最近のマナティ事情


第六回

【ジュゴン保護勧告】
10月10日、希少な野生動物ジュゴンの生息地である沖縄県名護市近海への米軍普天間飛行場の移設問題に絡み、野生生物の保護活動を行う国際機関、国際自然保護連合(IUCN・本部スイス)のヨルダン・アンマンでの総会にて日米両国への勧告が決議された。決議案は世界自然保護基金日本委員会(WWFJ)、日本自然保護協会、日本野鳥の会などが2月に提出したもので、今回の勧告は基地移設予定地付近での希少生物の保護策と環境調査を求める内容となっている。IUCNには日米両国とも加盟していることから、飛行場移設計画にも修正を迫られる可能性がある。
(朝日新聞より 10.14.2000)

第五回

【1998年度フロリダでのマナティ死亡数】
The Florida Department of Environmental Protection (FDEP) の調べによると、1998年中にフロリダで死亡したマナティは231頭(97年度は242頭)である。
このうち船舶との事故によるものが66頭(97年度は55頭)など、依然として人間が直接の死因となるケースが絶えない。
なお、現在アメリカ合衆国にはおよそ2,600頭のマナティが棲息しているとみられている。
(1.22.1999)

第四回

【国営沖縄記念公園水族館のユメコ死亡】
1998年9月18日、国営沖縄記念公園水族館のマナティ、ユメコ(雌・8歳4ヶ月)が死亡した。
肝不全などが原因ではないかと見られている。
体調の回復を待って、オスの琉と同じ水槽で飼育される予定だった。
ユメコは1990年4月、メキシコからきた母:メヒコと父:ユカタンとの間に未熟児として生まれた。
国内では唯一のマナティ繁殖成功例であった。
(沖縄タイムズ、琉球新報より 9.22.1998)

第三回

【里子マナティShane死亡】
1998年6月7日、Save the Manatee Club(米)のマナティ里親制度登録マナティであるShaneが、ボートとの接触事故により死亡した。
Shaneの死体が発見されたのはBlue Spring State Park の10マイル南方で、マナティ保護のためにボートのスピード制限が設けられている区域だった。
Save the Manatee Clubでは、ボートのスピード制限ルールの厳守を訴えている。
(7.30.1998)


第二回

【沖縄沖でジュゴン発見される】
1998年1月13日、沖縄県名護市沖合で野生のジュゴンが発見され、日本テレビによってその画像が放映された。
発見されたジュゴンは1匹で、体長約3メートル。
沖縄近海は日本で唯一のジュゴン生息地とされる。
絶滅危惧種の一つに指定されているジュゴンの生態解明に、期待がかかる。
(1.14.1998)


第一回

【マナティからウイルス検出される】
フロリダ沿岸で捕獲された2頭のマナティから、今まで人間、牛など他の哺乳類からは発見されていたものの、マナティからは発見されていなかったウイルス(pappillomavirus)が検出された。
このウイルスは目や鼻の先端に腫瘍などの皮膚障害を引き起こすものである。
このマナティのうち1頭はHomosassa Springs State Wildlife Parkに、もう一頭はTampaのLowry Park Zoo に保護された。
今のところ他の個体への伝染は見られない。
マナティはマイアミの比較的汚濁した川にも生息していることから、病気への耐性が強い動物だと考えられてきた。それだけに今回のウイルス発見はマナティにとって危険信号となるものだと、マイアミ大学のGregory Bossart教授は語った。
(METRO The Orlando Sentinel,Sunday,August 3,1997より要約)




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