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ノッキン・オン・ヘブンズ・ドア Knockin' on Heaven's Door |
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まったくの偶然で、病室が一緒になった二人の男。性格がまるっきり正反対である彼らの唯一の共通点はなんと、ガンの末期であるということを宣告され、余命幾ばくもない、という残酷な事実であった。そのことを知り合った二人は、不幸な境遇同士、たちまち意気投合。病院の厨房に忍び込み、テキーラを酌み交わしつつ、互いの身の上話を語り合う。 やがて、一人の男が言った。 「実は、生まれてこの方、一度も海を見たことがないんだ」 「ホントかよ? ……天国じゃな、みんなが海の話をするんだ。沈みゆく太陽の美しさ、それを知らない奴は、天国でも仲間はずれさ」 「そうか……」 自分たちに残された時間が僅かであることを知っている二人は、こうして半ば自暴自棄のように、車を盗み出し、旅費稼ぎのために強盗を企て、一路海へ向けて突き進んでゆく。 ところが、盗んだその車が実はマフィアのものだったことから、この珍道中はさらに収拾のつかないものとなっていってしまう。二人は果たして、念願の海へとたどり着くことができるだろうか? 話のあらましだけ書くと、何やら深刻っぽい話に思えるかも知れませんが、さにあらず! 過激なのにほのぼの、渋いのにお茶目。キャラクターはそれぞれが魅力的で存在感があってどこかカワイイし、物語のテンポも快調。選曲もバッチリな上に、笑えて泣けて……と、とにかくもう何もかもグッドな作品なのです。 中盤やや間延びする感じもあるけど、全体として、すごーく愛おしい魅力に溢れた良品です! ぜひぜひ、観てみて下さいな。きっと惚れるぞ〜。 |
(99.12.19)