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タイタンズを忘れない Remember the Titans
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 70年代初頭のアメリカ、まだ黒人差別意識が強く残っていた頃のバージニア州で、白人と黒人の高校生が混成したアメフトチームが作られた。互いに強く反発しあう両者だったが、そこへやって来た黒人コーチが対立の無意味さを説き、やがて結束したチームはアメリカ随一のチームへと生まれ変わっていく……。

 デンゼル・ワシントンが正義感と血気溢れるコーチ役を、相変わらず格好良く演じています。彼一人の存在感で物語自体が一気に厚みを増しているといっても言い過ぎでないほど。
 ストーリーの方は、スポーツによって芽生える、肌の色を超えた友情の素晴らしさなどを定石通りに描き、まずは手堅く楽しめる内容。こういう熱さを好む人には期待通りの展開が待っています。実話がベースになっているということも感動を手助けしてくれます。

 しかし、細かなエピソードが多いためか、展開は急ぎ足の印象があります。大きな主題の一つであろう白人と黒人の対立も、わりとあっさり解決してしまうのがやや肩すかし。アメフトの試合も、その内容がしっかり描かれているわけではないため、勝利の喜びに沸くメンバーたちの興奮を観客たちが共有できず、取り残された気分になってしまうのもマイナスでしょう。

 男ばかりのむさくるしい映画の中にあって、白人コーチの娘である小さな女の子が元気に飛び回り、いいアクセントになっていました。



(01.11.07)