第23号(1998年2月)






疑惑だらけのコスモ工業団地問題

デタラメな市当局
調査を公開し、責任を明らかに!

 コスモ工業団地の賃料の支払いを拒否している9社にたいして、これら企業の加入している組合が使用している会館の明け渡しなどを求める訴訟を起こすことが、12月議会で認められました。一方、市当局の責任は、明らかにされないままです。

不当に高い売渡し価格

 このコスモ工業団地は、公害防止事業団(現環境事業団)が土地造成と建物建設を行い、これを市当局が購入しました。
市当局は、企業にこの工業団地の土地建物を5年間賃貸し、その後企業が買い取る方式を採りました。

 問題のひとつは、この市当局から企業への売渡し価格が、不当に水増しされていたことです。
企業へ譲り渡す建物価格には消費税を2重に転嫁し、公共負担分を約束に違反して企業側へ押し付けるなど4億2千万円ほども高く設定していました。
その後、これとは別に、市当局が公共負担分の道路や緑地造成費など、2億9千万円を企業側に負担させていたことも明らかになっています。

公文書を紛失・偽造する

 工業団地の道路・緑地等の公共部分について、市当局が保有していなければならないはずの工事内訳書を 紛失しており、デタラメもいいところです。
さらに用地費と建物工事費については、公文書を偽造し、1億円もの価格操作をしていました。

土地には11億円上乗せ

 土地価格について、公害防止事業団から譲り受けた金額から、11億円余り上乗せした価格を企業に示して いました。
市当局は時価で計算したと言いますが、土地鑑定をしておらず、恣意的な金額設定であったことは否定できません。

不明朗な入居企業の選定

 コスモ工業団地の入居企業選定に際しては、2番目のランクの企業の一部が選定から落ち、3番目の企業 が選ばれました。
この企業選定について、複数の議員が関わり、お金も動いたとの黒い噂があります。
この間題についても、徹底的な真相糾明と責任追及が必要です。

報告書の公開が必要

 今回の議案は、市当局が企業及びその組合に、建物の明け渡しを求め る裁判を起すものです。
しかし、この事件について市当局が作成した報告書が明らかにされず、公文書偽造や不当な価格操作が行われたことについて、市当局の誰も責任をとっていない中で、この訴訟は到底認められるものではありません


新議員 資産公開 公開する人 しない人

議員の潔白を検証する

 政治倫理条例に基づいて、新議会の資産公開が行われました。しかし、これまでお知らせしているように、尼崎市は「自主公開型」の資産公開で、公開したい人が公開をし、したくない人は公開しなくてもいいという「骨抜き制度」になっています

非 公 開          公 開 
石本 晟
小田原 良雄
北村 保子
蔵本 八十八
黒川 治
谷川 正秀
高岡 一郎
寺本 初己
中川 日出和
波多 正文
宮野 勉
安田 勝
新政会  
中村 四郎
藤原 軍次
牧田 隆
米田 守之
市民
グリーンクラブ
北 和子
小柳 久嗣
塩見 幸治
中野 清嗣
平山 丈夫
  日本共産党
議員団
今西 恵子
菅村 哲仁
瀬井 幸則
高橋 藤樹
田村 征雄
早川 進
広瀬 早苗
松村 ヤス子
  公明 下地 光次
新本 三男
杉山 公克
仙波 幸雄
滝内 はる子
畠山 郁朗
真鍋 修司
安田 雄策
荒木 伸子
丸尾 孝一
丸岡 盛夫
清風会 騰 和美
竹原 利光
  市民自治クラブ 酒井 一
丸尾 まき
多田 敏冶 無所属 飯田 浩
白井 文
田之上 鉄男

 この資産公開の目的は、議員のお金の流れを明確にすることによって、企業からヤミ献金をもらった見返りに、その企業に便宜を図るというような癒着腐敗を未然に防止し、議員自らその潔白を明らかにするものです。
 公開しない議員の中には、市会議員は利権に関係ないという人もいるようですが、丸尾まきに対して「条件付で応援するぜ」と近寄ってきた建設業者もいましたし、以前に、贈収賄事件で捕まった市会議員もいます。
 今回の公開で残念だったのは、資産公開をしなかった新人議員がいることです。新政会の北村保子さん、蔵本八十八さん、黒川治さんです。また、丸尾孝一さんは、今まで公開をしていたにもかかわらず、一変して非公開としました。
 古参議員は論外ですが、これらの新人議員の態度が、市民の期待を裏切り、今後の改革の足を引っ張ることになるのではないでしょうか。残念!



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