まなざし ブログ
 
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公務員とうっぷん晴らし
 公務員のあり方について2つ指摘したい。
 当然だが公務員も労働者だ。現在、雇用は一定保障されているが、これを不安定化すると、民間の雇用にどう影響するか?民間の正規雇用は、さらにリストラにあいやすく身分が不安定なるだろう。「公務員ですらクビにできるなら民間でも」となり、非正規雇用が今よりも増えるだろう。
 公務員も消費者である。一定の収入の見通しがあることで、ローンや様々な消費が可能となる。もし、収入の見通しがつかないと、必要最低限の消費しかしなくなるだろう。もちろんローンを組むことを止めていくだろう。これは地域経済に大きな影響をもたらす。
 江戸時代、「カネは天下の回りもの」という掛け声の下、当時の江戸は世界的に見ても経済活動が活発だった。カネはため込むのではなく循環してこそ多くの人に富をもたらしていく。
 「公務員をクビにしてやれ」という気分は、経済的に不利に置かれている人々の「うっぷんを晴らす」という気持ちに一時的に合致するかもしれない。しかしこれが実行された時、地域経済がさらに委縮するので人々の生活がさらに貧しくなる。地域経済は足の引っ張り合いでは解決しない。
                             2011年11月13日
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教育基本条例案の問題点
  橋下氏が率いる維新の会の条例案で2つ指摘したい。
 1つは「すべての校長・副校長を任期付き公募にする」点だ。これには400人が必要という。民間人でこれに応募する50代の人を考えてみよう。管理職で能力、人望がある人はこの制度に応募しないだろう。今いる民間の給料と比べても魅力が少なく、裁量はほとんどなく、しかも不安定な身分である。結局この公募に応募する多くの人は、管理能力や人間関係に問題があり、自分自身が左遷の対象者だろう。民間出身で都の中学校の校長を経験した藤原氏は「ろくな人材が集まらない」と指摘した。
 優秀な新任教師にとって大阪府は魅力ある職場になるか?そこでは5段階の相対評価にさらされ、下5%に2年連続で入るとクビである。同僚達はお互い協力するどころか足の引っ張り合いである。もちろん相談はできない。他府県の教員になろうとするだろう。
 維新の会へのお願い。1部上場企業で、「すべての支社の所長・副所長は全員他業種からきた任期付き管理職、支社ごとに5段階評価、最低評価を2年続けるとクビ」という条件で、業績が上がり続け、新入社員の人気が高い企業があれば10ほどあげてほしい。
                          2011年9月5日
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 電気料金の議論が必要
 8月4日付の朝日新聞社説「再生エネ法案」は、電気料金にすでに原発関連で「消費者負担が1世帯あたり月額300円ほど含まれているとの試算」を紹介している。
 この負担の中身に2つある。ひとつは「使用済み燃料の取扱い費用」。プルサーマル計画が進む中、この費用が06年から電気料金に上乗せされた。立命館大学の大島教授によると、この費用が07年では1世帯月240円(毎月の平均電力使用量467kwhで0.51円/kwh)である。
 もうひとつが電源開発促進税で、このお金の多くが原発関連に使われている。この電源開発促進税は、03年では、0.445円/kwhだったが数回「値下げ」があり、07年からは0.375円/kwhとなっている。毎月の平均使用量467kwhとすると、1世帯月175円となる。
 使用済み燃料の取扱い費用と電源開発促進税を合わせれば、1世帯毎月で平均400円以上すでに電気料金の中で徴収されている。
 震災前のように原発が増えていくことはもうない。再生エネルギーの普及を促進するため、その費用を電気料金に上乗せすると同時に、今まで徴収されていたこの2つの費用をどう減らすかという議論が必要だ。
                           2011年8月6日
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歌と旗が何をもたらすか
 教育現場に日の丸と君が代が浸透して久しい。またスポーツを契機にこれらへの親近感が広がっている。
 ではこの国旗と国歌によって、日本を身近なもの、自分の人格の一部とまで感じるようになった人は、「歌わない」など自分とは違う行動をする人に対して、まるで自分の人格が傷つけられたように感じる。ここで民主主義の基本である多様な意見・態度を認める人もいるが、一方「おまえら日本人か。そんなにイヤなら出ていけ」と脅迫したり、橋下知事のように「そういう教員を必ずクビにしてやる」と、社会的抹殺を平気で言うような人も出てくる。
 またサッカーの国際試合で日本を応援する場合、相手に対して勝つか負けるかという気持ちになる。この気持ちは往々にして外交関係にまで延長される。外交関係は地道な交渉が必要だが、他国と問題が起きるとスポーツのノリで「なめられるな」、「毅然と立ち向かえ」という言い方が幅を利かすようになる。国旗と国歌に愛着を持つ心性は、他国への理解ではなく、敵愾心をはぐくみやすい。
 今必要なことは、国旗や国歌の強制でない。多様な社会、冷静な外交交渉に対して国旗や国歌のもたらす危険性を理解することだ。
                            2011年5月25日
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