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東京マリーゴールド
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 合コンで知り合った彼には、実はアメリカに留学中の恋人がいた。しかし諦め切れない主人公は、その恋人が帰ってくるまでの1年間だけ、という約束で彼と付き合ってもらうことにしたのだが……。

 と、このヒロインを演じるのが田中麗奈なんだけども、正直言って無理があると思いました。少なくとも共感できない。1年間だけ、なんて、そんな割り切り方が出来るような人にはとても見えないもの。いや、田中麗奈本人がどんな人かなんて具体的に知ってるわけではないけど、役作りやイメージとして、そういう役にはそもそも向いてないと感じます。で、絶対ハマるだろうな、と思いながら見ていたら、案の定ハマる。1年じゃ我慢できない、という展開になる。こりゃ共感しろっていう方が無理です。
 もちろん、恋愛のかたちにはいろいろあって、単純に理屈で片付けられないようなこともあるんだろうとはいえ、このヒロインの、そして、その相手役の男の行動理念は、共に私には理解不能でした。ただもう、アホやなー、と思うだけです。

 田中麗奈の演技もどうなんだろう……。いかにも「私は自然体ですー」と、そういう主張をしているのが鼻についてしまって受け付けませんでした。さすがにこう、見るたび同じような演技だと飽きます。

 ただ、映像は良かったです。東京の済んだ空気感は素晴らしいし、CMのシーンなどは、さすが作り慣れてるな、と感じさせてくれるもの。でも物語としてはさっぱりでした。

(以下、枠内ネタバレにつき、反転してどうぞ)

 で、ヒロイン以上に理解不能なのが、あの男! 彼女は留学中だなんて見栄張って、結局、新しい彼女とも付き合えない? なんじゃそりゃ。どういうオチだよ。
 その秘密を、ヒロインが偶然知ってしまうというのも……。結婚した元彼女と一緒のバスに乗るだなんて、あんな偶然あってたまるかって。ああいう形の偶然の存在を認めたら、恋愛の駆け引きなんて成立しなくなるし、誰も悩まずに済むよ。まったくアホやなぁ。

(以上)



(02.02.05)