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プライベート・ライアン Saving Private Ryan
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 のっけから始まる戦闘シーンは、確かにリアルで臨場感に溢れていました。これは評判になるだけのことはあります。
 また、中盤のドラマ部分も、それなりに胸に迫るものがあった事も認めましょう。

 でも、後半以降になるにつれて物語はどんどん失速し、ダレてきてしまうんですよね、この映画。メリハリの弱い展開、何ともじめじめした、息の詰まるような閉塞感。私は眠気と戦うのに必死にさせられたほどでした。

 そもそも、この物語の主幹となる、『ライアン二等兵を助ける事』の理由がひどい。ネタをばらすことになるので、未見の人のためにここではあえて書きませんが……でもあんな理由で、あれだけの犠牲を払ってまで救出作戦を敢行する必要があったとは、私にはとても思えません。不条理すぎます。
 その不条理さを描くことで、ひいては戦争というものの仕組みの不条理さをこそ訴えたかったのかもしれませんが、それにしたって……。エセヒューマニズムもいいところで、はっきりいって不快でした。

 本来なら○マーク3つでいいところなんですけど、序盤の凄さに免じて、ひとつ上乗せしておくことにしましょう。



(00.06.23)