第27号(2001年5月)







旧態のまま尼崎市議会
<市民の税金=調査研究費を隠す議員たち>
--- 支出台帳・領収書の公開陳情を不採択 ---
尼崎市議会には会派に対して、一人当たり1月15万円の調査・研究のための費用が、議員報酬とは別に支給されています。
今議会に、市民からその公開を求める陳情が出されました。
しかし、この問題を議論した議会運営委員会では、「公開すると使い方に縛りがかかる」「公開すると混乱を招く」「10万人の署名が集まれば考える」というような否定的な意見が多数を占め、この陳情は不採択とされました。
他都市の状況を見ると、まだ公開している自治体は少ないのですが、茅ケ崎市や逗子市では領収書が公開されていますし、那覇市では審査会が領収書の公開をするよう答申を出しています。
この調査研究費は、そもそも市民の税金から支出されているのですから、その支出内容・金額が適切かどうか、市民の理解を得る必要があります。そのために市民に公開するのは社会常識からしても当然です。
その当然のことを、多くの議員は「する必要がない」と言っているのです。カラ出張事件の反省が全く感じられません。
尼崎市議会には、新人議員を含め古い閉鎖的な体質の議員が、まだ多数いるようです。


調査研究費の陳情の採決で
公開すべきとした会派・議員 非公開にすべきとした会派・議員
共 産 党 新 政 会
清 風 会 市民グリーンクラブ
市民自治クラブ 公 明 党
飯田  浩 多田  敏治
白井  文 田ノ上 鉄男





全国市民派・環境派議員がスクラム
--- 虹と緑の五百人リスト ---
尼崎リスト北中敏雄(県会)酒井一(市会)白井文(市会)丸尾牧(市会)
 政官財の癒着構造の根は深く、市民には政治的な選択肢がありません。福祉、環境、教育などの分野で政治の貧困が目立ちます。私達は、このような政治を地方から変えようとしています。
 各地において、住民投票や市民オンブズなどの動きや、フェミニズム、環境保護、教育、人権、平和等で自立した市民の動きがあります。
また、それらの動きと結び付きながら各地で育っている個性豊かな活動を展開している議員がいます。
 私達は、その自立した議員と、自ら行動する市民が協働し、活発な議論と民主的な手続きを通じ、地方自治体を直接運営することで新しい政治をつくることができると考えています。
 私達はそのために99年統一地方選挙にこの政治改革を共有できる議員等のリスト「虹と緑の500人リスト」を掲げます。



私達のスタイルは
政党や利益集団の拘束をうけず、自らの責任で判断します。
利権を拒否し、自治体行政のチェック・条例・政策作りの担い手としての責任を自覚し行動します。
自治体の範囲に縛られず、全国的・国際的に連携して活動します。
住民自治・市民参加の確立のために、市民への情報の提供に努め市民と共に考え行動します。
市民と議員のパートナーシップを打ち立てます。





コスモ工業団地 問題真相糾明を採りあげず 経済環境委員会
市議会委員会は、「真相糾明を求める陳情」を不採択としました。
疑惑を明らかにし、市民の損失を防ぐことが議員の役目なのに!


議員による口利き入居疑惑
このコスモ工業団地は、公害防止事業団が工業団地を作り、市がそれを譲り受けました。そして企業に5年間賃貸して、その後分譲するという契約を市当局と企業がしたものです。


入居社長の裁判での重要証言
コスモ工業団地に関する市当局と企業との裁判がいくつかあり、その内のひとつの裁判である大阪高裁の裁判資料から、入居企業社長の次のような証言が出てきました。
 社長「Aさん(市会議員)に相談し、そこに入れてもらえるように段取りしてもらった」。
「尼崎市と市会議員Aさんとの約束事で(コスモ工業団地に)入ることができたのだと思っている」。
その証言をもとに、「市民オンブズ尼崎」が、裁判で出てくるA議員の実名を陳情書の中に記載し事実関係と責任の所在を明らかにするよう求めていました。


疑惑をかばう議員のなれあい
委員会では、当該議員が「そういう事実はなかった」と反論しました。
現時点では、何ら事実関係が明らかになっていないので、事実の有無にかかわらず本人が否認するのは当然でしょう。
しかし、多くの議員が「本人がそういう事実はなかった言うてんねんから、何もなかったんや」「議員にそんな職務権限はない」など、当該議員を情緒的にかばうだけで、入居選定に関する事実関係を解明しようという議論はほとんどありません。


真相糾明を回避した議会
 そこで丸尾牧は、裁判で証言した企業の社長を参考人として呼ぶよう提案しました。
しかし他の議員から積極的に事実の解明を進める対案も出されぬまま、その提案は拒否され、陳情についても不採択とされました。
多くの議員がコスモ問題の入居選定問題の解明をするよりも、同僚議員をかばうことが大事だと判断したようです。


市財政の歴史的損失なのに
 このコスモ問題は、契約方法の問題、企業の入居選定の問題などを抱え、12億円から67億円もの莫大な市の損失が発生する可能性がある尼崎市の歴史で最も大きな市事業の失敗です。ここには詐欺などの犯罪の影さえうかがえます。


重大な関心で事実の解明を!
 この企業の入居選定の問題が解明されることで、コスモ問題の全容の一部が明らかになり、問題解決が早まると考えられます。それを、一議員の疑惑をうやむやにするために、この問題の事実関係を闇に葬ろうとする行為は許されません。
 このコスモ問題について市民の皆さんのさらなる関心、監視をお願い致します。
 なお、市民からもう一つ、議員の実名が記載されていないコスモ問題の真相究明を求める陳情が出ていますが、それは継続審議とされました。


経済環境委員会で「市民オンブズ尼崎」提出の陳情を
不採択にすべきとした議員 採択すべきとした議員
寺本 初巳 菅村 哲人
谷川 正秀
平山 丈夫 丸尾  牧
杉山 公克
荒木 伸子





安心して母乳を飲める社会に!
福井母乳育児相談室    代表 福井早智子(塚口本町)
ダイオキシンが母乳から検出!のショッキングなマスコミ報道が続き、子育て真っ最中のお母さん、これから妊娠・出産予定の方は、不安でパニックを起こされたのではと心配しています。実は私も、母乳か人工ミルクか選択の短絡的報道にショックを受けました。本来の報道は、母乳か人工ミルクかのせんたくではなく、まず母乳育児が安心してできなくなりつつある現代社会の問題点を明確にすべきです。そして、「人間は哺乳動物である」という原点をしっかり見据えて、人間にとって大切なほ乳行為を守るため、今すぐ私たちが何をすればよいかを提案する報道が多くならないと、安全な環境は戻ってきません。
ダイオキシン汚染は、この1〜2年に急にクローズアップされていますが、実は10年数年前から問題提起があったそうです。が、エイズ問題同様、行政は全く手を打つことなく、放置していたのです。ですから私も知らずに、ダイオキシン汚染の母乳を飲ませていたことになります。しかし、幸いにも母乳っ子は本当に強く、たくましく、丈夫に育っています。私は丈夫な母乳っ子を増やすため、18年間母乳育児に援助に励んできました。
全く母乳がでない、乳腺炎で切開寸前、扁平乳頭で全く吸えないなど、どんなケースでも母親の頑張りがあれば、断乳まで母乳育児が続けられるよう援助をしてきました。それも1人目、2人目…と付き合いが多く、上の子の成長ぶりもわかっています。18年間育てた子供たちが、心も体も健康で、素直に明るく育っている現実が、私の母乳育児論に確固たる自信と信念を与えてくれています。
母乳育児は免疫効果だけでなく母と子の絆を深め、母親としての成長も著しく、子供を見つめる力も養われています。情報に振り回され、本質を見極めにくい現代の子育てには欠かせないものです。
母乳は人工ミルクと違い、自分の母乳の質にある程度責任を持つことができます。その最たる例がアトピーっ子です。母親が、食べるもの、使うものなど暮らし方全般を改めることで母乳の内容が良くなり、子供のアトピー症状が改善しますし、とても丈夫に育ってくれます。もちろんこれは、アトピーっ子だけではなく、すべての子供にも言えることです。私は18年前からアトピーっ子の援助が多かったので、食生活を中心に生活全般、環境にも配慮する指導を行ってきました。
食品添加物・農薬をできるだけ少なく、野菜・海草を多く取り、油類や砂糖を控え、タンパク質も大豆や会や白身魚を中心に同じものを続けて食べない回転食を勧めてきました。合成洗剤と水の問題や、殺虫剤を中心に知らないで使っている家庭内農薬の問題など生活の見直しや紙オムツその他のプラスチック製品の問題など、便利な生活が環境汚染につながり、被害が自分たちにくることを話してきました。今、改めて、ダイオキシンから身を守る生活指導でもあったと実感しています。
私の属する桶谷式乳房管理法研讃会でもダイオキシンを減らすための運動に取り組んでいます。同時に、ダイオキシンプロジェクトチームも結成し、摂南大の宮田教授ほか、子供と母乳育児を大切に考えてくださる方々の協力を得て母乳栄養児と人工栄養児の健康比較調査実施のための準備をしているところです。母乳・人工にかかわりなく、どの子にもプラスになる色々なデータが出ればいいなと願いつつ…。




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