Text - Ｍｏｖｉｅ
| スペース・カウボーイ Space Cowboys |
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| 何はともあれイーストウッド、それに尽きる映画ですね。良くも悪くも、彼なしでは成立しない作品でしょう。ほとんどの映画ファンにとって、監督としてならともかく、俳優としての彼は、すでに過去形の存在になっていたはずですから。 実際のところ、物語自体にはこれといって特筆すべきところが見当たりません。お話は大きく前半と後半に分かれた構成になっており、楽しめるのはその前半部分。宇宙飛行士のＯＢたちが集まって、ほのぼのとした騒動をちょこちょこ引き起こすくだりです。 イーストウッド以外にも、トミー・リー・ジョーンズやドナルド・サザーランドなど、何もしなくても独特の味と存在感を醸し出してくるベテラン俳優ばかりを集めてるのがズルいと言うかなんと言うか。彼らがただ同じスクリーン上にいるというだけで、ついつい頬の筋肉が緩んでしまうってもんです。 逆に後半、宇宙に飛び出してからの展開は正直言ってイマイチ。せっかくの個性的なキャラクターたちをまったく生かせてなかったし、話の流れも説明不足で分かりづらく、人々が何を焦っているのかがあまり伝わってこないのです。ラスト近くに衝撃的な事件が起きたりもするのですが、淡々とした演出のためか、これもさほど胸を動かされるようなことにはなりませんでした（もっともこれは、あえてそういう演出にしたのだという説も聞きましたが……）。 ある意味、アイドル映画的な側面を持ったこの作品、内容もそれなりのものに収まってしまっていたのが残念ですね。 でも、イーストウッド、これ観る限りじゃまだまだやれそうじゃないですか。年輪を重ねたゆえの風格を武器にして、もっとコンスタントに役者してみて欲しいものです。ガンバレ、オヤヂ！ |
(01.01.29)