので、家族の健康管理が重要。乳児が結核に感染すれば症状は重くなる。死亡は85年4692人。94年3178人。 95年時点で米、英、独等13カ国実施せず。韓国等23カ国は新生児期の接種のみ。中国、ロシア等30カ国は新生児期と再接種。日本のように新生児期、再接種(小学生)、再々接種(中学生)はほとんどない。98年度尼崎市での接種率幼児期97.8%。 最近の報告では結核への有効性は51%という報告がある。WHOでの調査では0〜80%とかなりの幅がある。別の報告では結核性髄膜炎は64%全身播種型結核は78%の効果。但し、小中学校での再接種は効果がほとんどないよう。予防接種を受ける選択もあるが家庭内感染が多い現状を考えると家族が注意すれば感染予防可。 97年度予防接種後健康状況調査では接種者の2.6%に異常。局所の湿潤1.8%リンパ節腫脹0.8%。同年副反応報告書では、報告件数は80件、うち皮膚結核様病変2件、全身性BCG感染症1件。日本消費者連盟冊子では、わきの下のリンパ節腫れ1〜2%、骨髄炎百万人に2〜3人、全身性BCG感染症及び死亡1千万人に2人と報告されている。
日本脳炎 日本脳炎ウイルスにより感染、発病するのは感染者の0.05%。感染経路はコガタアカイエカという蚊が媒介。発病すると対症療法しかなく、死亡率10〜20%、後遺症50%。患者は九州をはじめ関西以南に集中。患者、死者ともほとんどが高齢者。 1期は生後6月から90月の間に1〜4週間の間隔で2回。1期2回終了後1年おいて、追加1回。以後小学生、中学生時各1回。98年度尼崎市接種率初回57.1%、追加72.7%、2期36.5%、3期8.3%。 予防接種を受けていない人の抗体陽性率9歳以下40%以上、15歳以上60%以上、60歳以上80〜90%。効果は81%(台湾での野外実験)といわれている。免疫持続期間は3〜4年。子供の日本脳炎は、この10年間に1〜2人。必要性に疑問が残る。 97年予防接種後健康状況調査では、健康異常発生者は平均26.9%。2〜3歳はやや多い。局所反応20%、発熱8.1%、38.5℃以上4.9%、じんましん9件、発疹12件。97年度副反応報告書では、脳炎・脳症3件、痙攣3件、その他神経障害2件の報告。死亡1件。
DPT
3種混合ワクチン(ジフテリア、百日咳、破傷風)
94年ジフテリア患者1人、百日咳145人、破傷風44人。死亡は94年ジフテリア0人、百日咳3人、破傷風11人。ジフテリアは最近では死亡者もなく、患者数も激減。百日咳は、咳がひどく重症化すると肺炎や脳症等の合併症が起こる場合がある。破傷風は、ドブや水田の泥の中等でケガをした時に感染する。死亡率は高い。死亡率25〜50%ともいわれている。 T期として3回。その後半年以上たってから追加接種を1回。U期として二種混合DTを1回。
スウェーデンで、現在の日本製ワクチンの臨床実験が行われた。しかし、半年以内に4人に神経系の合併症が出、死亡したことで、スウェーデンでは採用されず。ワクチンで感染は54〜69%発症は80〜90%防げるというデータあり。DPT接種に賛成の医師の中には、T期3回受ける必要はなくT期2回とT期追加で十分だという意見もある。98年度尼崎市での初回接種率84.2%。
ジフテリアワクチンは効果が高く数年効果がもつよう。外国の流行地に行く以外は必要性は低い。予防接種の見直しが必要。ワクチンをしないで百日咳に罹るのは乳児の4〜5%(スウェーデン例)患者は1歳7ヵ月以下が7割強。重症化は、0〜5ヵ月の乳児が最も高率。2歳を過ぎた子供の重症化は極めて少ない。呼吸器系の弱い乳児に限り接種した方が良いとの医師もいる。2歳以上の子供への一律接種は疑問。破傷風ワクチンは、効果が高く副反応が少ないので単味で受けた方がよい。 ジフテリアワクチンは比較的副反応が、少ない。百日咳ワクチンは予防接種で副反応の多いワクチン。破傷風ワクチンは副反応が少ない方。単独で受けるようにしたい。DPTの97年度健康状況調査(T期1回目)では、接種者の約45%に何らかの症状発生。37.5℃以上の発熱15%、38.5℃以上の高熱約10%。局所反応22.6%。嘔吐3.1%。下痢8.5%。鼻水20.1%。1期3回目では痙攣が1人。97年度副反応報告書のDPT、DTの副反応報告では、接種局所の異常124件、入院12件、痙攣15件。アナフィラキシー8件。髄膜炎2件。内1件(DT)死亡。96年末までの健康被害認定158人。
ポリオ 発病率の低い病気で、感染の90〜95%は症状の出ない不顕性感染。感染した100人中5〜10人がカゼ様症状を示す。麻痺の発生率は感染者千〜2千人に1人の割合。この10年間の年間患者数は0〜3人程。10年間合計で7人。この7人中6人は生ワクチンウイルスに由来する感染といわれている。 生後3〜48カ月の間に4週以上の間隔をあけて2回。
98年度尼崎市での接種率は94.5%。
ポリオワクチンは口から投与するので、抜歯後等の他、口内に傷のあるときはワクチン投与は避けるべき。
有効性は高く、免疫持続期間は約10年と言われている。2回のポリオワクチン投与で、1、2型95%、3型85%の血清抗体が上昇するといわれている。アジア、アフリカ等では患者の発生が多く、病気の流入を考えると予防接種は必要だといわれている。流行を防ぐには60%の子供の接種が必要なよう。 97年予防接種後健康状況調査では、ポリオ1回目で何らかの健康異常を示したのは24.5%。発熱は13.5%、38.5℃以上は7.4%、嘔吐5.2%、下痢14.4%。2回目で痙攣1人。97年度副反応報告書では麻痺様の症例3件、顔面蒼白、じんましん等のアレルギー反応8件、死亡例1件が報告されている96年度末までの予防接種健康被害認定によると死亡一時金等給付者は3人。
アナフィラキシ:アレルギーの一種。急激なショック症状を発し、場合によっては死に至る。
不顕性感染:病気に感染したのに症状が出ないこと。知らないうちに免疫ができています。
なお、風疹についても上記の表のような形でまとめた資料があります。必要な方は、暮らしのネットワーク尼崎までご連絡下さい。



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