何かおそろしいものを見てしまったような気がする。ダンスのことはからっきしわからないけど、アートを鑑賞するような気持ちで出かけた、2度目のピナ・バウシュ。特に「春の祭典」の35分間は片時も目をそらすことがきず、気持ちは高揚しっぱなし。永遠に観続けたいぐらい心地いいのに、このまま続いたらこちらの体がもたない、とも思う。舞台一面に敷き詰められた土。いつも舞台美術はごくシンプルながら最大限の効果を生んでいる。(去年の巨大な水たまりもすごかった。)日本にいながらにしてこんなにすばらしいものを観る機会があるというのに、至る所に空席が目立つ。それが本当に不思議でならない。