Text - Ｍｏｖｉｅ
| さくや 妖怪伝 |
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| こういう映画を観るとどうも、作り手が一体どういう完成図を頭の中に描いていたのか、そもそも完成図なるものが見えていたのか、疑問に感じます。現場での、各パート担当者同士の意志疎通は果たしてうまく行ってたんだろうか。そんなふうに思わせられてしまうほど、とにかく何もかもがバラバラの印象を受けてしまう作品でした。 シーンの一つひとつを切り取ってみれば、映像的にはそれなりに魅せてくれる映画ではあるんですよ。でも、それらを一本に繋ぐ骨格がない。だから結果的に、作り手が何をやりたいのかがさっぱり伝わってこないのです。楽しめる作品を作ろうという気迫とか気概といったものは、おぼろげながらも感じ取れるんですけどね。 この手の物語にはケレンとハッタリが不可欠だと思うのですが、そこらあたりもちょっと中途半端。素材はそれなりに揃っているのだから、多少荒削りでも、ゴリ押しで観客を圧倒させるくらいの勢いが欲しかったところです。どうも妙にお行儀良く作っちゃってる感じがするのは、この映画の場合、かえってマイナスでしょう。 せめて主役のあの女の子の演技がもうちょっとしっかりしてたらなあ……。素人も同然のあの子を主役に据えた意図、それがこの映画の一番の謎かも知れないです。 |
(01.01.29)