第20号(1997年5月)






官官接待 またまた見直し

相手名非公開で8千円

昨年度予算案で一部見直しされた官官接待が、再び見直しされました。
その理由の一つは粘り強くこの問題を指弾する市民グループがいるということ。
もう一つは、大阪高裁で、相手先氏名等が非公開であれば、「一人あたりの予算は、6千円までしか認めない」という画期的な、 けれども市民感覚からは当然の判決が出たからでしょう。
しかし、宮田市長は、新年度予算案で、この高裁の判決を無視し、相手先氏名が非公開で、一人あたりが8千円の官官接待を予定しています。
非常にルーズな市行政の対応には、あきれて開いた口がふさがりません。
他都市では、神戸新聞の記事にあるように、かなり厳密な基準が作られています。
以前にも紹介しましたが西宮市では『昼1500円、夜3000円、アルコールは禁止』という規制が設けられています。
どうして尼崎市行政は、もっと迅速で厳しい対応ができないのでしょうか
ただ、全体としては、一般会計食料費総額では、前年度予算3117万円が新年度は2349万円 になり、768万円減額されました。

新年度予算官官接待見直し状況
  予算年度 参加予定者 一人あたり 事業総額
市政協議会
(尼火会)
96年度

97年度
35人

37人
5,000円

3,000円
175,000円

111,000円
創生尼崎の会 96年度

97年度
62人

62人
12,720円

8,000円
788,640円

496,000円


兵庫県と県内21市の食糧費予算額と懇談会の単価など
  97年度の
食糧費(万円)
対前年度比 一人当たりの単価の上限の有無など
兵庫県 24,500 (注1) 97年度から設定。「会食を伴うもの」として
特に重要な会議12,000円を最高に3段階
神戸市 (注2)   なし。ケースごとに相手や目的が異なるため。
ただし大阪高裁判決の6,000円が一つの目安
姫路市 (注2)   なし。社会通念上、逸脱しない範囲で実施
尼崎市 2,349 75% なし。目的や対象に応じて個々に判断
明石市 3,800 88% 基本的に6,000円
西宮市 4,081 81% 昼1,500円。夜3,000円(アルコールなし)
洲本市 1,826 71% 昼1,500円。夜の懇親会は10,000円
芦屋市 888 70% 昼1,500円。夜は原則的に禁止
伊丹市 1,137 89% 特別職出席7,500円。それ以外3,000円
相生市 769 69% 1,500円。飲食を伴う懇談は例外的なケースのみ
豊岡市 1,082 81% 1,000円。超える場合は事前に総務課長決裁
加古川市 1,965 77% 昼1,000円。飲食を伴う懇談はほとんどない
竜野市 1,583 87% なし。目安として4,000円以内
赤穂市 1,770 109%
(注3)
昼1,200円。飲食を伴う会議は今後、検討する
西脇市 688 96% 昼1,200円。夜3,500円
宝塚市 2,152 95% なし。飲食を伴う懇談は原則ない
三木市 1,544 87% 昼800円。飲食を伴う懇談はほとんどない
高砂市 1,431 95% なし。飲食を伴う懇談は原則ない
川西市 1,027 85% 昼1,000円。夜2,000円
小野市 652 87% 昼1,300円。飲食を伴う懇談はほとんどない
三田市 1,713 93% 昼1,500円。飲食を伴う懇談の上限はないが
2次会は一切認めず
加西市 1,248 93% 最も重要な懇談5,000円。
比較的重要な懇談2,000円など
(注1)前年度の額が分からないため算出できず
(注2)消耗品費、光熱費などとともに需要費として一括計上しているため把握できず
(注3)97年度は忠臣蔵サミットの開催など特別な支出要因があるためアップ



民主主義の門を開け易くして
情報公開を妨げる尼崎市行政

 尼崎市では、市民が情報公開を求める場合には、閲覧手数料を取られます。
これは、情報公開を妨げようという市行政側の意識が働いているのではないでしょうか。
そういう意識がないとしても、事実上、この手数料が公開の大きな壁になっていることは間違いありません。
読売新聞の記事によれば、9割の都道府県、8割の市町村で、閲覧手数料が無料のようです。
 また、尼崎市のコピー料が、20円というのも高すぎます。民間の商売でさえも、10円コピーが主流であり、当然、尼崎 市でも10円にできるものと思われます。
 宝塚市、芦屋市、加古川市では、閲覧手数料無料、コピー料10円を実施しています。
 ただちに、宮田市長は制度の見直しをするべきです。



「市民オンブズマン兵庫」が発足
官官接待の廃止に向かって

 昨年の11月24日、「市民オンブズマン兵庫」が発足集会を開きました。
丸尾まきも、世話人として市民オンブズマンに参加し、当日は「尼崎市議会その後」と題して、尼崎市議会の実情を報告しました。
 「市民オンブズマン兵庫」としての大規模な活動としては、7千人以上の県民の協力のもと、兵庫県の官官接待を廃止するよう、税金の返還を求めて監査請求を行いました。
 阪神間の自治体行政は、さまざまな事務作業を統一して実施する場合があり、尼崎市という枠の中だけの運動では、税金の無駄遣いを一掃していくことが、難しい部分があります。
そこで、私たちの今後の活動として、他の自治体の仲間と連携し、広域での活動にも積極的に取り組んでいきたいと思います。
 市民の皆さんのご協力をお願い致します。



終わりに 想いを込めて

4年前、私が市議会議員に当選してから、市民のみなさんに、ありのままの議会・行政の情報を伝えるため、「ほうれん草通信」の発行を始めました。
全国的な問題となった「尼崎不正出張事件」には、当時の全議員が関わっていました。この不正出張が起こった大きな原因の一つが 市民に対して情報が伝えられなかったことだと考えたからです。
今号をいれると、通巻20号、約50万部に達しました。
議会情報誌としては、不十分な点はたくさんありますが、今までこういう性格のニュースが、ほとんどなかったということを考えると、一定の役割は果たせたのではないでしょうか。
ただ、思い返しますと、情報を市民のみなさんに伝えたうえで、政策を含め課題・問題を一緒に考えるということが十分にできたのか、疑問に思うところもあります。
そういう反省を含め、今後の活動として、行政への働きかけはもちろんのこと、勉強会を開いたり、政策的な議論をする場を含め、市民がつくるまちづくりの為に、有効な方法を考えていきたいと思います。
まちづくりは、政治家や官僚が決めるものではなく、そこに住む市民が決めるものです。 そのための媒体として『ほうれん草通信』を今後とも利用していただければと思います。
ただ、この6月に市議会議員の選挙がありますので、今後の『ほうれん草通信』の発行は、すべて、読者である尼崎市民のみなさんの判断に委ねることになります。
長い間ご購読いただき、本当にありがとうございました!
  尼崎市議会議員 丸尾 まき

ほうれん草通信は再生紙を使用しています


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