Text - Ｍｏｖｉｅ
| サウスパーク 無修正映画版 South Park : Bigger, Longer & Uncut |
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| はじめに断っておきますが、これはいちおう、かわいい絵柄のアニメ作品です。 しかし、ストーリーは通常のモラルをはるかに逸脱した、めちゃくちゃなものです。なにしろ、子供たちに下品なネタを植え付けるカナダ人どもを粛清するため、アメリカのＰＴＡが軍隊を扇動し、しまいには全面戦争にまで発展してしまうという物語なのですから。 でもこれ、かなり笑わせてもらいました。体裁こそ低年齢層向けを装ってはいますが、とんでもない話です。テーマといい、ギャグの質といい、明らかに成年以上をターゲットにした作品ですね。 たとえばビル・ゲイツやボールドウィン兄弟などを扱ったギャグのマニアックさを取ってみても、相当なものです。あれで笑えるのはごく限られた人たちでしかないでしょうし、ましてや15才以下のオコサマたちにとってはチンプンカンプンでしょう（逆に、分かる人には爆笑モノのネタではあるのですが）。 映画版ということで規制が緩いせいか、テレビシリーズよりさらに突き抜けた内容になっており、『無修正版』の看板に偽りなしといった出来になってます。 中盤以降もテンションは上がりっぱなしで、多彩な歌や踊りを織り交ぜつつ、最後まで一気に見せてくれます（もっとも、その分、私などはちょっと疲れを感じてしまったりもしたのですが……もうちょっと展開に緩急があったほうが良かったかもしれません）。 ただ、通常タブーとされている猥雑なコトバ（いわゆる四文字言葉とか）や、政治的に危険なネタなどを平気で連発していれば、ある程度以上笑えてしまうことは約束されているので、その意味では『お笑い』としてちょっとズルいかな、とも思ってしまったんですよね。 それをあの童話タッチのアニメでやった、というアイデア自体を評価すべきなのでしょうけど、でもそれを素直に『面白い』と言っていいものかどうか……正直、迷ってしまうところなのでした。 |
(00.08.22)