◎ ◎  明るい日本はハシズムを止めることからスタート ◎ ◎
 
「再び反対する」アピール   2012年2月28日
 
■ 「ナベツネ業務日誌から「偽名簿問題を整理し、橋下市長・杉村市議らの責任を考える(転載)
 
大阪維新の会と関西経済同友会との「気になる」関係   
 
そもそも「府市統合本部」ってどういう法的位置づけなの
 
橋下さん、ひどない!?☆橋下さんにひとこと言いたいプロジェクト☆
 
大阪府教育基本条例案が、現行法規と矛盾・抵触する点:自由法曹団
 
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どうなる! 大阪の教育」(池田知隆 編著、フォーラム・A、2011年11月第1刷、600円)から                    (2012年1月30日)
                               
野田正彰:日本は再三、子どもの権利条約委員会から勧告を受けています。去年(2010年)6月の第三次勧告を見ると、日本の教育は競争ばかり煽り、そのために意見を持った人間としての子どもの権利が阻害され、幸福感が低いと言っています。このことを真剣に考えないと。                   (P11)
    
大阪の教育費は削減され続けています。
 橋下さんは「大阪を教育日本一に」を訴えておきながらも、実際にはこの3年間で教育予算を583億円も削ってきています。2009年3月、「財政再建」を口実に三百人以上の府立学校の非常勤補助員を雇い止め解雇にしています。・・・正規の教員を雇わずに非常勤の教員を増やしてきています。そのために臨時の事態に備えて待機している教員がいなくなり、教員の産休や事故などで急に現場に穴が空いたとき、埋めることができない事態が大阪府内各地に広がっているそうです。児童生徒一人当たりの教員数を全国平均にするためにはさらに5000人の増員が必要だといわれています。 (P14)
 
カットにつぐカットの教育予算
 就学援助率は、全国学力テスト日本一の秋田県の約7倍(2008年)という事実は何を物語るでしょう。これに対して、大阪府の教育にかける予算は、全国でも低く、人口1人当たりの教育費は全国42位、一人当たりの学校費は、小学校43位、中学45位という実態です(2011年7月、大阪教員組合)。この3年間で583億円も教育予算が削られているのです。                        (P33)
 
→ハシモト氏は「教育クーポン」を支給しようとしている。教育への財政的補助だが、現在でも不十分な公教育の条件を向上させようとはしていない。教育が困難な地域の公教育を充実させようとはしていない。根本に、公教育の破壊を目指している。
 
自分で任命したのよ、責任は知事に
 大阪府の教育政策については、これまでも知事が任命した教育委員と事務局によって作成され、府議会のチェックを受けています。知事と議会を通じた民意の反映の仕組みは、すでに機能しているといえなくもありません。知事は、教育委員の任命権者ですから、自分が任命しておきながら「民意を反映していない」かのように言うのも変です。(P54)
 
ハシモト氏の人間観
 その人間観・教育観は知事になる前に出版した「14歳の世渡り術 どうして君は友だちがいないのか」で知ることができます。「僕が考える友だちの本質とはーーメリットなし・面倒ばかり・いっしょにいてもなにも与えてくれるわけではない」だそうです。(P57)
→ このような人物が、「教育の目的」を作ろうとしている。
 ハシモト氏は、二言目には「競争」である。競争の本質は、他人は「敵」あるいは「利用すべき対象」と思うことである。ハシモト氏は、友だちの本質である「同じ地平に立つ相手」、「協働する相手」という経験ができない人物だろう。人間関係を上下関係でしか見ることができない。さらに他人と協働する人が憎くてたまらないようだ。
 教育の大切や要素であり、仕事や社会生活で求められる「他人との協働」、「他人への信頼感」を、ハシモト氏は憎くて壊したくて仕方ないようだ。この壊す道具が、過度な「競争」を煽る様々な仕掛けだ。
 ハシモト氏を気分的に支持する人たちの人間観はどうなっているのだろうか?
 他人はすべて敵という教育現場で育っていく子どもたちは、協働が要求される労働現場で、不適応や不要なトラブルを起こす可能性が高く、日本社会をぎすぎすしたもの、暴力的なものにしてしまいそうだ。
 そうならないように、努力しよう。
 
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日本とギリシャは同じか?
「経済学的思考のすすめ」を読む(1) (岩田規久男、筑摩書房、2011年1月)
                           2012年1月30日
ギリシャの財政危機とは?
 
 大阪氏の橋下市長はよくギリシャを引き合いに出しながら、危機を煽っている。ではギリシャの危機とは実際どのようなものか、経済学者の岩田規久男著の「経済学的思考のすすめ」(筑摩書房、2011年1月)を参考に、考えてみる。
 
 岩田はギリシャの財政危機を次のように分析する。
 2009年に政権交代で、財政赤字がGDP比13.6%であることが判明(前政権は5%超えとしていた)。そこで、投資家が不信感を抱き、国債格付けを4段階引き下げ投機的扱いにする。
 マクロ経済の状況では、2000年以降、ギリシャの内需(国内居住者の民間消費、民間投資、財政支出の合計)のGDP比は108〜112%という高い値であり、この100%を超える8〜12%分が外国からの借金による輸入で賄われる。経常収支赤字の対GDP比は15%(08年)、11%(09年)に達する。
 つまりギリシャ国民は消費好きで、外国から借金をして、消費と財政赤字と経常収支赤字の資金を調達していた。(財政赤字と経常収支赤が赤字という点では、アメリカと英国とギリシャは同じである。日本は財政赤字ではあるが経常収支は黒字であり、ギリシャと日本は異なる)。ギリシャの財政危機の根本原因は、「国民が身の丈を超えて消費し、少しも貯蓄せず、自国の国債を引き受けようとせず、財政も経常収支も赤字であること」(P29)による。
 
 では財政破綻を避けるためには、どうするか?岩田氏は次の3つを指摘する。
1)歳出の大幅カット、2)増税、3)中央銀行の国債引き受け、のいずれか。
 ギリシャ政府は、1)と2)にあたる公務員の削減や賞与の段階的廃止、年金の削減や受給年齢の引き上げ、付加価値税の増税 という緊急財政を進めようとしたが、暴動が起きた。これは09年以降2年続きのマイナス成長(両年とも−2%)と、失業率が12%という不景気と雇用の悪化、さらに格差問題が背景にある。この状況では大増税や大幅歳出カットは大混乱と経済の大幅縮小をもたらす。
 ユーロ加盟国のギリシャは独自の金融政策をとれないので、3)も不可能。そこで、ユーロ圏の国々とIMF(国差通貨基金)がギリシャ支援をせざる得なくなった。
 
では日本はどうか?
 日本はギリシャと大きく異なる。日本の民間部門は黒字だが、ギリシャの民間と政府は赤字でその赤字を外国に埋めてもらっている。ギリシャは1)や2)をとれば国内の大混乱と大幅な経済収縮がおこるが、日本では、1)も2)も3)も採用できる。
 実際、「3)中央銀行の国債引き受け」は、日本もアメリカも行っている。日本経済新聞2月9日号は、現在、米国のFRB(連邦準備委員会)の米国債保有額がリーマン危機前の3.7倍、発行残高の2割に迫っていること、日本では日銀の国債保有額が08年の8%から11年末に10%に上昇したことを報じている。
 すなわち、とりうる対応策でもギリシャと日本は異なる。 
 
 公務員数でも日本とギリシャは、大きく異なる。
 本川裕氏の社会実情データ図録 http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5190.html では、公務員数の国際比較のデータを示している。ギリシャは人口当たり公務員数が英国、ドイツと同じぐらい多く、日本は反対に最も少ない国に属する。(注)
 公務員数でも、日本とギリシャは大きく異なり、ギリシャの公務員数を持ち出して、日本の公務員を攻撃するのは、まったく根拠がない。
 
 橋下氏は、2011年12月、議会での演説で「日本をギリシャのようにしないためには、公務員と組合をのさばらしてはだめだ」と発言した。彼は「日本とギリシャの問題を同じ」とし、「ギリシャの財政破綻の原因を公務員と組合」にしている。
 しかし、石田氏の分析や公務員数のデータで示されたように、日本とギリシャを同一視している点で、これはまったくの事実に基づかない非難だ(デマとも言える)。
 なお、橋下氏の手法がここにも示されている。危機をあおり、聞き手を一時的に思考停止にさせ、ヘンな主張を注入する、という手法だ。
 なお、ハシモト氏はデマを平気で自信満々で言える「才能」を持った人だ。
 
 私たちは、日本がこれ以上悪くならないように、そろそろ「危機煽り」のパフォーマンスから目を覚まし、事実をきちんと検討する必要がある。
 
(注)「労働力人口の4分の1、110万人超が公務員との説」(東京新聞2011年10月14日)に対して、OECD調査での2005年の調査では、14.1%、約72万人となる。ギリシャの2大労組の一「ギリシャ公務員連合」の事務局長は、インタビューに対して「67万人」と答えている(東京新聞2011年10月14日)。
 
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労働者としての教師        (2012.1.15記) 熊沢誠
 
 
何が民意をハシズムに向わせるのか」。 2012年1月6日  中島岳志氏
 
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大阪府における教育基本条例案に対する会長声明
 
              【 日 弁 連 】        
       大阪府における教育基本条例案に対する会長声明
 
              日本弁護士連合会HP(2011年12月27日付)
 
 大阪府では、2011年(平成23年)6月13日、「府立学校及び府内の市町村
立学校の行事において行われる国歌の斉唱にあっては、教職員は起立により斉唱を行
うものとする」との服務規律条項を含む「大阪府の施設における国旗の掲揚及び教職
員による国歌の斉唱に関する条例」が府議会で成立し公布された(以下、「国歌斉唱
条例」という。 )。
 
 次いで、教育基本条例案が府議会9月定例会に提出されたが、会期末である本年
12月21日の本会議で閉会中継続審査とされた。同条例案では、教職員が同じ職務
命令に3回違反した場合の標準的な分限処分は免職とするとされ、国歌斉唱条例とあ
いまって、国歌斉唱の際に不起立や不斉唱を繰り返す教職員を分限免職とする意図が
明確にされている。
 
また、同条例案は、教育への政治の関与の必要性を強調し、地方議会が教職員の懲戒
・分限処分の基準を細かく定めて条例化するとともに、首長が教育の目標を設定し、
その目標を実現する義務を果たさない教育委員は罷免事由に該当するとするなど、教
育行政の組織的一体性の強化を通した首長主導のトップダウン教育を目指しているこ
とが明らかである。
 
 当連合会は、君が代斉唱時の起立・斉唱を条例によって教職員に強制することにつ
き、2011年5月26日に会長声明を発して、思想・良心の自由等の基本的人権の
保障に加え、教育の内容及び方法に対する公権力の介入は抑制的であるべきという憲
法上の要請に違反するものとして、看過できないことを明らかにした。
 
 また、本条例案は上記のとおり教育への政治の関与の必要性を強調し首長主導のト
ップダウン教育を目指しているところ、まず、首長が定める教育目標を法的効力のあ
る規則としてその実現を教育委員会に課し、目標実現の責務を果たさない場合を教育
委員の罷免事由としている点は、ときの政治家による教育の政治利用による教育の不
当な支配を禁じた教育基本法(16条1項)及び教育委員会の職務権限を首長から独
立させ教育委員の身分を保障した地方教育行政の組織及び運営に関する法律(7条、
23条、24条)に抵触する。
 
また、地方議会が教職員の懲戒・分限処分の基準を細かく定めて条例化する点は、教
職員人事への政治介入に道を開くことになる。すなわち、教職員の懲戒免職はもちろ
ん、その他の懲戒処分の決定に際しては、職務命令の内容・必要性、違反行為の程
度、代替措置の有無などが考慮されて、教育委員会が裁量権を行使するのであり、地
方議会が条例によって一律の処分基準を設けることは、教育委員会の人事権・裁量権
(同法23条3号)を剥奪又は制限するものである。
 
 したがって、首長が教育目標を設定できるとし、地方議会が教職員人事を条例化す
る本条例案は、教育基本法及び地方教育行政の組織及び運営に関する法律の上記の各
条項に違反し、条例制定権を「法律の範囲内」とした憲法94条に反するものであっ
て、戦前の教育行政において政府の意向のままに教育が歪められたという歴史の反省
の下に創設された教育委員会制度を形骸化させて教育の政治的中立性を害するもので
ある(なお、渡辺喜美衆議院議員の質問主意書に対する本年12月16日付け内閣総
理大臣の答弁書においても、地方公共団体の長には教育目標を定める権限がない旨の
答弁がなされている。)。
 
 なお、本条例案を子どもの立場から見れば、首長の交代に伴って教育目標が変更さ
れ得ることを意味するのであり、子どもの個性や成長・発達段階に対応した教育の継
続性が阻害され、子どもの学習権を充足することが困難になる危険がある。加えて、
必ず教師全体の5%に割り振られるD評価を2年以上続けて受けると免職もあり得る
とする人事評価制度の導入は、教師間の競争を強いて、いわゆる学級崩壊など教師間
の協働なしには解決困難な課題への取組意欲を削ぐなど、子どもの立場に立った教育
をできなくするおそれがある。
 
これは、教師と子どもとの間の直接の人格的接触を通じてその個性に応じて行わなけ
ればならないという教育の本質的要請(1976年5月21日旭川学力テスト事件最
高裁大法廷判決)に反し、子どもの学習権を侵害することにもなりかねない。
 
 以上により、当連合会は、大阪府議会に対し、教育基本条例案が可決されることの
ないように求める。
 
                    2011年(平成23年)12月27日
                    日本弁護士連合会
                    会長 宇都宮 健児
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橋下人形と新自由主義の大実験  その1〜その4  
 
ハシモトドオリ 
 何かええことあるの?編
 
 
内田樹の研究室 
 教育基本条例について
教育基本条例再論
 
 
「橋下徹の言論テクニックを解剖する」
中島岳志さんのブログ)
 
 
2011年 9月24日、大阪府条例はいらん!
 全国集会 報告
       
 
藤井啓之ハイパー研究室本館
ハシズム分析(1)―(5)
ハシモトは現実の矛盾が生み出したモンスター     
 
 
レイバーネットTV大阪教育特番「橋下さん あんまりだっせ」
 その20分〜41分 藤井啓之
 その47分 「脱君が代」の歌
 
 
 「公立学校教職員に君が代斉唱の際に
起立・斉唱を強制する大阪府条例案提出」
 日弁連声明ほか