飼育ヒント
今までお客様からご相談頂いたことなどを基にお伝えしていきます。
このページは、皆様のご相談により、充実していくと思います。
お気軽にご相談ください。
また、皆様のスキルアップのお手伝いができれば幸いです。
[ 変化の始まりの罠 ] 2016.6.8
お客様からよく耳にするのが、「 ちょっと前は調子良かったのに・・・ 」というフレーズ。
詳しく伺うと、「 何となくポリプの開きが悪くなったと感じたら、回復水換えをしているのに、
いくつかダメになる個体がある 」とのことでした。
そこで1つ伺いました。「 珊瑚の良い状態のピークまで確認しましたか? 」
すると大半のお客様は、調子が上がったことまでは確認したが、ピーク(MAX)までは
確認出来ていないとのことでした。
さらにもう1つ伺いまいた。「 珊瑚が調子いい時は何をしますか? 」
すると大半のお客様は、調子良いから見守っている(何もしない)とのことでした。
だんだん、見えてきましたよね。
変化の始まりの罠の訳が・・・
ガイドブック(10years Coralへの道)では、珊瑚の良い状態のピーク(MAX)をミネラルバランス率を100%と、
仮定して、回復水換えを行うようにご説明しています。
ご相談を受けたお客様のほとんどの方は、ミネラルバランス率が不明のまま回復水換えを行っているようです。
ミネラルバランス率が50%でも70%でも100%でも、観察していると、ポリプの開きが悪くなる時(変化の始まり)を
捉えることができます。
ここで回復水換えを行えば、一時的に状態は全体的に上がります。
しかし、珊瑚によっては、ミネラルバランス率が50%や70%では、長期飼育においてデッドゾーンであるものがあり、
それらが、ダメになってしまう個体であるのではないかと推測されます。
まずミネラルバランス率を100%に一旦してから、回復水換えが長期飼育のコツです。
ミネラルバランス率100% =(イコール)
珊瑚の良い状態のピーク(MAX)と捉えても差し支えありません。
回復水換えを連続で行うことでミネラルバランス率100%を達成できますが、別の方法をご紹介します。
珊瑚が調子いい時は、ミネラルもかなり消費しているときですから、調子が悪くなる変化の始まりを捉えるのでは無く、
ある一定の期間(1〜3ヶ月位)、ミネラルバランス率100%回復月間(期間)として、
「 調子いいな 」と感じたら、通常水換えを行ってみてください。
こうすることで、珊瑚の良い状態のピーク(MAX)が、観察できます。
この状態を観察、実感できてから、調子が悪くなる変化の始まりを捉え、
回復水換えを行うことで、長期飼育できるようになって行きます。
[ 水流のお話し ] 2016.4.19
お客様からよく、「 水流は強い方がいいの? 」と、ご質問を受けます。
何事も、目的を明確化させると、答えが見えてきます。
水流の目的は大きく分けると2つあります。
1つは、ベルリンシステムを含め、ナチュラルシステムでは、ライブロックとライブサンドの
表面の好気バクテリアに十分酸素を含んだ水流を与えることです。
簡単に言えば、水槽内の淀みをなくすことです。
ただ、ライブロックやライブサンドに強い水流を当てると、好気バクテリア過多となってしまい、
その部分が硝酸塩工場となり、硝酸塩が検出されてしまうほど、硝酸塩が増えてしまいます。
1つ目の目的としては、淀みをなくすことですから、水槽内のどの場所にも、特にライブロックの奥の方と、
ライブサンドにゆったりとした(水が動いていればOK)水流を与えることです。
餌もあげていないのに硝酸塩が検出される方は、ライブロック等に強い水流が当たっていないか
チェックしてみるといいと思います。
2つ目の目的は、デトリタス(塵)をテーブルサンゴの股などに沈殿・蓄積させないことです。
テーブルサンゴの根本(股部分)にデトリタスが沈殿すると、光も遮られ、呼吸も出来なくなり、
その部分がダメになってしまします。
かと言って、テーブルサンゴに水流を直接当ててしまうと、その水流をもろに受けた部分が
ダメになってしまいます。これは水流に乗って、細かな塵が連続で珊瑚を傷つけてしまっているからです。
そこでこの目的の為に、巻き込み渦を利用することをお勧めします。

簡単に言うと、デトリタス(塵)の溜まりやすいテーブルサンゴの上に水流を流してやるということです。
そうすれば巻き込み渦でデトリタスは流されます。
もしレイアウト変更をされたなら、水流の見直しも必要であるということです。
私自身の経験から、何事も 「 目的を明確に! 」
これがその後の対処や答えを導き出すことの鉄則だと感じています。
ご参考になれば幸いです。
[ CaリアクタとpHコントローラー ] 2016.4.8
CaリアクタとpHコントローラーを組み合わせるとどんなメリットがあるのか?
こんな質問を頂きましたので、説明します。
まず、Caリアクタだけで、KHをコントロールする場合、下記にも書いてありますが、
Co2の供給量の調整 =(イコール) KHのコントロールとなります。
一定時間(1〜10秒程度の範囲)に、Co2を何バブル供給するかを調整します。
とてもアナログな調整方法です。
これに対して、pHコントローラーで、Caリアクタの内部のpHを調整する場合、
設定値をpH6.5とか6.2など、簡単にpHの調整が出来ます。
原理は、まずCo2の供給をCaリアクタ内部のpHをしっかり下げられる量に適当に調整しておきます。
あとはpHコントローラーが、Caリアクタ内部のpHが目標値になったら、
Co2電磁バルブを締め、Co2の供給を止めます。
pHが上がりだしたらCo2電磁バルブを開きCo2の供給を再開します。
Co2は酸性ガスなので、アルカリ性の海水に溶け込ますことで、海水のpHを酸性にすることができます。
このCo2の供給と停止を、Caリアクタ内のpHをモニタリングして、pHコントローラーが
目標pHになるよう、自動的にCo2の供給/停止を調整します。
Caリアクタ内に循環させる海水量を一定にしておけば、
KHのコントロール =(イコール) pHの数値となり、
Caリアクタのみのアナログ調整に対して、pHコントローラーを使えば、
pHの数値(デジタル)調整が可能となります。
pHコントローラーを組み合わせて利用するメリットとして、例えば、ミドリイシが成長しだした成長期などでも、
pHコントローラーの数値設定を変えるだけで対応できますし、
何より、Caリアクタの掃除などメンテナンスした時に、以前の設定に簡単に調整できることが挙げられます。
pHコントローラーが無くてはならない訳ではありませんが、調整が簡単にできる利便性は大きなメリットです。
Caリアクタだけでも、ある程度経験を積めば、ちゃんとKHのコントロールはできますので問題ありませんが、
調整の煩わしさを感じていている方は、pHコントローラーの組み合わせ使用も検討してみる価値がありますよ。
[ Caリアクタについて ] 2016.3.22
お客様からCaリアクタの調整について、「 KHの調整がうまくいかない。」 と、ご相談を受けました。
ご相談内容を伺いますと、Caリアクタ自体の調整は、説明書を見てわかるのですが、
KHが安定しないとのことでした。
もう少し踏み込んで聞いてみますと、
「 KHを測定して調整して、翌日KHを測定しても、目標値になっていないのでまた調整して、
また翌日KHを測定して目標値になっていないのでまた調整して、また翌日KHを測定して
やっと目標値になったと思ったら、翌日KHを測定するとKHが目標値を超えている 」
どうやら、毎日KHの測定と調整をしているとのことでした。
Caリアクタの簡単な原理は、Caリアクタ内に、Caメディアを入れ、そこにCo2を溶け込ましてCaリアクタ内の海水の
pHを酸性にして、Caメディアを溶かしたKHの高い海水を水槽へ少量循環させる装置です。
Caリアクタの循環量と水槽の水量は、大きく差があります。
Caリアクタから排出される高KH海水はごく少量ですから、水槽全水量のKHに作用するまで時間がかかります。
目安としては、Caリアクタの調整をしてから1週間後に水槽のKHを測定します。
またCaリアクタの排出量は一定量に固定し、調整は、Co2の添加量のみとします。
このCo2の調整は通常バブルカウンターを用いて、1〜10秒間に何バブルかをカウントして、Co2添加量を把握します。
KHを高くする場合はCo2量を増やし、低くする場合はCo2量を減らします。
(詳しくはCaリアクタ説明書を参照のこと)
またCaリアクタは、高KH海水を一定量排出しているので、水槽内の珊瑚を増やしたり、珊瑚が枝分かれして成長する
部分が増えた場合は、Caリアクタの再調整が必要です。
珊瑚が綺麗になったり、成長が目に見えるようになった時(成長期)は、珊瑚が海水のミネラルを消費している時なので、
ミネラル成分バランス改善・補給と、Caリアクタの再調整をお勧めします。
[ 接触白化後の処理について ] 2016.2.24
お客様から 「 ミドリイシ同士が接触して白化したところはどうしたらいい? 」 と、ご相談を受けました。
この趣味をしていると、何度かこのようなことが起きますよね。
幸いこのお客様の白化部分は先端でした。
水質が良く、ミドリイシの状態も良ければ、白化程度にもよりますが、そのままにしておけば自然に治ります。
ただその白化部分にコケが生えることもあります。
コケが生える → コケを取る → ミドリイシにストレスが加わり成長を止める → またコケが生える
このようなことを繰り返してしまうことをいろいろなお客様からもご相談を受けました。
コケは人がむしったり、ブラシで擦ってもすぐに生えてきます。
それはコケの芽が白化した骨格に残っているから、その後すぐにコケは成長します。
一方ミドリイシはこの作業でストレスを受け、成長を数日間止めてしまいます。
この成長を止めている間に、コケはいち早く成長を始めます。
コケの成長速度 > ミドリイシの成長速度
ですから、上記のサイクルを繰り返してしまいます。
このサイクルから抜け出すには、ミドリイシの成長のタイミングを待つことです。
そして、ミドリイシの成長速度が上回る状況を作ればいいと推測されますよね。
まず、水質を良い状態にすることは大前提です。
その環境下でミドリイシが成長しだすまでじっくり待ちます。
この間、コケも成長しているでしょうが、ミドリイシを触らず上の方だけむしるか、
そのまま放置しておきます。(ミドリイシにストレスを与えない)
ミドリイシが成長しだすと、健全な部分の先などが色が変わり伸びだしてくると思います。
白化部分は、サンゴ同士が喧嘩した跡ですから、健全な部分より成長しだすのが遅いかもしれません。
それでもじっくり待ち、白化部分と共肉の境目を観察します。
この境目が成長しだしたら、その境目より共肉側をカットします。
カットすることで、ミドリイシにストレスを与えてしまいますが、カット部分の骨格にはコケの根がないので、
ミドリイシの成長に優位な条件となります。
また経験上、ミドリイシは通常部分より、欠損部分の方が早く成長し始めます。
サンゴ同士の喧嘩は、お互い攻撃し合う為、ダメージが残りその限りではありませんが、
人為的にカットした場合は、驚くほど速く修復します。
切り口の綺麗な傷は、人と同じように治りやすいようです。
コケの成長速度 < ミドリイシの成長速度
こうなれば、ミドリイシは1〜2週間で骨格部分はふさがります。
白化部分によってはカットしづらいこともあると思いますが、
ミドリイシの成長を優位にすることで、コケとミドリイシの戦いに終止符が打てると思いますよ。
[ 回復水換えの補足 ] 2016.2.3
ガイドブック(10years Coralへの道)では、文字のみの表現だったので、図でも説明したいと思います。
下図は、通常水換えを全水量の30%程度行った際のミネラル(成分)バランス率低下と
回復水換えのイメージ図です。
条件として、珊瑚のミネラル消費率は一定としました。実際にはミネラル成分等の濃度により成長速度も
ミネラル類の消費速度も変化するため、恐らくミネラル(成分)バランス率が低下していくほど、
ミネラル消費率も低下していくでしょう。
また、全水量の30%程度の水換えを行った際も、単純に低下した分の30%回復したと仮定しました。
実際の回復率は、その時点その時点毎のミネラルバランス率に対して、ミネラルバランス率100%の
海水を全水量の30%程度の水換えをするので、下図とは若干異なる回復となります。
下図は、あくまでもイメージ図です。
下図から、ミネラル(成分)バランス率を、成長可能ゾーンにキープするには、
通常水換えと回復水換えが必要なことが解ると思います。
回復水換えは、100%水換えすれば1度で済みます。
しかし、現実的には難しいですよね。
その対策として、下記の方法も有効です。
・ 通常水換えを連続で行う。
・ 通常水換えの水量(パーセンテージ)を増やして、連続で行う。
(連続水換えは、毎週より、毎日。毎日より当日行うことで素早くミネラルバランス率を回復できます。
・ 全水量に匹敵する水量が確保できるなら、水槽から海水を抜きながら、サンプなどへ新しい海水を入れて
水換えする。この方法は、抜いてから入れる水換え方法に対して、ミネラルバランス率の回復にロスが
ありますが、生体に対してストレスが少なく、器具も止めずに行えるので、電源の入れ忘れも防げて、
わりと安全に大量の水換えが行えます。用意できる海水が多ければ多いほど回復率を上げられます。
いずれの方法でもミネラル(成分)バランス率を成長可能ゾーン内に収めれば良い訳ですが、
デッドゾーンすれすれで回復水換えをすれば、回復水換えの期間を長くとることができます。
しかし、その回復水換え作業は大変ですよね。
デッドゾーンに対してゆとりのある時点で回復水換えを行えば、回復水換え作業は軽減できます。
珊瑚の状態と、人工海水のコストと、自分の性格にあったタイミングで、早めの回復水換えをお勧めします。
また、下図から考察しますと、もし毎週30%の水換えをしているのであれば、2週間に60%の水換えをした方が
ミネラル(成分)バランス率は、作業効率面から見て、より効率よく回復できるのではないでしょうか?
さらに、成長可能ゾーンをキープできるような大量水換えに近い通常水換えや、日々珊瑚が必要とする
ミネラル類を毎日供給する、少量毎日水換えも、長期飼育に有効とわかりますね。
(通常水換えで、成長可能ゾーンがキープできれば、回復水換えは不要となります。)
どうであれ、水換えの目的を、ミネラル(成分)バランス率向上、及び、成長可能ゾーンのキープと捉えることが、
長期飼育のコツであるとご理解いただけますよね。

昨今では、水質を測り、足りないミネラル類を添加する方法も、昔に比べより安全に飼育できるように
なってきました。もちろん、添加剤で珊瑚が状態よく飼育できるのであれば、全く問題ありません。
ただ大事なのは、まずは状態が良い珊瑚とは、どのような状態か?
その状態にするために、その状態をあなたの目に焼き付けてもらうために、
面倒な作業ではありますが比較的簡単な水換えを主とした飼育法の一部を紹介しました。
珊瑚が良い状態かを見極められれば、今の飼育法で失敗せず修正できるようになりますよね。
その方法で、珊瑚はどうなったか?
その方法が有効かどうかは、珊瑚が教えてくれますよね。
状態が向上すれば有効な方法でしょうし、状態が変わらなければ、その方法をしてもしなくても変わらない、
状態が悪くなるならその方法をやめ、もとの方法に戻す。
珊瑚を観察することで、珊瑚がいろいろ答えてくれていることに気付けると思いますよ。
珊瑚が長期的に状態よく飼える飼育法は、すべてOKだと私は思っています。
私は皆さんに成長し続ける珊瑚がどれだけ美しいかを見ていただきたいと思っています。
ご参考になれば幸いです。
[ お気に入りに限って・・・ ] 2016.1.20
お気に入りに限ってダメになってしまう。
お客様からよく耳にするフレーズです。
詳しく聞いてみると、お気に入りだから、一番いいところに置いて、
そのスペース確保するため、その場所にあったミドリイシは、
水槽の隅へ移動したとのこと。
数か月もしないうちに、お気に入りはダメになり、
隅へ移動したミドリイシはぴんぴんしている。
どうして、こんな事態に?
さらに詳しく聞いてみると、お気に入りだから向きもスタイルいい方を正面にした。
この際、向きを優先したので、座りが悪かったようで、何度も倒れていたとのことでした。
ここが原因ですね。
触りすぎが原因でした。
感覚的にですが経験上、ミドリイシは1度触ると、3日成長を止める。
触ることで免疫力も弱まる感じがします。
また、触らなくても座りが悪く、水流等でカタカタと動いている場合も同様に、
免疫力が弱まっていくと感じています。
実際、上記のような状況を続けるとミドリイシはダメになってしまいます。
度重なるレイアウト変更も同様なことが言えます。
このようにストレスを与え続けて、調子を崩したミドリイシは、
回復するのに、ストレスを与え続けた期間の3倍以上の期間が必要と経験上感じています。
お気に入りだからこそ座りよく置いてあげたいものですね。
ちなみに隅に追いやられたミドリイシは、触られることもなく、座りがよかったので、
すくすく成長してガラス面に活着しているとのことでした。
[ 丈夫なミドリイシ ] 2016.1.3
よくお客様とこんなやりとりがあります。
お客様 : 店長のところのミドリイシは丈夫ですね。
店長 : え?どうして?
お客様 : 店長のところのミドリイシは死なないもん。
店長 : それはお客様がいい環境を維持しているからでしょう。
お客様 : そう努力はしているけど、入れて2,3日で溶ける物もある。
でも、店長のところのは、状態よく飼えるんだよ。
ここらへんで、その意味が分かってきました。
どうやら、このお客様は、一見状態がよさそうなミドリイシを購入していたようです。
ミドリイシの飼育は難しいとか、ミドリイシは弱いとか、よくお客様からお聞きします。
しかし、いい環境で育ったミドリイシは丈夫だと私は感じています。
ここでお客様が言っていた丈夫とは、人に例えると 「 免疫力 」 が高いということのようです。
ミドリイシも人と同じように「 免疫力 」があるように私は感じています。
入荷直後の個体などは、やはり輸送ストレスを受けている為、いい環境の水槽に入れると、
一見いい状態に見えるのですが、免疫力は下がっています。
その個体をお客様が購入して自分の水槽に入れると、また輸送ストレスを受けてしまい、
さらに「 免疫力 」が低下します。
通販で購入する場合は、輸送時間が長い為にさらに輸送ストレスを受けていると推測されます。
このとき、「 免疫力 」が低下してもその個体の「 免疫力 」にゆとりがあれば、
問題なく飼育できますが、「 免疫力 」がぎりぎりの個体の場合、ちょっとした傷から病原菌などに
侵されて溶けてしまうと推測されます。
これらのことはおそらくどこのショップさんでも経験上わかっていることだと思います。
ですから、店頭で購入する際は、店員さんにいつ入荷したのか聞いてみるといいと思います。
入荷から日数が経っていればいるほど免疫力が回復しているでしょうし、その期間も
状態よく飼えているのであれば、信頼できるショップさんの指標にもなります。
通販で購入する際も同様にお店に状態はもちろん、入荷日も問い合わせるといいと思います。
「 免疫力 」が高いミドリイシが、丈夫なミドリイシと言ってもいいと私は感じています。
ですから、当店では「 生体保証 」を付けて通販できるのです。
万一死着等があれば全額返金しています。
だって死ぬような個体は送る以前に、通販ページに載せませんから・・・
この「 免疫力 」という視点は、きっとご購入されるお客様にとって、
有効な視点になると思っております。
[ 飼いやすいミドリイシって? ] 2015.12.16
よくお客様からこんな質問があります。
・ 飼いやすいミドリイシはどれですか?
・ 丈夫なミドリイシはどれですか?
実際、飼いやすいミドリイシや丈夫なミドリイシは存在します。
ただここで見逃しているポイントが1つあります。
どのミドリイシも成長できる環境が整っていればすべて飼育できる。
自然界から比べると、日照時間や水温、台風被害などに着目した場合、
水槽で飼育した方が安定した環境を維持できます。
ならば、なぜミドリイシをうまく飼育できないのか?
それは、閉鎖環境である水槽では、限られた水量の環境では、
ミドリイシにとって良い環境の水質の維持が出来ていないと推測されますよね。
水槽内でミドリイシが成長すればそれに伴って、ミネラル等を消費します。
ミドリイシにとって必要なミネラルが足りない環境では、ミドリイシの成長はしにくくなったり、
状況によっては死んでしまします。
お客様と掘り下げてお話しを進めていくと、ほとんどのお客様が、
ミドリイシに適した水質を安定的に維持できていないことが分かりました。
飼いやすい、丈夫なミドリイシとは、ミドリイシが成長し続ける為に必要な環境が
安定的に維持しにくいお客様が求めていることが多いと感じます。
ミドリイシにとって、成長し続ける環境を安定的に維持できるスキルを
身に着ければ、飼いにくいミドリイシは存在しなくなるはずですよね。
昨今では、水質の維持のため、いろいろな添加剤や、いろいろな水換え方法が確立されつつあります。
ミドリイシが成長し続ける水質に着目することで、
今までつまづいていた事象を突破できると思いませんか?
[ 比重ってどうなの? ] 2014.6.3
ミドリイシには高めの比重が良いとか、比重は1.024位がいいとか言われていますよね。
これは先人の経験者が伝えてくれた事ですね。
では、これを受け取る我々はどうでしょう?
まず、どの比重計で計った値なのでしょうか?
自分の比重計は正確なのでしょうか?
そもそも先人が伝えてくれた値は正確なのでしょうか?
考え出すと何が良いのか解り辛くなりますよね。
これは数値を基準にしているからなのかもしれませんね。
ではミドリイシの状態を基準にしてみたらどうでしょう?
今、自分の比重計の数値が1.024だとして、現状のミドリイシの状態を記憶しておきます。
次に水換えなどのタイミングで、比重を0.0005〜0.001程度、プラスかマイナスに振ってみます。
例えば比重を1.025にして、2週間ほど観察してみて、調子が上がれば、
1.024より1.025の方がミドリイシにとって、より良い環境といえますね。
比重を変えたとたん、調子が悪くなるようなら、いったん元に戻します。または、
2週間ほど観察してみて以前より調子が良くなければ、今度は比重を逆に振ってみます。
このように自分の持っている比重計で、その比重計で比重の最適値を見つければ、
比重計の正確さはあまり気にしなくてもいいですよね。
但し、同じ海水を何度計っても同じ値を示す、計測再現性があることは重要です。
自分の比重計で、ミドリイシにとって良い比重を見つければ、
計った値が本当にその数値であるかは、問題がなくなりますね。
自分の比重計において、自分が飼育しているミドリイシの調子が良い値が最適値となります。
本来の目的は、数値を追うことではなく、ミドリイシを状態よく飼育する事ですから、
ミドリイシの状態を基準に、飼育していく事が大切ですね。
何事も、視点を変えて見てみると、物事が変わって見えてくるものですね。