第22号(1997年11月)






悪を正さぬ監査委員

機能せぬ監査制度の見直しを

5年前に市議会の不正出張の問題等、明らかに違法行為であるにもかかわらず、それを指摘・改善してこなかった尼崎市の監査制度は、あまり役に立っていないようです。
また、監査委員は官官接待の問題では、昨年度に厳しい裁判所の判決が出たにもかかわらず、それに見向きもせず、接待にお墨付きを与え、公費の無駄遣いを容認してきました。
現在の監査委員は市職員OBが2人、そして市会議員が2人、計4名で監査をしています。また、代表監査委員は元市職員。さらに、この監査委員を支える事務局スタッフは市の職員。
いわゆる身内で監査委員が、固められているだけではなく、2重3重にもバリアー(障壁)が設けられています。監査制度が十分に機能しないのも、無理はありません。もちろん、このままでいいはずはありません。

監査委員には誰がなるの
市名 委員数 監査委員の職業構成
代表監査委員 委 員 委 員 委 員
尼崎市 4 市職員OB 市職員OB 議  員 議  員
豊中市 4 公認会計士 弁 護 士 議  員 議  員
西宮市 4 市職員OB 公認会計士 議  員 議  員
大阪市 4 市職員OB 弁 護 士 議  員 議  員
明石市 4 市職員OB 公認会計士 議  員 議  員
堺市 4 市職員OB 公認会計士 議  員 議  員
八尾市 4 大阪市職員OB 公認会計士 議  員 議  員
川西市 3 市職員OB 公認会計士 議  員  
宝塚市 3 市職員OB 議  員 議  員  
芦屋市 2 弁 護 士 議  員    
伊丹市 2 市職員OB 議  員    
洲本市 2 税 理 士 議  員    

ではこの監査制度をどのように改善すれば、機能するのでしょう。今すぐにでもできる対策として、法で決められた市議会議員の監査委員を、1名残し、残りの3名は、民間の公認会計士、弁護士、そして公募市民を登用するべきです。
表に上げた自治体の中には尼崎市と違って、不十分ではありますが少しでも公正な監査にするよう外部の公認会計士、弁護士等を登用して、改善に努力しているところがあります。



尼崎市  疑惑のマトの水道メーター
なんと高い購入価格

東京都発注の水道メーターをめぐる談合で指名業者25社が、今年の2月に公正取引委員会から刑事告発されました。
その後の入札では、メーターの価格が、以前の3分の1にもなり、いかに業者が税金を食い物にしていたのかが分かります。
尼崎市での水道メーター契約方法は、市が価格を提示し、これに同調する業者と契約を結ぶ形をとっていましたが、好ましくないと判断したのでしょうか、指名競争入札(市が指名をした業者で競争入札をさせる)に改められました。

指名競争入札でかなりダウン

その結果、尼崎市でも入札価格はかなり下がっています。しかし、表にあげるように、他都市と比べると価格はまだ高い水準にあり、業者にとってはなお、うま味があると思われます。

尼崎市のメーター購入単価
  95年度
契約
96年度
契約
97年度
4/25契約 7/3契約
20mm口径 9,040 9,040 7,200 3,500
25mm口径 9,830 9,830 7,800  
40mm口径 23,330 23,330 20,600

他都市の口径20ミリ購入単価
  96年度 97年度
尼崎市 9,040 3,500
東京都 7,150 2,903
神奈川県 7,880 2,600
川崎市 8,900 2,990
四日市市 8,800 3,100
上野市 8,400 3,100
津市 8,400 3,100
菰野町 9,300 3,100

口径20ミリ以外の価格についても、発注個数の問題はあるのでしょうが、まだまだ下がり具合が少ないようです。この水道メーターの購入単価が平均で3割下がったとすれば、年間約3500万円ほどの節約になります。
今まで、適切な入札を行わず、その結果被った金銭的な負担を、市民の水道料金に上乗せしてきた市水道局には、しっかり反省をしてほしいと思います。
今後も、皆で水道メーターの価格推移を見守って行きましょう。

市民自治・環境・福祉のまちづくりを


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