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シュリ Swiri
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 正直なところ、私自身は韓国製の映画というものをほとんど観た事がありません。それもあって、韓国映画というものに対して、言い方は悪いですが、どこか垢抜けないイメージを漠然と持ってしまっていました。でも、この映画を観た限り、それは偏見にすぎなかったようですね。これはスマートに洗練された、なかなかいい出来のアクション映画だと思います。特に銃撃戦の迫力は一見の価値ありですよ。

 とはいえ、ストーリーの骨格部分だけを抽出して厳しいことを言ってしまえば、先の展開も読めてしまいがちですし、ストーリー自体もそれほど新鮮味のあるものとも思えませんでした。
 ただ、私は政治のことにはまったく疎いので、この映画の特殊なバックグラウンドについてウカツに発言する事は避けておきますが……少なくとも、こういった直接的な内容の映画が世界レベルで公開されるということは、かなり意味のあることなんでしょうね。ほんのお隣にある国のことくらいちゃんと知っておかなければ、それこそ対岸の火事だなんて呑気なことは言っていられないようです。

 あ、ひとつ、どうしても気になったことがあったのですが……アジア人の顔というのは、他国の人間からすると、ああも見分けにくいものなのでしょうか? 日本人ももちろんそのカテゴリに含まれているとはいえ、この映画での俳優の見分け辛さは、私にとってはかなりのものでした。そのためにストーリーの筋を見失いかけたこともしばしばだったほどです。
 それとも、この映画は特別にそういうキャスティングをしていたのでしょうか。秘密諜報部員は、出来るだけ印象に残らないような顔立ちで、とかなんとかで。……むー、無理があるな……。



(00.09.06)