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マグノリア Magnolia
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 舞台はロサンゼルス郊外フェルナンドバレー。ここで起こった1日の奇妙な出来事を、それぞれ個性的な人物にスポットライトを当てながら、バラバラのドラマを複雑に交錯させつつ描いてゆく。

 さて、いきなりですが、正直に言って、私にこの映画はよく分かりません。どう解釈すればいいものかいろいろと考えてもみたのだけれど、生半可な答えでは、自分の愚かしさをただ露呈してしまうだけのような気がします。

 (以下、枠内ネタバレのため、反転してお読み下さい)

 せめてあの素っ頓狂なラストがなければ、何がしかの答えを見出せたのかもしれませんが、どうもあれこそが要みたいですしね。

 見終ってすぐの頃は、あのラストに一種の爽快感というか、清清しさというようなものを感じもしたのです。並行して進んできたいくつかの人間ドラマが終局を迎え、煮詰まったかに思えたとき、それら全てを問答無用で吹き飛ばすような事件が起きる。いくら人間がもがいたところで所詮はちっぽけなもの、巨大な天の力には敵わないんだ――そういうアイロニーのようにも思えました。

 しかしだとすると、冒頭を振り返って、『偶然の積み重なりでとんでもないことが起こる』という逸話。これが何を意味してるのかが今一つピンと来ない。確かに、『重なる』部分は、無くはありません。物語中、錯綜する人間模様は、全く別のストーリーとして進行しつつ、微妙にクロスオーバーする部分もあったりします。でも、わざわざ奇妙な逸話を持ち出すほどのものとも思えないのです。

 自分の意思とは無関係に先へ先へと押し流されて行ってしまう人間の滑稽さだとか、部分部分としてはいろいろ読み取ることも出来たのですが、この映画が全体として何を言わんとしているのか、未だに私には謎のままです。無念。

 (以上)



(01.12.08)