Text - Ｍｏｖｉｅ
| ロック・ユー！ A Knight's Tale |
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| 舞台は中世ヨーロッパ。平民として生まれた主人公が、身分を偽って騎士として武闘会に参加し、成り上がってゆく様を描いた作品。 この作品でユニークなのは、歴史劇の体裁を取っているにも関わらず、劇中で現代ロックがそのまま使われているところ。ロックミュージックに合わせて、闘技場の観客が合唱したり、宮廷ダンスが踊られたりするわけです。特に冒頭、Queenの"We Are Rock You"が流れるあたりは秀逸で、かなりカッコイイですよ。こういう使い方があったか！ と、目から鱗の気分でした。 全体として、映像も音楽もキレが良く、話もテンポ良く進み、キャラクターたちも活き活きしていて、観ている間はとりあえず退屈しないのですが……。 でも。さっぱり面白くならないんですよ、この映画。残念ながら。これだけ面白い要素が揃っていてなんで面白くないのか、ちょっと悩んでしまったほどです。 そして出た結論としては……根本的に物語そのものがつまらない、ということですね。あまりにも、ひねりがなさすぎます。これといって意外な展開というものがなく、とんとん拍子に話が進んでいってしまう。全編のテンションが高い代わりに、一番盛り上がるシーン、というのもはっきりしない。 底辺からトップへ成り上がっていくストーリーならば、挫折が大きければ大きいほど、いざ栄光を勝ち取った時のカタルシスも大きくなるものだと思いますが、この物語の主人公は何故か、最初からほとんど負け知らずで、大した挫折を味わうこともない。そういう緊張感のなさも、物語の平坦化に拍車を掛けていたのではないかと思います。 |
(02.05.04)