Text - Ｍｏｖｉｅ
| 交渉人 The Negotiator |
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| うーん……。いや、決してつまらない映画じゃないんですよ。むしろ全体としてのクオリティは高い方に位置する作品だと思います。熱血タイプのサミュエル・Ｌ・ジャクソンと、クールなタイプのケビン・スペイシー、この二人の「交渉人」のやり取りは、なかなかに見応えがありましたし。 ただ問題なのは……タイトルや、宣伝文句であった『知能戦』といった言葉のイメージが、この映画の実際の内容とは、だいぶ外れてたってことなんですよね。もっと知略を駆使した頭脳の戦いになるのを期待していたのですが、結局は体を張っての攻防戦になってしまっていた事に、失望にも近い肩すかし感を覚えてしまったのです。おまえたち、もっと『交渉』しろよ！ って、観てるあいだじゅう、心で叫んでましたよ。 観客まで騙されるような二転三転する展開が、もっとあって欲しかったところです。私が求めていたものとのギャップの大きさが、がっくりの原因かな。 でもこれは、映画のＰＲの仕方にも問題があったと思いますけどね。明らかに『頭脳戦』を意識させるプロモーションでしたもん。 そんな中にあって、スペイシーの存在感は抜群に良かったですね。実績を示すエピソードが何もなくても、「この男はキレ者だ」と感じさせるようなたたずまいを常に見せてくれていましたから。この人は巧い役者さんです、やっぱり。 |
(00.06.23)