第27号(1999年2月)




--- 市築地事務所(職員わずか23人)の高額文具購入問題 ---

3ヶ年で1千万円の無駄遣い

<おまけにレターケース210個が消失?>
築地事務所で補助金消化のため、高額文具が大量に買われていた問題で、様々な疑惑が次々と出て来ました。
そのひとつは、昨年度だけではなく95・96年度から、高額ペンや大量の文具が買われていたことがわかりました。95・96年度の築地事務所の職員は15人、97年度は23人でしたが、なぜこの職場で、表のような大量の文具が必要だったのでしょうか。はたして、国の補助金の予算消化だけが目的だったのでしょうか。
この問題を調べていくと、新たな問題がでてきました。レターケースについて調べたところ、築地事務所ではこの3年間に、464ケースが購入されています。しかし、築地事務所や消耗品が保管されている倉庫等のレターケースの数を、丸尾牧が全てチェックしたところ、確認できたのは250ケースほどで、残りの210ケースほどは消えて無くなっているのです。
このことから考えられるのは、築地事務所で必要とする消耗品のために補助金がついたにもかかわらず、この築地事務所で購入されたはずのレターケースが、市の他部局で目的外に使用されているかまた、レターケースは実際に購入されておらず他の用途に費消されていた可能性もあるということです。


95・96・97年度  市築地事務所の文具購入状況一覧(抜粋)     金額:円
  95・96年度 97年度 3ヶ年度の合計
購入数 購入金額 購入数 購入金額 購入数 購入金額
 高級ペン 122 347,616 478 2,018,275 600 2,365,891
 レターケース 241 1,711,292 223 1,271,556 464 2,982,848
 ハサミ 256 260,507 328 387,786 584 648,293
 パンチ 132 541,411 146 622,200 278 1,163,611
 カッター 239 94,174 261 165,688 500 259,862
 ホッチキス 126 263,145 187 647,771 314 910,916
 電動字消し 47 118,890 121 365,617 168 484,507
 電卓 104 614,092 28 205,766 132 819,858
 カッティングマット 104 564,611 167 654,440 271 1,219,051
 ペーパーカッター 41 342,351 101 455,192 142 797,543
合計金額   4,858,089   6,794,291   11,652,380
注: 95・96年度は丸尾牧の調査のため実際の購入数、金額とは多少異なる可能性あり。
97年度は市の調査。高額ペンは95・96年度は定価1,500円以上で購入価格1,133円以上。
97年度は購入価格2,000円以上。


<市築地事務所の高額文具購入問題>
事実を明らかに、監査委員も改革を!
宮田市長はこの問題の全ての真相を早急に市民に明らかにすべきです。また再発防止策として、補助金が余った場合は、国・県へ返金するというあたり前のことを実施すべきです。
さらにカラ出張問題を含め、この高額消耗品の購入の問題さえ指摘できない監査委員の制度は、根本から見直さなければならないでしょう。
市職員OBと市議だけの監査委員では監査制度がほとんど機能しないのは必然だと思います。
今後は、民間人を監査委員として選任すべきです。
併せて、民間の弁護士や公認会計士に監査を依頼する外部監査の実施も検討すべきです。





<迫る介護保険の実施>
急いで!特養老人ホーム整備
 尼崎市は、福祉サービス量が全国的に見ても遅れていたのですが、介護保険の実施が目前に迫り、やっと福祉基盤が整いつつあります。
 しかし、まだ特別養護老人ホームの施設整備は遅れ、大勢の待機者が出ています。
98年11月1日現在で、656人が空きを待っている状況です。
 介護保険の保険料は強制的に徴収され、一方でサービスは受けられないという事態は絶対に避けなければなりません。
市当局は、特別養護老人ホームを一部市外で確保しようとしているようですが、臨海西部地区やJR尼崎北側の緑遊新都心計画地に用地はありそこに施設を建てることにすれば、最低でも2ヶ所を確保できることになります。
 市長は高齢者を地方に追いやるのではなく、地域で共に生きて行ける道をもっと探るべきだと思います。


福祉サービス整備の状況と見通し
  特別養護老人ホーム ショートスティ デイサービスセンター 在宅介護支援センター
 保健福祉計画目標値 905人 282人 22ヵ所 13ヵ所
 整 備 済 370人 77人 11ヵ所 7ヵ所
 整 備 中 50人 31人 4ヵ所 4ヵ所
 計 画 中 220人 40人 4ヵ所 2ヵ所
合  計 640人 148人 19ヵ所 13ヵ所
 計画達成見込度 71% 52% 86% 100%




あまがさきエコプラン完成
<環境保全に向けた市役所の率先実行計画>
取 組 項 目 数 値 目 標
 二酸化炭素排出量  10%以上削減
 廃棄物排出量  10%以上削減
 上水使用量  10%以上削減
 コピー用紙購入量  10%以上削減
 コピー用紙の古紙混入率※  80%以上とする
 低公害車の導入率  10%以上とする
 グリーン購入の実施率  100%とする
 熱帯木材の使用比率  コンクリート型枠で熱帯木材を使用しない比率を70%以上とする
計画期間は1998年から2001年までの4年間。
コピー用紙は、古紙配合率70%以上、白色度70%以下の用紙か非木材紙を使用。
※全てのコピー用紙の購入量に対する古紙の混入割合。


 尼崎市役所を、環境にやさしいエコオフィスにするための具体的な取り組みとして、エコプランが完成しました。この施策では、内部環境監査を初めとする環境マネジメントシステムが取り入れられており、効果的な環境への取り組みが期待できます。ただ、内部監査体制では監査システムとして十分に機能しないことも考えられますので、外部(市民)からチェックができる仕組みを作ることが必要だと思います。
 また、こうした取り組みを社会全般にどう広げていけるかが、環境問題を解決する鍵になるのでしょう。
私たちも環境保全のために出来るところから取り組んでいきましょう。





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