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ショーシャンクの空に The Shawshank Redemption
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 刑務所を舞台に、無実を主張する主人公と、彼を取り巻く囚人たちを描いた物語。
 原作はスティーブン・キング『刑務所のリタ・ヘイワース』。

 今さら詳しく紹介するまでもない、人気映画ベスト10の常連作品です。
 ひとつひとつのエピソードに味があり、主人公を演ずるティム・ロビンス、その良きアドバイザーとなるモーガン・フリーマンなど、俳優陣の演技もいい。さすがに引き込まれます。
 
 しかし、刑務所側の人間を悪く悪く描くことで、相対的に囚人たちを善人に(あたかも被害者のように)見せているのが気になりました。囚人側に感情移入させたいのはわかるけれども、あまりに露骨でかえって興醒めしてしまいます。主人公以外の囚人たちは別に全員が冤罪なわけでも強制収容されてきたわけでもなく、一応は罪人なのですし。

 そして、やたら「感動」を煽っているあのラストですが……
 (以下、枠内ネタバレ。反転してお読み下さい)

 あの二人は結局、理由はどうあれ、不法に脱獄したことは事実。それを、希望を捨てないのが大事だとか何とか、過剰な綺麗事のようにエンディングを描かれるのは、やはりどこか違和感があります。
「してやったぜ」という感じにスパッと小気味よく終わってくれれば、それまでのエピソードとも整合性が取れていたかもしれませんが。

 (以上)



(02.08.28)