曲率と曲率半径



曲率とは曲線の曲がり具合のことです。例えば、直線は曲がっていないので曲率は0です。一般にある曲線が与えられたとき原点における曲率は

\begin{displaymath}
\kappa=\frac{\vert f^{\prime \prime}(0)\vert}{\sqrt{1+f^{\prime}(0)^2}^3}
\end{displaymath}

で表されます。


図 1: $y=x^2$の原点における曲率
\includegraphics[width=8cm,height=8cm, clip]{aaa.eps}

曲率の逆数のことを曲率半径といいます。例えば、直線の曲率は0だったので、曲率半径は無限大ということになります。直線は半径無限大の円だったのです。つまり、微分法が曲線を接線近似しているのに対し、曲率を求めることは曲線を円近似しているということになります。面白いのでこの曲率を力学の問題に応用してみます。 今、質量$m$の質点が放物線$y=ax^2$上に束縛されていているとします。質点が速度$v$で原点を通過する際 に受ける垂直抗力はいくらかを知りた時、この放物線の原点における曲率半径は$\rho=1/2a$だから円運動の運動方程式の向心成分は

\begin{eqnarray*}
N-mg&=&m\frac{v^2}{\rho}\\
&=&2amv^2
\end{eqnarray*}

従って

\begin{displaymath}
N=mg+2amv^2
\end{displaymath}