昔、池尻に「push me pull you」という店があった。店なのに商品を売ってくれない、インテリアショップのはずなのに大量の古本、というちょっと変なところ。夜な夜な様々な職業の人が集い、サロンのようになっていた。私はそこで現代アートの本や写真集をたくさん見せてもらい、いろんな人に出会った。今仕事があるのは、この店のおかげも大きい。そして出会った人々との交流は今も続き、広がっている。現在は早稲田で古道具屋「petit
cul」を営む店主・澄敬一さんの作品展がクラスカの「DO」で開かれている。かつての店にあった、文字盤のない静かな鳩時計。その鳩時計をこんな形で見ることになるとは。感慨深いものがあった。
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