第24号(1998年5月)






尼崎市長の退職金
なぜこんなに高いのか!

4年で3,550万円

尼崎市長は今年の末で任期満了となり、退職金が支給されます。阪神間の各自治体市長の退職金を比較するために、この4月の任期満了で退職金が支給されると仮定して、試算してみました。
尼崎市は人口40〜50万人の自治体では、ダントツで給与が高かったのですが、議会の不正出張事件以来、その値上げは凍結され、西宮市に全国一番の迷誉(めいよ)は引き渡すことになりました。
しかし、退職金についてはなかなか市民に知らされないで議論にならないのか、阪神間ではいぜん最高額になっています。これには細工があり、退職金を求める係数が0.6と阪神間で最も高く設定されています。この係数の根拠は全く不明です。
市民感覚からすれば、たった4年の勤務で3500万円あまりの退職金をもらうというのは、到底納得できません。例えば、尼崎市職員が4年で退職した場合は、退職金は月給の4ヵ月分。それを市長の退職金に当てはめると金額は500万円ほど。これで十分ではないでしょうか。
市長・幹部職員は、自らの取り分はしっかり確保し、大型開発行為による借金のしわ寄せは全て市民に負担をおわせています。現在の行政運営はあまりにひどすぎるのではないでしょうか。

驚き市長の退職金
  退職金 月給 退職金計算式
尼崎市 約3554万円 123.4 0.60×月給×48ヵ月
西宮市 約2996万円 126.1 0.49×月給×48ヵ月
芦屋市 約3087万円 107.2 0.60×月給×48ヵ月
伊丹市 約2798万円 112.1 0.52×月給×48ヵ月
宝塚市 約2803万円 112.3 0.52×月給×48ヵ月
川西市 約2596万円 104.0 0.52×月給×48ヵ月



忘れないで! 震災被災者の状況

ケア付き仮設の恒久化を
仮設住宅総建設数 2,218戸
4月1日現在居住 1,050世帯

仮設住宅の人達は、つぎつぎ公営住宅等に移っていますが、まだ見通しの立たない人達もいます。その中で、特に心配なのが三反田、小田南のケア付き仮設住宅の人達です。
市行政は、将来この人たちは特別養護老人ホームへ移ると考えており、それまでの暫定的なケア体制について検討しているようです。しかし、施設ではなく、より在宅に近い形であるケア付き仮設は非常に評判も良く、これは何とか残したいものです。
神戸大学の学生たちも福祉の研究に訪れるなど、このケア付き共同居住型住宅が今後の高齢社会へ向けての福祉政策として、非常に優れたものと注目されています。
久々知公営住宅ではコレクティブハウジング(共同居住型住宅)を作ることが決まっており、そこにケア体制を整えるだけで、このケア付き共同居住型住宅の事業実施ができます。市長の決断で出来るのです。



地球温暖化対策に → 省エネ電球の導入を
環境に優しく、費用も安くなります

世界中で二酸化炭素(CO2)を現在の濃度に安定化させるためには、ただちに50〜70%のCO2の排出削減をしなければなりません。
尼崎市内で1994年度には151万1200トンのCO2が排出されています。尼崎市も、世界中の中では大きな都市であり、CO2の具体的な削減策を考える責任があります。その具体的な取り組みとして市行政が率先して出来ることの一つに、省エネインバーター電球の導入が上げられます。
省エネ電球は、明るさが同じとして、電力消費量は、従来の電球の約4分1、寿命は6〜8倍になります。ただ購入価格が高く、従来の約10倍になりますが、電気料金が減るため、寿命までの総費用は逆に安くなります。
予算特別委員会で、丸尾まきがこの件について質問したところ、市庁舎への省エネ電球の導入については当局から前向きの答弁がありました。現在は街路灯用の省エネ電球が市販されていないので、将来市販されれば前向きに対応するという答えでした。
下記の表をご覧ください。省エネ電球導入時の試算と、街路灯の明るさ(W数)を全て1ランク下げた場合の試算をしてみました。
丸尾家でも、この省エネ電球を5灯導入をしてみました。すると、一月あたりの電力使用量が約15%も下がり、かなりの効果を上げています。皆さんもこの省エネ電球を、ぜひ利用して下さい。大きな電器店には、ほぼ置いてあります。

省エネ電球等導入試算表
対策 導入場所 ワット数 電力消費削減量 削減割合 CO2削減量 年間節約費用
省エネ電球導入 市役所庁舎
(200灯)
40W→9W 約13,390kwh 市役所全体の0.46%減 約1600kg 約17万円減
省エネ電球導入 街路灯
(6563灯)
40W→13W
20W→13W
約407,000kwh 街路灯全体の5.5%減 約48,900kg 約250万円減
ワット数
1ランク減
街路灯
(21833灯)
400W→300W
300W→250W等
約110万kwh 街路灯全体の15.2% 約132,000kg 試算せず



ガイドヘルパーの拡大を
知的障害者、精神障害者へ

 新年度予算で、重度の知的障害者へのガイドヘルパーの制度が実施されることが決まりました。これは評価できますが、ヘルパーを必要とする一人で外出できない障害の軽い知的障害者や、精神障害者の人達もいます。
 そのような人達が社会参加できるようガイドヘルパー事業を拡大するべきです。伊丹市ではすでに、知的障害者の重度、中度それに精神障害者のガイドヘルパー制度が実施されています。







地球環境対策で本当のやる気を!  大西町  植木 久一

 NHK−TV「クローズアップ現代」で、「ISO-14001(国際環境基準)」の取得に挑戦する民間企業が紹介されていました。企業の社会的存在意義を明らかにすることが国際競争の中で生き残る為の最重要戦略の一つと位置付けられる大企業と、そういった大企業からの選別を受ける立場にある中小企業。動機は様々ですが、汚染物質の排出を減少させる為の検討、生産システムの改良や過剰品質の見直し等が職場の隅々まで徹底して追及・実行されていました。この規格は、一旦取れば後は安泰、というものではなく、これを維持する為には相当な継続的努力が必要な様です。
 番組では、行政体が「ISO14001」に無関心である中で、唯一新潟県上越市がその取得に挑戦している様子も紹介していました。市役所全体が組織的に取り組むことによって市職員の環境意識も改善され、環境保全という行政姿勢が生み出されていけば、市民や市内各企業にもその影響が波及するでしょう。尼崎市役所にも、看板やキャッチフレーズといった見掛けだけでない本当のヤル気を期待します!


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