Text - Music - Fleming Pie (Hooper)



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 フレミング・パイ (フーパー) 


 フレミング・パイというバンドの活動を私が追い続けることになったのは、彼らが「フーパー」と名乗っていた頃からのことです。
 このユニットは、女性ボーカルの中嶋朋子さん(同名の女優さんとはもちろん別人)を中心として、ギターと作曲を担当する瀬川英史さん、ドラムス担当の小野孝之さん、そして、フレミング・パイと名乗るようになったときから正式に加わったベース担当のEmaさん――この4人で構成されています。

 フレミング・パイの曲は優しくポップで、それでいてどこか郷愁を誘う、みずみずしい魅力に満ちています。切なく印象的なメロディと歌詞が、少年の頃の純粋な気持ちを思い起こさせるような、そんな気分にさせてくれるのです。
 何よりボーカルの中嶋さんの声が、個性的かつ魅力的。伸びやかで表情豊かな歌声が、曲の雰囲気にぴったりです。その独特の中性的な声質は、タイプとしてはPSY・Sのチャカに近いかも知れませんね。中嶋さんのルックス自体も、すらりとしたボーイッシュなお姉さんといった感じで、すっごい私好みなのです〜。
 他のバンドにはない、爽やかで心地よい個性をたくさん持っているバンドですので、もしそういう方向の音楽に興味のある方には、一聴をお薦めします。もう、ぜひぜひ。

 さて、実は96年末にフ−パー名義で発表されたミニアルバム『冬のペイジェント』以降、新譜のリリースも1年以上なく、97年末に久しぶりにあったライブではなんと「レコード会社との契約を切られてしまった」というショッキングな発表もあって、ファンの間ではその消息さえ危ぶまれていた彼らなのですが……。
 2000年初頭になり、ようやく彼らの活動が再開したのです。この際に、ユニット名をフレミング・パイに変え、心機一転再スタートというカタチになったわけですね。うお〜、嬉しすぎる〜。中嶋さんの歌声、彼らのサウンドに餓えていたファンにとっては、これ以上ない吉報です。

 CDは今現在ではアルバムが1枚、また、過去にフーパーとしてのアルバムが2枚、ミニアルバムが1枚リリースされています。
(ただ、上に書いたような事情もあって、現時点では、フーパー名義のCDはもしかすると入手が困難かも知れません。なので、見かけたら迷わずゲットすべし!)

1st Album  『Fleming Pie』 \ 3,059 (東芝EMI TOCT 24489)
(以下、フーパー名義)
1st Album  『7drops』 \ 1.980 (Antinos ARCJ 18)
2nd Album  『OLIVER』 \ 2,780 (Antinos ARCJ 38)
Mini-Album 『冬のペイジェント』 \ 1,480 (Epic/Sony ESCB 4019)

 この中でもし、とりあえず1枚聴いてみようかな……というかたには、フーパー2ndの『OLIVER』が一番適当でしょう。1stよりもさらにアレンジなどのクオリティが上がり、音楽性もより明確になっています。
 ただ、個人的には、ミニアルバム『冬のペイジェント』をまず聴いてみるのが手っ取り早いのではとも思います。実質的な曲数は4曲と少なめですが、内容はバラエティに富んでいて、彼らの音楽の最良の部分がぎゅっと詰め込まれた形になってますので。価格もお手頃ですしね。

 また、もしも彼らのライブを観るチャンスに恵まれたかたは、もう何を置いても観にゆかれることを強くお薦めします。ライブでの彼らははっきり言ってCDのさらに何倍も魅力的です! 中嶋さんの表現力豊かな歌声、瀬川さんのきらきらしたギターワーク、小野さんのパワフルなドラムが、物凄い一体感を生み出していて、圧倒的に迫ってきます。同じ曲でもCDとライブでは全然印象が違うのです。
 あとはもう、中嶋さんの魅力に尽きますね。細くしなやかな体にぴっちりしたシャツとパンツのよく似合う中嶋さんが、ソプラノサックスやピアノの弾き語りを披露してくれたりするのです。私なんかもう為されるがまま、めろめろですよ。都内でのライブは最初のソロライブ以降、私はおそらく全て観てるはずですが、そのたびに感動してしまうのでした。もう彼らのライブのトリコです〜。

 これからも、その独自の音楽性を大事にしつつ、新譜やライブなどで活発に活動してくれることを切に望んでます。きっかけさえあれば一気にメジャーな存在になれるだけの素養を充分備えているユニットだと思いますので、頑張って欲しいですねー。……でも、あまり大メジャーになっちゃうと、中嶋さんファンのライバルが多くなっちゃうな〜とか、ライブのチケットとか取りにくくなって困るかな〜とか……ファンの微妙な(わがままな)キモチですね。はは。

 最後に、現時点での、私なりのベストソング5はこんな感じです。

 1)冒険の瞳
 2)あの頃の夏に僕らは
 3)My Friend
 4)Need
 5)冬のペイジェント

 どれも思い出深くて甲乙付けがたい曲ばかりなのですが、中でも『冒険の瞳』は最高です。聴くたびに胸が締め付けられるような切なさで涙が出そうになります。文句なくベストですね。
 他にも、ライブでしか発表されてない曲の中にすっごい好きな曲がいくつかあるのですが、それはCD化待ちですね。うーん、待ち遠しい〜。
 

(01.04.13)